アノ映画日和

年間500本以上鑑賞、あらゆるジャンルの映画をイラスト付きで紹介

恋愛コーナーに並べられない恋愛映画たち...本当のラブストーリーは恋愛の棚を探しても見つからない

 

ラブ&コメディ=ラブコメというジャンルは当たり前に使われる。
しかしラブサスペンス、ラブアクション、ラブホラーというジャンルはあまり耳にしない。
そもそも、そんな言葉が存在するかどうかも分からない。
今回取り上げる作品たちは僕にとって間違いなく恋愛映画です。
ラブなんて言葉が付かなくても。

レオンf:id:hagane-mk:20170204222232j:image

1994年/フランス・アメリカ
監督:リュック・ベッソン
出演:ジャンレノ、ナタリーポートマン、ゲイリーオールドマン、ほか
上映時間:110分(完全版は133分)

ざっくりあらすじ

ニューヨークの片隅、孤独に生きる凄腕の殺し屋レオン。
家族から暴力を受け学校にも通わない孤独な少女マチルダ。
お互い会えば会話を交わす程度の関係であったが、ある日事件が起こる。
父が麻薬密売組織のドラッグを横領したことが原因でスタンスフィールド率いる組織により一家が惨殺される。
偶然、買い物に出かけていて助かったマチルダは隣人レオンに助けを求める。
悲しくも美しい運命の糸はここで繋がる...

これは孤独に生きてきた殺し屋と少女の愛と復讐を描いた作品である。

You are always gonna be my love
いつか誰かとまた恋に落ちても

I'll remember tolove
You taught me how

恋愛か否か?
1番取りあげられる映画はこの映画ではないでしょうか?
TSUTAYAではアクションコーナーにある?
そんなの関係ありません。
観た人がどう感じたかの話です。

この話題になった時に必ず水を差すのが、あれが恋愛だとしたらレオン、ロリータじゃね?犯罪じゃね?て言葉。

黙ってろ!

そもそもレオンはプロの暗殺者で犯罪者じゃい!

レオンとマチルダは出会った時に、この世に存在するのは男と女とレオンとマチルダになったのです。
二人にとって本人同志以外は恋愛対象外になったのです。
僕らが犬や猫を見る様に、そこに向ける感情はあっても決して恋愛対象にはならない様な、ただのレオン(マチルダ)以外の男と女に。

そこにはもう年齢差とかロリータとか犯罪とか倫理観とか全く関係ありません。
気持ちの心の問題ですから。

一点の濁りもない純愛

そう言わせて頂きます。

それを確信するのはストーリーのその後を考えた時。
あの後マチルダは大人になりその過程でいくつかの恋をするかもしれません。
結婚して幸せな家庭を築くかもしれません。
でもどの時点でマチルダに聞いたとしても

人生最愛の人は?に対する答えは

レオン...

その答え意外想像出来ません。

これほどまでに美しい恋愛映画、僕はあまり知りませんね。

レオン 完全版 [Blu-ray]

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トゥルーロマンスf:id:hagane-mk:20170204222256j:image

1993年/アメリカ
監督:トニー・スコット
出演:クリスチャンスレーター、パトリシアアークエット、ゲイリーオールドマン、デニスホッパー、ブラッドピット、ほか
上映時間:121分

ざっくりあらすじ

クラレンス(クリスチャンスレーター)は誕生日の夜をひとり映画館で過ごしていた。
そこでアラバマ(パトリシアアークエット)と出会う。
気の合った2人はその夜を共に過ごす。
しかし1人ベッドから抜け出しアラバマは泣き出し告白する
「私、実はあなたの知り合いから誕生日プレゼントとして頼まれたコールガールなの」
だがクラレンスにとってそんなことは既に関係なかった。
アラバマもそう。
2人は翌日結婚する。

問題はアラバマの元締とどうケリをつけるかだが、クラレンスはそいつを殺しそこにあった大量のコカインを間違えて持ってきてしまう。
組織は当然2人を追う...こうして2人の愛の逃避行がはじまった。

でもさ君は運命の人だから 強く手を握るよ
ここにいるのは優しいだけじゃなく 偉大な獣

タイトルがトゥルーロマンスって言ってんのに恋愛映画以外なんなの?って話。
まぁ大概のお店ではアクションコーナーに置いてあるでしょうけどね。

でもまぎれもなく今作は恋愛映画です。

この映画を最高の恋愛映画と決定づけたのは
クラレンスが元締を殺して帰って来た時のアラバマのセリフ

「殺したなんて...殺したなんて...なんてロマンチックなの!」

吉本新喜劇ならみんなドターっとこける所です。
でも大マジでそう言うアラバマに今度は観てる僕たちが

なんてロマンチックなの!って感じちゃいますよね。

僕は木琴の音が聴こえるだけでこの映画を思い出してキュン!としちゃいます。

これを恋愛映画じゃないって人がいたら、そんな人は黒ナスビです。

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バウンド
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1996年/アメリカ
監督:アンディ・ウォシャウスキー、ラリー・ウォシャウスキー
出演:ジーナガーション、ジェニファーティリー、ほか
上映時間:108分

