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アノ映画日和

年間500本以上鑑賞、あらゆるジャンルの映画をイラスト付きで紹介

「僕だけがいない街」感想 全ての漫画原作映画に告ぐ

映画レビュー 邦画
 

今、邦画が熱い!
邦画というよりシン・ゴジラが熱い!
あっちのブログもこっちのブログも映画ブログはみんなシンゴジラ、シンゴジラ。
僕もシンゴジラを書きたいが、とある事情で劇場に行けない自宅鑑賞派の僕はレンタルされるその日までお預けだ。
僕が書く頃にはゴジラ熱もポケモンGO熱もすっかり冷めていることだろう。
なんとなく悔しいので今レンタル出来るなるべく新しい邦画を選んでみた。

2016/日本
監督:平川雄一朗
出演:藤原竜也、有村架純、石田ゆり子、及川光博
上映時間:120分f:id:hagane-mk:20160806213559j:image

52点

 ざっくりあらすじ

漫画家を目指す青年藤沼悟(藤原竜也)は特別な能力を持っていた。
リバイバルという時間をさかのぼれる能力だ。
しかしそれは自身の意思とは関係なく発動し、それが起こる時は必ず何か事件が起こった。それを未然に食い止める為に巻き戻った時間の世界で違和感を探し事件を防ぐ。それが彼の日常と化していた。
ある日、母親との買い物中リバイバルが起こる。
違和感を探すがそれを見つけたのは母親だった。
車で連れ去られそうな少女を母親が不信に思い、目にとめる事で事件は未然に防がれた。
しかし目撃された犯人により母は殺害される。
しかも犯人は悟だと疑われるような巧妙な手口で。
リバイバルを強く願う悟であったが、戻ったのははるか昔小学生時代であった...

 

何度でも何度でも何度でも立ち上がり呼ぶよ

タワーレコードに行く。
特に好きでもないアーティストのアルバムを何となく買って聴いてみる。
誰かとそのアルバムの話になり、どうだった?と聞かれて答える。
あんまり良くなかったよ…でも何曲か素敵な曲があったな。

そんな経験はありませんか?

僕にとってこの映画はそんな感じです。

正直全体的なイメージはペラいそんな印象。
とは言えダメなとこを羅列するのもどうかと思うので良いところを挙げていこうと思います。

まずタイムリープ物は大きく分けて2種あります。
「運命は変えられない」とする物と「運命は自らの力で変えられる」とする物。
今作は後者であり、変えるために運命にあらがう姿が描かれています。
このあらがう主人公の姿は非常に好感の持てるものでした。
現実では起こり得ない事を描いてる訳ですからそこは思いっきりあらがうのがタイムリープ映画の正しい姿です。

しかし漫画原作をせっかく実写化したのにリバイバルの描写が...
太陽がちょっと揺らいで気が付いたら過去ってもう少し工夫出来なかったですかね?
この原作を実写化するにあたって最大の見せ場でしょ?それを太陽がちょっと...いかんいかん良いところをあげるんでした。

さて小学5年生まで遡った主人公、なぜそんな昔にまで遡ったかというと、この時代に同級生の少女が誘拐され殺害されるという事件が起こります。
犯人は捕まりますが、主人公は真犯人は別にいる事を確信しています。
その少女を救い真犯人を見つける事が、未来の母を救う事に繋がると気づくのです。

なかなか凝った脚本ですね。
しかし18年も遡ったのに映像があまりそれを感じさせない。
ただの田舎町、そんな印象です。
当時の流行のアイテムを映すとかテレビ番組を映すとかもう少しノスタルジックな映像があっても...いかんいかん良いとこ探し良いとこ探し。

誘拐を防ぐ為にまず悟は少女と仲良くなります。
そしてその少女が両親から過度な虐待を受けていることを知ります。
先生にも相談しますが、なかなか好転する気配がないので自身が少女とより親密になりなんとか守ろうとします。
その一場面に大きな木の前で2人が夜空の星を見上げるシーンがあります。
ここは虐待を受ける少女も未来に大きな不安を抱える少年も

素敵な景色は平等に感動を与えてくれる...

そんなメッセージが含まれているようで素晴らしい映像でした。
2人を前に向かせる大きな力がそこにはありました。

悟の懸命の努力のおかげで少女は親から離れ普通の生活を取り戻します。
誘拐され殺害される日も超えました。
これで未来は変わる...しかし未来に戻った悟が目にするのは殺されたままの母親と殺害された日がずれただけの少女の歴史でした。

そして悟は再び過去へリバイバルするのです。
今度こそ未来を変えるために。

 

君のことを守りたい その全てを守りたい
君を生きる証にしよう 誰のためでもなく

次のリバイバルで悟は少女を救うと共に真犯人に辿りつきます。
まぁその間、現代でも過去でもなんやかんやあったのですが、はしょります。
で、その真犯人なんですがそいつかぁー!と思わせる人物ではあります。
しかしその犯人像が

薄い!薄すぎる!

仮にも少女連続誘拐殺人犯です。
観てる側が凍り付くような恐ろしい気配をまとっていなければ説得力がありません。
あるいはあまりに普通すぎる人というのも良いでしょう。
この作品の犯人はそのどちらでもなく...う~んどうしても悪いトコを言っちゃうなぁ。

で、犯人とひと悶着あり未来は変わりエンディングに向かいます。
ま、落としどころとしては悪くないエンディングでした。

しかし原作はどうなんだろう?
そう思った僕は最終巻を立ち読みしてきました。
(立ち読みはダメ!良い子はちゃんと買って読みましょう!)
実は1~3巻ぐらいまでは読んでたんですが映画も観たしすっとばして最終巻を読んでみました。
最終話、途中をとばしていても鳥肌のたつ終わり方でした...素晴らしい。
これを読んでは映画のラストは肯定しにくいなぁ...

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僕は昨今の漫画の実写化に対してどれだけ忠実になぞるかだけを意識したものを良しとは思ってはいません。
だからラストを変えるというのも否定しません。
ただ連載中に映画化するのではなく、終わりを見届けてから実写化すべきだと思っています。
作者からラストを聞いていたから良しでもありません。
そのラストに対する読者の反応も受け止めたうえで、原作を変えるかそのままにするか監督が決断する。

それが原作に対する最低限のリスペクトだと思うのです。

今、邦画が熱いこの時だからこそ、これを声を大にして言いたかった。
この映画は決して悪くはない。
他にも沢山原作を殺した映画は沢山あります。
それらと比べれば優秀な方です。
でもきっと最終話を読んでから制作にとりかかったならばもっと良い映画になっただろうなぁ...そんな風に僕は思うのでした。

追伸、冤罪で捕まった青年をもうちっと掘り下げてあげないと彼が可哀想すぎるでしょ

僕だけがいない街 スタンダードエディション [Blu-ray]

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最後にこの映画を好きな方にお勧めしたい作品を紹介して終わります。
・バタフライエフェクト
・ミッション8ミニッツ
・時をかける少女

www.anomaly3-movie.com