アノ映画日和

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「10クローバーフィールドレーン」感想 この裏切りを喜べばいいのか?悲しめばいいのか?

 

夏、喉が渇き急いで冷蔵庫の麦茶を飲んだら麺つゆだった、ウェってな経験は誰もがした事あるんじゃないでしょうか。

でも、その麺つゆが美味くてもう1杯おかわりしたって人はなかなかいないでしょう。

訳が分からないでしょうが、今回はそんな映画の紹介です。

 

2016/アメリカ
監督:ダン・トラクテンバーグ
出演:メアリーエリザベスウィンステッド、ジョングッドマン、ジョンギャラガーJr
上映時間:103分

f:id:hagane-mk:20161026191728j:image70点

ざっくりあらすじ

ミシェルは交通事故を起こし気絶した。
目が覚めると、小汚い部屋にいた。
ここはどこ...?困惑するミシェル。
そこに男が現れる。
男の名はハワード。
「君を救う為にここに連れて来た」
地上で何かとんでもない事が起こり、ハワードは彼女を地下シェルターに避難させたと言うのだ。
にわかには信じられない話に疑念を持ち、得体の知れないハワードに恐怖するミシェル。
そしてシェルターにはもう1人、エメットという男も避難していた。
彼も言う
「地上で何かとんでもない事が起こった」
こうして男2人、女1人の地下生活が始まった。
誘拐監禁を疑うミシェルはなんとか脱出を試みるのだが...

 

肥大したモンスターの頭を
隠し持った散弾銃で仕留める
今度こそ躊躇などせずにその引き金を引きたい

僕はPOV映画の中では、クローバーフィールドが1番好きだ。
だからこの作品はムチャクチャ心待ちにしていた。
極力事前情報なしに観る為にあらゆる情報をシャットアウトして待機していた。
バカな日本の配給会社が出したパッケージのせいで凄いネタバレを喰らったが、それ以外はなんとかふせたまま鑑賞にこじつける事が出来ました。

そして再生。
え?え?あれ?今回POVじゃないの?

初っ端から裏切られた。
でも裏切はこんなものではありませんでした。

ミシェルは2人の男が言う事を疑ってましたが、こちとらクローバーフィールドの続編を観てるつもりの鑑賞です。
地上でとんでもない事が=モンスターが暴れとるの図式が頭に浮かんでおります。

早く、早く地上の絵を見せろ!

はやる気持ちを弄ばれる様に地下生活の絵が続きます。
そういえば、前作もなかなかモンスターを見せなかったな。
また焦らし作戦だな?
よっしゃよっしゃ待ってやろうじゃないか。
その代わり凄いのを見せてくれよ。
この段階では僕はまだ前作の続編である事を信じてました。

そこに隙をついてミッシェルが脱出を試みます。
地上と繋がる扉の前に来たところで外から助けを求める女性が小窓に映ります。

開けるな!

ハワードが大声で止めます。
助けを求める女性を見ると顔が異様に崩れています。
「大丈夫!私は少ししか触れていない!中に入れて!」
そっと扉から離れ地下に戻るミシェル。

どうやら外は汚染されてるみたいです。
他国の核攻撃を受けたのか?宇宙人による攻撃なのか?分からないがとにかく外は危険だと認識するミシェル。
核?違う違うモンスター!
僕はまだ前作をひきずってました。


そう微かにドアが開いた 僕はそこから逃げ出すだろう

この狭い地下室では何か 狂っている狂っている

その目で感染者を見てしまったミシェルは今まで疑って御免なさい的に地下生活を受け入れます。

そうなると結構この地下シェルター、雑誌あり映画あり音楽ありで中々な快適空間です。

僕はこの恐怖映画の中の束の間のパラダイス演出ってやつが好きです。(ゾンビ映画のショッピングモールとかね)
こういう演出が後に来る恐怖を更に高めてくれますよね。

ハワードも出て行った娘の写真なんか見せてくれたり、娘の服を貸してくれたりでぶっきらぼうだけどなかなか良い奴じゃんなんて印象も受けます。

もう1人の男エメットもお調子者だけどこいつが窮屈な地下生活を和ましてくれます。
ま、それからパズルをしたりボードゲームをしたり互いの人生を語ったりとどんどん親睦を深めていくのです。

...て、あれ?これクローバー...フィールド...だよな...?