ざっくりあらすじ

水道工事でやって来た女性工事士コーキー(ジーナガーション)とマフィアの娼婦ヴァイオレット(ジェニファーティリー)は出会った瞬間に恋に落ちる。
当然のように親密な関係になった2人。
ヴァイオレットはコーキーにある計画を持ち掛ける。
それは家にあるマフィアの金200万ドルを奪うというものだった。
単純に奪って逃げてもいずれ捕まって殺されてしまう。
そうならないように女2人は巧妙な作戦を実行する...はずだったが。

約束は要らないわ
果たされないことなど大嫌いなの
ずっと繋がれて居たいわ 

これは大体のお店でサスペンスコーナーに置かれてんじゃないかな?
ま、普通に考えたらそうですよね。
別にそこに異論はありません。
が、この映画を面白くしてるのは恋愛要素に他ならない。
そう思いません?

ヴァレンタインがコーキーと共に作戦を実行するのは、ただ利用相手として丁度良いからなのか?そこに強い愛があるのか?‥がなければ、この映画はここまで面白くなってないんじゃないかな。
そこに普通の恋愛じゃなく同性愛である必要性も感じます。
元々娼婦でレズビアンかどうかもわからないヴァイオレットだから疑いたくもなります。
で、どっちなの?
未見者の方は思うでしょうが、そこはご自身でご確認下さい。
僕が今作を恋愛映画として紹介したくなった訳がわかるはずですから。

今あらためて考えると今作の同性愛恋愛描写が薄っぺらではなく淫靡な魅力で包まれてるのは、ウォシャウスキー兄弟改めウォシャウスキー姉妹が撮ったからなんだろうなぁ... 

バウンド [Blu-ray]

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羊たちの沈黙f:id:hagane-mk:20170204231628j:image

1991年/アメリカ
監督:ジョナサン・デミ
出演:ジョディフォスター、アンソニーホプキンス、ほか
上映時間:118分

ざっくりあらすじ

女性を誘拐し皮を剥いで殺害する猟奇的殺人事件。
その捜査を任命されたFBI訓練生クラリス(ジョディフォスター)
彼女の任務は獄中にいる連続殺人犯であると同時に天才精神科医でもあるレクター博士に協力を求め、犯罪心理の側面から事件の犯人に迫る事だった。

危険な恋を ウォウ ウォウ ウォ
しちゃいけないぜスキャンダル

さてさて問題はこの作品。
ま、サスペンスかホラーの棚に並べられてるでしょうね。

クラリスとレクターの間に恋愛感情はあるのかないのか。
これをどうとらえるかでこの映画の楽しみ方は変わるので、恋愛映画であると押し付けるつもりはありません。

でも僕は恋愛感情はある派

レクター博士がクラリスに恋愛感情を持っている。
これはクラリスの過去を知りたがる質問や最後に資料を渡す際にそっと撫でる指、そして続編ハンニバルでの行動を見れば間違いないかと。

あとはクラリス側ですよね...
これもあるんじゃないかなぁ。
過去の話から父親に対する思いが強いことからファザコンの気があるのは間違いないし、その後の環境から自ら男社会に乗り込み勝気に仕事に努めるクラリス。
そんな彼女に女性として紳士的に対応するレクターに惹かれるのは自然じゃない?

それに、それに、恋愛感情が2人にあるって事にした方がこの映画面白くない?
強要はしませんよ、しませんけど...面白くない?

羊たちの沈黙 [Blu-ray]

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ということで普段恋愛映画なんてケッと唾を吐き興味のない僕が、 これは傑作恋愛映画なんじゃないの?という4作を紹介しました。

結局、恋愛の棚に並ぶかどうかは上映時間のうち何割が恋愛に費やされてるかの問題じゃないですか?
だからタイタニックは恋愛コーナーに並べられても、この4作は並べられない。
これをお読みの恋愛映画が大好きで大好きでいつも恋愛コーナーで素敵な恋愛映画を探してる。
そんな方がいらしたら、
もしかして探す棚を間違えてるかも知れませんよ?

まぁ映画なんてカテゴリーで観るもんじゃないし、実際この4作が恋愛コーナーに並んでたら、探し出すのに苦労するだろうけど。
でも探して探して見つからなくて、結果恋愛コーナーでこいつらを見つけたら、
なんでこんなとこに置いてんだよ!と怒るんじゃなくて

なんかこのお店、素敵やん...

て、なりません?
ま、それだけの話です。


追伸、うちの最寄りのお店では「ぼくのエリ 200歳の少女」は恋愛コーナーに
そのリメイク「モールス」はホラーコーナーに置いてます。
お店ならではのお拘りなんだろうなぁ...分かるような分からないような...