アノ映画日和

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「巨神兵東京に現わる」感想 シンゴジラ後に観ると超ヤバイ!10分で描く世界の終末

 

「シン・ゴジラ」Blu-ray購入よりシンゴジラ漬けの日々が続いております。
シンゴジラ+他の映画を観る毎日に

シンゴジラは白飯か!
他の映画はおかずか!

と自分でも突っ込みたくなります。
それで、たまには白飯ではなくパンも食べようかと思い
ふとこの映画を思い出し食してみました。
シンゴジラを経て再鑑賞した今作に

パン!美味え!

と、興奮してしまったので紹介することにします。

2012/日本
監督:樋口真嗣
脚本:庵野秀明
ナレーター:林原めぐみ
上映時間:10分

f:id:hagane-mk:20170404180951j:image80点

 ざっくりあらすじ

東京で1人暮らしをする「私」の前に弟が現れ告げる
「大きな災いがやってくる...この街は明日全部壊れるよ」
弟にしか見えない彼に私は聞いた
「何なのあんた...誰なの?」
「僕は警告だよ」
翌日、本当に厄災が東京に現れた。
巨神兵という巨大で異形な形をして。
そして世界の終わりの始まりが始まった...

世界の終わりに青い星が降る
僕達の空に咲く青い花

僕が最初に今作を観たのは多くの人がそうであるように
「劇場版エヴァンゲリオン:Q」の同時上映としてでした。
僅か10分という作品に僕は映画という認識も持たず
本編のエヴァQの???にすっかりその存在すら忘れてしまいました。

そしてシンゴジラという白飯に代わるパン的な存在に
パシリムにしようか?
クローバーフィールドにしようか?
とりあえず巨大な何かが暴れまわる作品がいいなと考えていた時に
突如、今作の存在を思い出したのです。

え?この映画こんなにヤバかったっけ?

再鑑賞後、以前はそこまで感じなかった興奮を感じ
その10分をエンドレスリピートしました。

僕がシンゴジラを大好きな要因は沢山ありますが、やはりゴジラの圧倒的存在感と破壊神と呼ぶに相応しい街の破壊っぷりにあります。

で、今作の巨神兵なのですが鑑賞者にもれなく絶望を味わせるだろう破壊は

まさしく破壊神そのもの!

まぁ巨神兵東京に現わるな訳ですから、肝心の巨神兵の造形がダメならお話になりませんよね。
僕はナウシカの「なぎはらえ!」の巨神兵も好きなんですが、あれは「ちっ!腐ってやがる!」でしたからねぇ...
今作の巨神兵はフレッシュです。
原作の巨神兵をリアルにしてエヴァ初号機の雰囲気を足したようなビジュアル。
神々しい!カッコいい!そして恐い!

シンゴジラにはどうやったらこんなの倒せんだ?と思いながら、

考えろ日本人!ガンバレ日本!

と応援したくなるものがありますが、この巨神兵には

無理無理無理無理無理

もう戦うどころか逃げるのも無理!という諦めしかありません。
人類の存在を脅かす存在に興奮するところは同じですが
抱く感情のベクトルは真逆にありました。

しかしこれもまた良し!

そもそも僕は世界の終わりとかカタストロフィ的なものに弱い末期の厨二病患者です。
こんな作品を好きじゃない訳がないのです。


世界の終わりは そこで待ってると

思い出したよに 君は笑い出す

シンゴジラと違うのは抱く感情だけではありません。
破壊映像そのものが違うのです。

シンゴジラが実写と3DCGで描いているのに対し
今作は一部を除き、ほぼミニチュアとマペットで描かれています。

しかし描くものは同じ現実虚構

これがね、良い感じに違和感があって味わい深いんですよ。

え?これがミニチュア?
と思わせる迫力と
あれ?なんか今の映像おかしくない?
と思わせるチープさが共存してて

CGには出せない特撮ならではの良さ!

で、その破壊映像と映像の間に挟まれる黒地に白文字のテロップ!
これがまた世界観を煽ってて良いんですよ

例えばこんな感じ

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これこれこれ~~!

よ!庵野さん!て感じが素晴らしい!

て、これ庵野さん監督じゃないんですね。
つい先日まで庵野監督作品だと思っておりました。
恥ずかちぃ...

庵野さんは企画と脚本で監督は樋口真嗣さん。
そう、シンゴジラで庵野さんとタッグを組んでいた監督です。
でも僕の樋口監督の印象って

進撃の巨人殺し

が強くて...シンゴジラで庵野さんと並んで監督のクレジットがついていても
助手ぐらいの事しかしてないんじゃないの?
とか思ってました。

本当に申し訳ございません。
(でも改めて進撃の巨人を観ようとは思いませんが...)


残酷な天使のテーゼ

悲しみがそしてはじまる 

あと今作と言えば、あのナレーションは要るの?問題。
結構要らない派がいるんですが、

要るに決まってるじゃないですか!

林原めぐみさんの綾波レイベースで淡々と語られるナレーションがあってこそ、あの絶望感が味わえるんじゃないですか!

あの温度の無い語りと迫力ある映像があってこそです。

それが今作をただの映像自慢ではなく、メッセージ性を含んだ映画と昇華させています。
そのメッセージとは何か?
この映画が意図するものは?
そういう詳しい事は考察してみた的な方のブログでお読み下さい。
とりあえず、僕はこの映画面白いよって事を伝えたかっただけなので。


どうですか?
そろそろ「もう1回観てみようかな」てなってきたんじゃないですか?
ていうか、実はまだ観た事ないんだよねっていう人。

観て下さい!

シンゴジラ好きですよね?
ナウシカ好きですよね?
エヴァも好き?

絶対これも好きです!

退屈な2時間映画を観るくらいなら、この10分間を12回観た方が絶対有意義ですから。

でも僕と同じ様にシンゴジラ漬けの人にはあまりお勧めしません。
白飯の代わりのパンとして観たはずが、巨神兵を観たらまたシンゴジラが観たくなって、おまけにナウシカまで観たくなって、結局全部観るという状況に陥ります。

あきらかにカロリーオーバーです...
映画デブです。

映画と食事はほどほどに。f:id:hagane-mk:20170404205034j:image

追伸、これ「巨神兵東京に現わる」単体では円盤化されてないんですね。
エヴァQ同録しかないのか…
シンゴジラが大ヒットした今、単体Blu-ray販売すればいいのに。
さすがに10分だけって訳にはいかないから、メイキングとか樋口監督×庵野監督が語る「シンゴジラと巨神兵とナウシカ徹底比較」付きとかで。

最後にこの映画を好きな方にお勧めしたい作品を紹介して終わります。
・シン・ゴジラ
・風の谷のナウシカ
・クローバーフィールド