映画というものは各国でお国柄が出る。
特にホラー映画はそれが現れやすい。
何を恐れ、どう対応するか、恐怖そのものの捉え方、文化に違いがあるから。
その違いがホラー映画好きにとっては堪らない!
ハリウッド、コリアン、ジャパニーズ、どれも面白い。
そして、ヨーロピアンホラー、特にフレンチホラーを僕は強く推している。
実にフランスらしい独特の進化を遂げています。
ホラー耐性のない方には気軽にお勧め出来ないが、あるなら一読して欲しい。
とりわけ恐く、そして面白い4大フレンチホラーを紹介しますから。
悪趣味なのに品がある
それがフレンチホラー
いかにもおフランスざますという感じでしょ。
そして今回取り上げる4大フレンチホラーはその代表格です。
そもそも4大と言ってもどこかの映画会社が公式に定めたものでもなく、おそらくどこかのホラー映画好きが勝手に言ってるものです。
しかもそれは3大フレンチホラー。
それにこれも同格でしょ?と僕がこれまた勝手に1個足したものが4大フレンチホラーです。
では、1作1作簡単に解説しましょう。
ハイテンション
2003年公開
監督:アレクサンドル・アジャ
出演:セシル・ドゥ・フランス・マイエン、フィリップ・ナオン、ほか
上映時間:91分
グロ ☠☠
ストーリー性 ☠☠☠☠
芸術性 ☠☠☠
ざっくりあらすじ
女子大生のマリーは親友のアレックスの実家で終末を過ごす事になった。
温かい家族に迎えられ楽しい週末になる...はずだった
しかし奴は突然現れた。
正体不明の男は家族を1人また1人と惨殺していく。
そしてアレックスがさらわれた。
マリーは恐怖しながらもアレックス救出のために男を追う。
果たして犯人の正体は?そして目的とは?
本当は怖い愛とロマンス
突然キレておさらば
もしあなたが4作品のうち1本も観ていなくて、それ程ホラー耐性が出来ていないなら今作から観る事をお勧めします。
今作は従来のホラー映画に近く、物語もしっかりしている。
そして比較的血の量も少ない(あくまで他3作との比較であり少なくはない)
よくある手法で物語は展開されるが、作り手が優秀だとここまでハイセンスになるか!という良い見本。
トランプを1枚選んでマジシャンがそれを当てるというマジックが定番でありますよね。
でもその見せ方で全く違う印象になります。
まさしくあれと同じ!
この映画のマジック、驚愕します!
そして観終わったあと、あなたは直ぐにまた再生ボタンを押すでしょう。
フロンティア
2008年公開
監督:ザヴィエ・ジャン
出演:カリーナ・テスタ、サミュエル・ル・ビアン、ほか
上映時間:108分
グロ ☠☠☠☠
ストーリー性 ☠☠
芸術性 ☠☠
ざっくりあらすじ
5人の若者が銀行を襲撃するが計画は失敗。
国外への逃亡を図る途中、田舎にある1件の安宿に宿泊することに。
しかしその宿は決して立ち寄ってはいけない恐怖の宿であった。
そこはサイコパス一家が経営していた。
5人はあらゆる苦痛と恐怖を味わうこととなる。
果たして彼らはこの地獄から抜け出すことが出来るのか...
生きたまま蝋人形のごとく
震えて眠れ 明日はもうないさ
3大フレンチホラーと呼ばれるものに、僕が1作加えたものが今作です。
とにかく映像が凄い!
いったい何百リットルの血が流れたんだ!
5人も犯罪者ですが、流石にこれには同情します。
もうヤメたげて!早く逃げて!
鑑賞中、何度そう思ったことか。
主人公のあげる叫び声の音量とタイミングが...もう...うわぁ...うわぁ...
