アノ映画日和

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「スティング / STING」 感想 限りなく完璧に近い映画

 

古い映画というのはそれだけで敬遠されがちです。
自分の生まれよりも古い歳上の映画さんは特に敬遠されます。
それが名作だ、傑作だといくら言われようが手を出しづらい…ですよね?
その気持ち僕にもわからなくはないです。
例えば名作だと言われても白黒の鉄腕アトムを観て!となると、ちょっと勘弁してくれよとなります。

今回ご紹介する映画、おそらくこれを読んでるほとんどの方より歳上の映画だと思います。
手を出しづらいかとは思いますが、よければ推薦文だけでも読んでいってください。


1973/アメリカ
監督:ジョージ・ロイ・ヒル
出演:ポールニューマン、ロバートレッドフォード、ほか
上映時間:129分f:id:hagane-mk:20160615024728j:image

99点

ざっくりあらすじ

1936年のシカゴ近郊のダウンタウン。
この街に住むフッカーは詐欺で日銭を稼いでは女とギャンブルに注込む男。
ある日、いつものように相棒ルーサーと手を組み通行人の男から金を騙し取る。
思った以上の大金が手に入り喜んでいたが、手を出す相手を間違えていた。
ただの通行人と思われたその男は大物ギャング、ロネガンの手下だった。
しかも手にした金はロネガンに渡るはずの賭場上の上がり金。
その報復として相棒であり師匠であり親代わりだったルーサーが殺されてしまう。
フッカーはルーサーの仇を討つことを誓いルーサーの旧友であり伝説の賭博師ヘンリー
を訪ねる。こうしてロネガンを騙し取る一世一代、命を懸けたギャンブルが始まった。

 

人の心を見つめ〜つづける〜 時代遅れの〜男〜になりたい〜

1973年生まれ、今年で43歳のスティングさん。
芸能人で言うとGACKT、大泉洋、宮沢りえ、篠原涼子などと同級生ですね。
木村拓哉や福山雅治よりも年下…あれ?意外と若くない?
だから観て下さい…てそんな簡単にはいきませんよね。

古い映画がなぜ敬遠されるのか、当たり前ですが古臭いからですよね。
でも何が古臭く感じさせるのでしょう、映像やファッション、役者、音楽、そんなとこですかね?
じゃあ1個ずつ潰していきましょうか!ポキポキ!(指の骨を鳴らしています)

まず映像ですが確かに今みたいなハイクリアビジョンというわけにはいきません。
しかしセピア色の絵や写真を見て素敵!と思ったことはありませんか?
スティングはまさしくそんな感じで撮られた映画です。
古!と思う前にたぶんお洒落!て思うんじゃないかな。

お洒落といえばファッションですが、これは自信満々です。
時代が一周して70'sファッションがカッコイイ!その代表みたいなお洒落さんばかりです。
マークジェイコブスがデザインしたらしいよと言われても、へ〜〜と納得するでしょう。
実際の衣装デザインはイーディスヘッド。

ローマの休日や麗しのサブリナも担当した超一流のデザイナーです。
これを観て映画ファッションといえばイーディスヘッドよね?と知ったかぶりをしましょう。

次に役者ですがポールニューマンとロバートレッドフォードのW主演。
これが、まぁ〜イケメン!特にこの頃のレッドフォードは全盛期のブラピに瓜二つ!
この時代だと伊達男っていうんですかね?たたずまいから些細な動きまで完璧にイケてます。
ポールニューマンもタイプは違いますがやさぐれ感とダンディズムがたまりません。

この2人を愛でる為だけでも観る価値アリ!そう言っておきましょう!

最後に音楽。この映画に使われてる曲、おそらくほとんどの方が知ってる曲ばかりだと思います。
文字で音を表現出来ないのが残念ですが、この曲ってこの映画の曲だったんだ!と驚くことでしょう。
気になる方は「ジ・エンターテイナー」で検索して聴いてみて下さい。

 

さぁ、古臭さの要因は全て取り払いましたよ。その足でTSUTAYAに行きましょうか!

え?肝心のストーリーはって?あなたなかなか頑固ですね。

 

1人じゃないから キミが私を守るから
あなたの笑う顔が見たいと想うから

 

先ほど様々な魅力をあげましたが、この映画の最大の魅力はストーリーです。
今作以降もコンゲーム(信用詐欺、取り込み詐欺)を扱った映画は沢山創られてきました。
中には傑作映画と呼ばれるものもあります。しかしここで断言させて頂きます。

後にも先にもスティング以上のコンゲーム映画は存在しない!!!

...と。

大まかなストーリーはざっくりあらすじに書いた通りですが、そこからがこの映画の本題です。

いかにロネガンをはめ落し入れるか、そこが見物です。

この映画は仕掛け、釣り針、筋書き、有線、締め出し、本番(The Sting)と大きく分けて6つの章に分かれます。

これは完璧な仕事(詐欺)には完璧なシナリオとキャストと順序が大事であることを伝えており、それはそのまま映画創りもそうであるということに繋がっていると思います。
ちなみに各章の間にはこのようなイラスト画像が入ります。

 f:id:hagane-mk:20160615014654j:image

このような演出がいちいちお洒落ですよね。

作戦遂行のため、まず作戦会議がありそれに適した仲間集めがあります。
プロフェッショナルが集まる中ヘンリーは仲間たちに告げます。
この山は俺とフッカーで仕切ると。
ヘンリーはなぜ突然現れたフッカーを危険を冒してまで手伝い、しかも作戦の仕切りまでやらせるほど信頼したのか。
その理由は旧友ルーサーの為であること。それともう1つ、ヘンリーの「なぜ復讐などするんだ?」という問いに対してのフッカーの応えにあります。

「ルーサーを殺したあいつは許せない...しかし俺は詐欺師だ、殺しは出来ない、やるなら詐欺でやる」

ロネガンに命を狙われる立場でありながら、逃げることよりも詐欺で仇を討つことを告げています。
この言葉がかつて伝説の賭博師と呼ばれたヘンリーの心に火をつけ最後の大博打をこいつとやろうと決心させたのです。
 
どうですか?皆さんの胸も熱くなってきたんじゃないですか?
ここからロネガンの手先から逃げながらロネガンに近づき罠にハメていくという物語が展開していきます。伝説の賭博師の技やプロフェッショナルな仲間たちの仕事ぶり、そこにフッカーをつけ狙うケチな悪徳警官や殺し屋もまざり話は2転3転していきます。
騙されるのはロネガン?フッカー?いえ鑑賞している我々です。
 
未見の方がこれを読みスティングを鑑賞後
あのまりさんこんな素晴らしい映画を教えてくれてありがとう
と言う姿が今から目に浮かびます。だから先に言っときますね
「どんなもんじゃい!!!」
 
最後にこの映画を好きな方にお勧めしたい映画を紹介して終わります。
・明日に向かって撃て!
・ハスラー2
・マッチスティックメン