アノ映画日和

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「グッドナイトマミー」 感想 ブレーキの壊れたホラー映画

 
ホラー映画が好きだ。
特に人間が恐いホラー映画が好きだ。
さらに言うと、美しさを感じるホラー映画が好きだ 。

グッドナイトマミーはそんな映画だ。

2014/オーストリア
監督:ヴェロニカ・フランツ、セベリン・フィアラ
出演:スザンネベスト、エリアスシュワルツ、ルーカスシュワルツほか
上映時間:99分 

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 70点

 ざっくりあらすじ

とある田舎家、双子の兄弟が母の帰りを待っていた。しかし帰ってきた母は整形手術を受け頭部を包帯でグルグルに巻かれていた。その姿に驚きを隠せない2人。しかもその言動はかつての母のものではなくあまりに冷たい。この包帯女は母ではないかもしれないという疑いはやがて確信へと変わっていく...

ママの顔さえも見れなかった

冒頭、ど田舎な景色の中遊ぶ綺麗な顔をした双子の少年
それがもうヨ〜ロピア〜ンな感じをさせていて実に良い。
サスペンスホラーとヨ〜ロピア〜ンは実に相性が良い、マツコ&有吉ぐらい相性が良い
ホラーに美術点が加算されます。

で、母親が双子のもとに帰ってきます。
ジャケットにどアップで出てるあの包帯グルグル巻きコーデである。

その佇まいがもう既に恐い

僕なら出て行け!このバケモノ!と塩をかけるだろう。
でも双子はまずは受け入れます。

しかし生活する中で、やっぱあの人ママじゃなくね?と疑いを持ち始めます。
そう思われても仕方がないくらい包帯女はトンチンカンだし冷たい
その冷たさはどんどん温度を下げていき虐待レベルまで行きます

と、ここまでは予告やパッケージから想像がつきますね
この感じね、さぁ母親の化けの皮が剥がれて虐待がエスカレートしていくぞと
しかしここから物語は徐々に方向転換していきます。

おふくろさんよ、おふくろさん

この包帯女(既に包帯は取られてますがわかりやすいので最後まで包帯女でいきます)はやはり母親ではないと確信した少年たちが逆襲を始めます。

ベッドに縛り付け尋問と拷問

結構グロ映画を観てきてるので映像的に見ればそう過激すぎるとは思いません。
(比べてる対象がマーターズや屋敷女、セルビアンフィルムなのでちと人とはズレてますが)
しかし大人が大人に同じ拷問をしても生温いと感じるところも無垢な少年がやることで恐怖は増しています。

無垢で純粋な狂気はブレーキがありません

つまりどこまでいくのか予想がつかない心理的恐怖が半端ないのです。
正直もう観てられないという思いと結末を知るまで観ずにはいられないという葛藤が起こりました
この包帯女は母親か?別人か?母親なんじゃねーのか?もう頭がグルグルです
そして結末へと物語は進みます...


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これでいいのだ〜これでいいのだ〜〜

正直結末に用意されてるオチはよくあるベタなオチです
詳細を書いてもいいのですがレンタル店ではまだ新作です。
一応気を使っときましょう。

ベタではありますがこの映画でその手法を使うことは僕の頭にはなかったので正直ぞぞっとしました。
そしてベタで良し!

この美しい芸術的なホラーに奇をてらった変なオチは相応しくない

個人的には凄く腑に落ちました。
冒頭から見返すとなるほどヒントがあちこちに
とにかく始まりから結末まで美しく恐く魅力的なホラーでした。
やっぱりヨーロピアンホラーは良いなぁ...
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最後にこの映画を好きな人にお勧め映画を紹介して終わります。
・チェンジリング(イーストウッド監督の方ね)
・悪童日記
・エスター

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