センス良すぎます。
※ホステルという映画が好きな方には特にお勧めしたい1作です。
マーターズ
2008年公開
監督:パスカル・ロジェ
出演:モルジャーナ・アラウィ、ミレーヌ・ジャンパノイ、ほか
上映時間:100分
グロ ☠☠☠
ストーリー性 ☠☠☠☠
芸術性 ☠☠☠☠☠
ざっくりあらすじ
1970年初頭のフランス。
行方不明となっていた少女リュシーが傷だらけの姿で発見された。
彼女は何者かに監禁され長期間に渡り拷問と虐待を受けていたが、なんとか自力で脱出したらしい...が、それ以上のことは語ろうとせず事件は迷宮入りとなった。
彼女はその後、養護施設に収容され同世代の少女アンナと出会う。
アンナは事件により心を病んだリュシーを献身的に介護した。
リュシーはアンナにだけは心を開く様になっていき、心の病は回復へと向かっていった。
それから15年後、朝食中のある一家の玄関で呼び鈴が鳴った。
家長である父がドアを開けると、そこにはリュシーの姿があった。
猟銃を構えたリュシーの姿が...
君が好き
僕が生きるうえでこれ以上の意味は
なくたっていい
4作中、最も認知度、人気が高いのがこのマーターズでしょう。
実は僕も今作が1番好きです。
グロ度が強烈に高いかといえば☠マーク3つレベルです。
が、胸糞の悪さで言えば最強でしょう。
胸糞が悪いのに全体的に感じる高い芸術性、目まぐるしく展開が変わるストーリー、そして謎を秘めたエンディング。
いったいこの映画は何なんでしょう?
解らないから何回も観てしまいます。
悪趣味と言われればそれまでですが、この映画が好きという人とはサシで一晩呑み語らいたい。
それ程までに好きな人は好きという作品です!
※ハリウッドリメイクというオリジナルの足元にも及ばない紛い物がありますのでご注意下さい。
屋敷女
2007年公開
監督:アレクサンドル・バスティロ、ジュリアン・モーリー
出演:アリソン・パラディ、ベアトリス・ダル、ほか
上映時間:82分
グロ ☠☠☠☠☠
ストーリー性 ☠☠☠
芸術性 ☠☠☠
ざっくりあらすじ
クリスマスイブの真夜中、出産を控えた妊婦サラは1人自宅にいた。
そこに見知らぬ女が電話を貸して欲しいと訪ねて来る。
不信に思ったサラは彼女を追い返そうとしたが、その女は強固な態度を取り始める。
警察を呼ぶと女は姿を消した
かのように思えたが、実は既に家の中に侵入していた。
こうしてサラの最悪の夜が始まった...
謎の女は誰なのか、その目的とは?
それを知った時、あなたの鳥肌はもうおさまらない
紅に染まった この俺を 慰める奴はもういない
oh Cryinng in deep red
怖い!怖い!怖い!
痛い!痛い!痛い!
ホラー映画馴れした僕はホラー映画なんてカップラーメンを食べながらでも余裕で観れますが、この映画を観る時は水一滴すら飲めません。
だっておしっこチビっちゃうから!
いわゆる人間恐い系映画の頂
ベアトリスダルが恐すぎる!
よっぽどホラー映画に耐性がない限り観ないで下さい!
特に妊婦さんはホラー耐性があっても絶対観ないで下さい!
クリスマスの映画か、丁度良いなんて気軽な気持ちで観たら失神
起きた時にはもうお正月ですからね!
目に毒注意!
という事で、フレンチ4大ホラーを紹介しました。
いかがでしょう、全て観てた方はいますか?
え?観てた?
あなた、さてはサイコパスですね?
ホラー映画とAVは似たところがあります。
ホラー映画好きだよなんて言うのはAV観たことあるよぐらいのもんです。
男子なら好きで当たり前、福山雅治なんてそれで健全なスケベと好感度をあげているくらいです。
ただそれは普通のAV、ホラーの場合です。
両方突き詰めていくとドンドンマニアな方向に先細って行きます。
今回上げた4作なんて、その先端。
もう僕は性癖を晒しだしたも同然です。
もし僕が何か犯罪を犯したら
「被告はこのようなブログ記事を書いており...」
とワイドショーで報道され、裁判でも不利な証拠になることでしょう。
皆さんは鑑賞しても決して口外しないことをお勧めします。
追伸、マーターズ、屋敷女は廉価版も販売されていてお求めやすい値段で手に入れることが出来ます。
僕も値段の魅力に負けて廉価版を購入しました。
そちらがこれ、はいドン!
映画をコレクションするのってただ観たいからだけじゃないよな...
お気を付け下さい。