アノ映画日和

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「箱入り息子の恋」感想 プロの童貞、星野源について僕が思うあれこれ

 

今、星野源というアーティスト兼、俳優兼、コメディアン兼、チワワが大人気だ。
以前から人気があるのは知っていたが、逃げ恥なるドラマで更に人気は右肩上がり。
上がり過ぎて肩が千切れるほどだ。
そんなチワワについて僕がどう思っているか、今作を通じて語ろうじゃないか。

 

2013/日本
監督:市井昌秀
出演:星野源、夏帆、平泉成、森山良子、大杉漣、黒木瞳、ほか
上映時間:117分

f:id:hagane-mk:20161215214058j:image75点

ざっくりあらすじ

天雫(アマノシズク)家、その珍しい姓の歴史は終わりを告げようとしていた。
というのも天雫家の一人息子、健太郎35歳(星野源)は年齢=彼女いない歴、実家暮らし、趣味はカエルの飼育とゲーム、女性に興味すら持たない男だからだ。
しかし両親は諦めてはいなかった。
両親同士が婚活する代理見合いに参加。
そして今井家の一人娘、奈穂子(夏帆)と見合いのチャンスが訪れる。
美しい奈穂子に出会い恋をする健太郎であったが、彼女には目が見えないないという障害があった。
独身拗らせ男と盲目の美女との恋の行方やいかに


アイツなんか大キライ 大キライ

もう絶対  顔も見たくない もう知らない

年齢=彼女いない歴の童貞男という設定...
「逃げ恥」となんか似てない?
誰もがそう思うでしょう。
しかしそれは今作だけではない。
「地獄でなぜ悪い」の時もそうだ。

なんだ?
星野源は童貞アイコンなのか?

現実の星野源はモテキが確変連チャンフィーバー男じゃないか!
もっとリアル非モテ芸能人はいくらでもいるのになぜ彼を起用する?

その答えは演技を見ればわかる。
悔しいが、劇中の彼はマジメで誠実だが人付き合いの苦手な非モテそのものなのだ。

ビジュアルも見る角度によっては「ずんの飯尾」に見える時さえある。
一方童顔で可愛げのあるイケメンでもある。
カッコ悪くもカッコ良くも映る。
需要があるのも納得だ。

そんな彼の今回の恋のお相手は夏帆。
地獄でなぜ悪いでは二階堂ふみ
逃げ恥では新垣結衣
で、今作では夏帆だと?

星野源という男はいつも僕の好きな女優を狙い撃ちでイチャコラしやがる。
許せぬ!(怒)
世間が彼をチヤホヤしようと僕は認めない。

ハッキリ言おう僕は星野源が嫌いなのだ。

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悲しみの雨がやみ 希望の空の下で
孤独の服で着飾った 君の手を強くつかんで

女性とのお付き合いに興味のない健太郎はお見合いなど当然興味はない。
父親には

「もしかしてお前ホモなのか?ホモなのか?」

とセクシャリティな部分を突っ込まれる始末。
否定しながらも彼は見合いを躊躇する。
が、結局彼は見合いを受ける事にする。
それは見合い写真の彼女を見たから。

彼女は数日前、雨の中ずぶぬれになりながら雨宿りしているところに健太郎が傘をあげた女性だった。
その時おそらく健太郎は彼女にひと目惚れしていたのだ。

見合い当日、早速障害が訪れる。
天雫家は本人も含め彼女の盲目であるということを特に問題視している様子はない。
しかし今井家の父親が健太郎を気に入らないのだ。

「市役所で記録課勤務と言ったね。記録係なんて新人のやる仕事だ。13年無欠席で勤務しているにもかかわらず異動も昇進も出来ないのは、現状に満足しているか人生を諦めているからだ。君に野心がないからだ。そんな君に障害を持つ娘の世話なんて大役をこなせるはずがないない!」

カッチーーーン!!!

なんか僕が言われている様に怒りを感じました。
会社の社長をやってるか知らないが見た目とプロフィールだけで人を判断しやがって

ド怒怒怒怒!

いつの間にか僕は健太郎と自分を重ねていました。

「人は見た目や勤務先だけで値踏みされてしまいます。そういうランク付けするのは目の見えてる人だけです。お嬢さんに見えてるものと今井さんに見えてるものは違っているんじゃないでしょうか」

そうだ!健太郎よう言うた!

僕は普段理不尽な事でバカにされたり怒られたりしても何も言い返せない人間なので、ここで自分の意思をハッキリ言った健太郎を褒めてあげたくなった。

が、このお見合いは完全におしまいだ...

