アノ映画日和

年間500本以上鑑賞、あらゆるジャンルの映画をイラスト付きで紹介

「宇宙人ポール」感想 感情のない僕が90分笑って10分泣いた

 

ロードムービーが好きです。

旅で起こるハプニング。
それを通して築かれていく関係。
鑑賞後なんとも心地よいものを残してくれます。
旅の相手は様々で
親子、兄弟、友人はあたりまえ
時にそれはゲイのカップルだったり
時にそれは賞金稼ぎとその獲物だったりします。

そして時にそれは宇宙人てことも...

 

2011年/イギリス・アメリカ
監督:グレッグ・モートラ
脚本:サイモンペッグ、ニックフロスト
出演:サイモンペッグ、ニックフロスト、セスローゲン
上映時間:104分

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80

ざっくりあらすじ

コミコンイベントに参加する為に、はるばるイギリスからアメリカに来たSFオタク兼売れないSF作家のグレアム(サイモンペッグ)とクライブ(ニックフロスト)。
彼らはコミコンイベントを堪能した後、もう1つの計画を実行する。
それはキャンピングカーをレンタルしてアメリカ各地のUFO関連の名所巡り。
人生最良の日々を満喫していた二人だが、そこに政府機関から逃げ出してきた本物の宇宙人が現れて...

 

やっぱりそうだ めぐりあえたんだ
うれしい!たのしい!大好き!

この映画はコメディ映画なんですが、実は僕この欧米のコメディ映画ってやつが苦手でして。
何というか、分かり易すぎて大ざっぱ?
バナナで足を滑らせてコケるみたいな、老人でも分かるような笑いの延長線上の笑いばかりな気がするんです。
そういう笑いが好きな人も沢山いるだろうけど、どうも僕は…
日本人の笑いのツボはやっぱ日本人にしか押せねぇよな...なんて。

でもサイモンペッグ&ニックフロストコンビが提供する作品(笑い)は大好き!
ショーンオブザデッドもホットファズもそしてこの宇宙人ポールも!

笑いの種類が違うの?と言われればちょっとシュールさが入るぐらいで大して変わらない。
宇宙人が出てきて気絶するとかね、サルでもわかる様なわかり易い笑いです。
でもこのコンビが好きな人なら分かるだろうけど、2人の関係が映画の中だけじゃなくてプライベートでも本当に仲いいんだろうなって空気を出してて、観ててなんか自然に笑えるんですよね。
僕もこいつらと仲良くなりたいなぁって気持ちが他のコメディ映画よりひいき目で観させます。

しかも今作ではそんな2人より魅力的なポールが加わってんだからそりゃ大好きでしょ!

 

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それでもいいわ 近頃少し 地球の 男に あきたところよ ah

ストーリーはいたって単純。
オタクが宇宙人ポールと出会って、宇宙人は政府に追われてて、なんとかポールを故郷に帰してやろうと悪戦苦闘しながらキャンピングカーで目的地までひた走る。

もうネタバレもクソもないでしょ?

これでネタバレだぁ!て怒られちゃうなら、もう僕は映画レビューなんかやめてサボテンの成長日記でも書きますよ。

そのポールなんですが全然未知の生物って感じじゃないんです。
どこの身内にでもいる、ちょっと下品で馴れ馴れしい親戚のおっさんという感じ。
もう下ネタ炸裂しまくりで、どこかテッドと似ています。

あっちは大ヒットしてるのにこっちはいまいちマイナー作品みたいな扱いになってるの正直僕はムカついてます。

言っときますけど

こっちの方が先に公開してますからね!

もし誰かにお勧めして、

「なんかテッドみたいだった」

て言われたらパッケージを2つ並べて裏面の製作年を見せ

はい!こっちが先!
こっちがあと!
Do you understand?

とキレ気味に言ってやりましょう!
(あ、テッドも好きですよ一応)

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で、このポールさん60年も前に地球に墜落して政府に囚われてたんだけど、結構くだらない事に利用されていたりします。

スピルバーグに宇宙人のディティールの相談を受けて、ケガした人を治療出来る能力ありますよ。
よっしゃ!それ頂き!
てE.Tってポールの助言で出来てたのね...ていうか宇宙人を何につこてんねん!

で、その能力を見せる場面のひとつに、道に倒れている瀕死の鳥を拾って治してあげるシーンがあります。
あ、宇宙人て優しい...そう思った瞬間

バリバリバリバリ!!!

と食べちゃいます。そしてひと言、

「ふぅ...死んだ鳥なんて気持ち悪くて食えないからね」

それを見てドン引きするグレアムとクライブ

ま、こういうブラックでくっだらねぇネタをバンバンぶち込んでくるわけです。
でも僕はとっくに受け入れ態勢が出来ているので毎回拍手しながら大笑いです。

そんなくだらないやり取りをしながらも2人(正確には途中から3人だけど、個人的にはこいついらんと思っているのでいないもののとして書いています。)は政府の追手から命がけでポールを守ります。
もう地球人とエイリアンの壁を乗り越えて友情はどんどん深まっていきます。

この映画の良いところはコメディ映画として笑いを連発しつつも、ロードムービーとしてのストーリー進行をおろそかにしていないところです。
笑いだけでは信頼関係は築けません。
その辺をしっか分かっています。
このスタンスの良さはペグ&ニックコンビ全作に言えることですが。

 

笑いのネタを書きすぎると流石に怒られちゃうのでラストまでスッ飛ばしますが、僕が一番この映画で好きなのはラスト前です。
流石にここは大事なシーンなので未見の方は20行くらい飛ばして読んで下さい

 

なにも聞かずに  つきあってくれてサンキュ 

笑いの部分でも何でもないんですが、目的地前の寄り道のくだり。
それはポールにとってはとても大事な寄り道。
追手が迫っているのは分かりながらもポールは譲りません。

その大事な場所とは60年前に墜落した時に助けてくれた少女の家です。
少女は宇宙人を助けましたが、政府によってそれはなかった事とされてしまいます。
それゆえ少女は近隣の人たちから変人扱いされ続け、そのまま老婆になってしまいました。
そこにポールが現れ、少女から預かったままだった人形を返すのです。

「やっぱりあなたはいたんだ....私は頭がおかしくなった訳じゃなかったんだ。会いに来てくれてありがとう」

「返すのが遅くなってごめんね」

ここもうポールの優しさが溢れかえってて必涙でしょ!

で、そのあとひと悶着ありながらもポールは宇宙に帰ります。
少女(現老婆)を連れて。
自分のせいで台無しにしてしまった彼女に新しい人生をプレゼントする為です。

ええ話しやなぁ~~

おしまい。

え?グレアムとクライブそして追手のあの人のこと全然書いてないけどって?

はい、書いてません。
だって本当のこの映画の面白さはその人達ですからね。

この映画は観てない人の方が多いと思うんですよ。
だから本当の面白い部分は伏せといてあげる。

ポールに負けない僕の優しさからくる配慮です!キリッ!

宇宙人ポール [Blu-ray]

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最後にこの映画を好きな方にお勧めしたい作品を紹介して終わります。
・ショーン・オブ・ザ・デッド
・ホット・ファズ
・ワールド・エンド 酔っぱらいが世界を救う!