不安になってジャケットを見たらちゃんと
10クローバーフィールドレーンと書いてありました。

と、僕が確かめていると、劇中では空気浄化装置が故障するという一大事が!

えらいこっちゃーて事で誰かが浄化装置を再起動させに行かなくてはいけませんが、それがあるところに行くには狭い換気口をくぐって行かなくてはならず、ミシェルが行く事に。

浄化装置を再起動させる事に無事成功したミシェルがそこに小窓があるのを見つけます。
その小窓を見ると内側から誰かが書いたHELPの文字が...
その付近には血痕も...

不信に駆られたミシェルはエメットに相談。
ハワードについて考えます。
ミシェルがハワードの娘の写真を見せると。

こ、これ娘なんかじゃねーぞ!
この少女は2年前に行方不明になり今もまだ見つかっていない子だ!

ということはあの文字はこの子が書いたもので、ここは監禁部屋で、その子はもう...

奴はサイコパスだ!なんとかここを脱出しなくては!

2人はハワードに隠れありあわせのもので防護服とガスマスクを作る計画を実行していきます。

もうハラハラドキドキのサスペンス展開に僕はすっかりクローバーフィールドの事は忘れていました。

こっからのソリッドシチューエーションホラー展開がかなり面白く、観た人は知ってるだろうし、観てない人はここを楽しんで欲しいのですっとばします。

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穏やか過ぎる夕暮れ 真夜中の静寂
またモンスターが暴れ出す

話はかなりすっ飛ばして、何とかミシェルが外に出た所から。
外に出てみると空には鳥が飛び汚染なんかされていません。
ははは...てな感じで防護服を脱いだところに

例のジャケットの宇宙船みたいな奴が登場!
毒ガス的なもの噴射させながら襲って来ます。

おっそ!

何?この急なトンデモ展開?
で、ワチャワチャ闘って、なんとか車で脱出。
その時にどっかの家の郵便ポストが転がってそこに
10 CLOVER FIELDの文字が...あ、ここはクローバーフィールド10番地だったのね。

ちゃうねん!そんなん違うねん!
あのモンスターは?
モンスターじゃなくてもいいから、破壊された街並みは?
逃げ惑う群衆は?

結論から言うとこの映画はかなり面白い。
でも、これはクローバーフィールドではない!
非常に優れたソリッドシチュエーションホラーだ!

この展開の面白さは、果たしてクローバーフィールドと思って観たからこその裏切りの面白さなのか?
名前を伏せて見た方が面白いのか?それは分からないが
「クローバーフィールド/HAKAISHA」の正式続編が観たかったなぁという思いでいっぱいです。

ちなみに、JJエイブラムスのコメントは

今作と前作は同じDNAを持ち、特別な繋がりを持つ作品集の一遍である。

とのこと。

はぁ???

もし前作が父親で今作が嫁さんが産んだ子供なら
こ、これ、ほんまに俺の子か?

て、絶対疑いますけど?

と言いながらも僕は既に3回観てるくらいこの映画が好きだ。
悔しいけど好きだ。

タイトルにもしたぐらい、この裏切を喜べばいいのか?悲しめばいいのか?さっぱり分らない...でもこの先何回も観る事になるんんだろうなぁ...

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追伸、完全にパニックホラーのジャケットにクローバーフィールドの名前を付けて売り出すこの作品をまるで果汁1%のジュースみたいだなぁ…と思ったのは僕だけでしょうか。
美味しかったから、まぁいいんだけどね。

10 クローバーフィールド・レーン ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]

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最後にこの作品を好きな方にお勧めしたい作品を紹介して終わります。
・ルーム
・SAW
・クローバーフィールド/HAKAISHA

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