 

失敗に思えたお見合いでしたが思わぬ急展開が訪れます。
奈穂子が母親と一緒に健太郎の勤務先に訪ねて来たのです。

話の流れで2人でお昼を食べる事になるのですが、健太郎が普段食べてる所に行きたいという事で、吉牛に行くことに。

吉牛のレクチャーをする健太郎とそれを楽しむ奈穂子。
実に微笑ましいです。
それに奈穂子はちゃんと食べる前に
「いただきます」
を言う娘です。

僕の中でこれが出来るのは良い子と決まっています。
そして吉牛を楽しむ。
これは気取った高級レストランより居酒屋さんの方が好きと言う女は良い女の法則の最上級と言えるでしょう。

「健太郎さん、また会ってくれますか?」
「こんな僕で良ければ...」

こうして2人のお付き合いは始まります。

そもそも完全に失敗に終わったお見合い相手になぜ奈穂子は会いに来たのか。
それはあの雨の日に傘をくれた男性が健太郎だという事を奈穂子は気づいていたからです。
目が見えない分、耳は人一倍良いのです。
その耳は声を記憶し、声から優しさまで感じ取れるのです。

なんか良いやん、この2人。

リア充+星野源嫌いの僕のはずがいつの間にか完全に2人応援モードに入っていました。

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胸の中にあるもの いつか見えなくなるもの
それは側にいること いつも思い出して

2人のデートは立ち食いそば屋に行ったり、公園を散歩したり。
僕はニコニコしながら見てました。

自然と心の距離が近づく2人ですが、表情で読み取れない奈穂子に健太郎は言葉でちゃんと好きと伝えます。
それに喜び応える奈穂子。
その流れで健太郎は奈穂子にチッス

やりやがった!
だから星野源嫌いやねん!
そもそも前髪のラインから嫌いやねん!
危うく騙されるとこだった。

で、ついにはラブホにまで行く関係に。
星野源が演じる非モテ男は
いっつもそう!

最初はダメダメで完璧な非モテで、おお...同志よという感じなのに、途中から急に加速度を上げていきやがる。
これはマラソンで一緒にゆっくり走ろうねって言ってた奴が私先に行くねって置き去りにして行くパターンの奴と同じです。

やっぱり嫌いです!

でもそんな幸せは長く続きません。
2人の交際を知った奈穂子の父親が激怒します。

健太郎は土下座までして交際を許してもらえるよう懇願します。
でもクソ親父は許しません。

そんなやり取りをしていると奈穂子に向って車が...

キキーッ!ドンッ!

奈穂子をかばって健太郎は車に当り重傷。
これには天雫家の両親も激怒。
両家の親に交際を禁じられた2人は引き離されます。

健太郎の身体の怪我は治っても心は痛んでいくばかり
こんなに愛し合っているのに...
気が付けばまた僕は2人を応援していました。

そんなある日、健太郎は街中で1人歩く奈穂子を見つけます。
こっそり後をつけると奈穂子は吉牛へ。
健太郎は気づかれない様向かいの席に。

奈穂子は吉牛を食べながら泣きます。
そんな奈穂子を見て健太郎も泣きます。
そんな2人を見て僕も泣きます。

耐えきれず

「奈穂子さーーん!」

健太郎は大声で呼びますが、奈穂子はもう帰ってました。
トホホ...

このままでいいのか?
おい聞いてるのか?星野源...いや健太郎!

ここからが中々の胸アツ展開なのですが、この辺で止めときましょう。
少しだけ言うとキーワードは

走る星野源とカエルだよ

 

ということで、星野源を嫌い嫌いと言いながら、所々本音がこぼれてしまいましたね。

彼の演じる非モテ映画はいつも面白いし
良い曲を創るし
歌番組で見かける時いつも彼は
「こんばんはー星野源です!」

と言う。
挨拶のちゃんと出来る男は良い男だ。

演技も良いし歌も良いし性格も良さそうだ。
でも彼は今女性にキャーキャー言われる人気者。
その癖に非モテを演じてまたそれが好感度を上げている。
今の彼は

のび太の皮を被った出木杉なのだ!

やはり認める訳にはいかない。
いつか彼が落ち目になった時、その時僕は彼を褒めちぎろう。
でも今はその時ではないし、しばらくその時は来そうにない。

僕が星野源が嫌いだ。

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追伸、盲目の美女にダメ男が盲目的に恋する話の英題が
「Blindly in Love」
て、なんか素敵ですよね。

最後にこの映画が好きな方にお勧めしたい作品を紹介して終わります。
・地獄でなぜ悪い
・40歳の童貞男
・ラブ・アゲイン