「私とあの娘どっちが好きなのよ!?」
いきなり聞かれても、どっちも同じぐらい好きって事があります。
それは男女問わずあります。
だから恋人とその手の事で揉めてもそんな質問はやめましょう。
て、これ映画ブログじゃないの?
はい、映画ブログです。
僕はデヴィッドフィンチャーが好きで、特にセブンとファイトクラブは別格でどっちも同じくらい大好きです。
どっちが好きなのよ!?
と聞かれても...日によって違うとしか答えられません。
で、今日はファイトクラブの気分なのでファイトクラブを書きます。
1999/アメリカ
監督:デヴィッド・フィンチャー
出演:エドワードノートン、ブラッドピット、ヘレナ・ボナム=カーター、ほか
上映時間:139分
96点
ざっくりあらすじ
僕はジャックの目です。
もう何年も不眠症でジャックを苦しめています。
僕はジャックの足です。
特にやりたい仕事がある訳でもない職場に毎日運びます。
僕はジャックの脳です。
こんな毎日は無意味だ。
そんなある日あの男と出会った。
男の名はタイラーダーデン。
僕は彼と男同士が殴り合う「ファイトクラブ」なる組織を作った。
しかしタイラーは組織を暴走させ始めた。
僕はジャックの手です。
なんとかタイラーを止めなければ...
私以外私じゃないの 当たり前だけどね
だから...
こんなへんぴな映画ブログを読みに来るぐらいの皆さんだから、この映画は当たり前のように見てるでしょう。
だから当たり前のようにネタバレもどんどん放り込んでいきます。
え?え?まだ観てないよ!ちょっと待って!
という人は文章は読まずにイラストだけ見てお帰り下さい。
チラッと目に入っちゃったよっとかクレームを付けられてもチロルチョコくらいしかあげれませんのでご了承下さい。
この映画、僕はいったい何回観てるのでしょう?
そしてこれから何回観るのでしょう?
ジャックとタイラーダーデンは同一人物。
そんなオチは知っているのに何回観ても面白い。
いや、観る度に好きになっています。
多重人格オチの映画なんて今作以前にも以降にも腐る程あります。
でも初見時に今作ほど驚きを感じた映画はありませんし、今後も現れないでしょう。
いやいやいや、だったらあの映画の方が‥とかお思いの皆さん、
知らんがな!
僕は初見時のあのやられた感が忘れられません。
でも2回3回観てると、あからさまに同一人物ですよという描写が最初から最後までまき散らかされています。
なんで気づかなかったのかなぁ?と不思議に思うくらい。
きっとそんなオチ読みしてる暇なく物語に魅せられていたからでしょうね。
あまりに面白い物語は先読みする事を放棄させ、ただ流れに身を任せるように鑑賞させます。
常に今!現在進行形の今!に惹きつけられているからです。
叩け!叩け!叩け!
俺らにゃ けものの血がさわぐ
では何にそんな惹きつけられてるか?
それはやっぱ暴力と破壊でしょうね。
世間体的にはね、暴力なんていけない!と言ってますが
男子にはいくつになっても暴力に惹かれるワンパク坊やの部分がどうしてもあります。
千年無敗の古武術の継承者が地上最強を証明する話や
地上最強生物の父親を持つ少年が地下闘技場で闘う話に興奮してしまうのです。
これはホモサピエンス雄のDNAに刻まれている事なので仕方がないのです。
だからこの映画だけは男の映画と言わせて貰いたい。
映画は下着ではないので男性用、女性用があるわけではないですが、
これだけは譲って貰いたい!
その代わりラブアクチュアリーはあげるので...おまけで黒崎くんのいいなりになんてならないも付けますんで。
それだけ男子を惹きつけるこの映画ですが、こいつは非常に危険な映画ですよ。
カリスマ的な男(タイラーダーデン)に惹かれた男達が次々とファイトクラブに加入していき、殴り合うクラブから社会を攻撃する集団へと変貌していく。
もう完全にカルト教団、あるいはテロ組織の話ですからね。
で、何が危険ってそのカリスマが
ムチャクチャかっけえ!!!
なんせ男の憧れを具現化させた存在ですからね。
見た目からしてブラピですよ。
あのルックスに鍛え上げられたボデー、それを包むファッション。
ノンケの僕でも新しい扉を開いてしまいそうになります。
それが実は自分自身だったなんて設定。
こりゃ厨二を拗らせた成人男子が観た日にはヤバイことになります。
きっと上司に悪態をついて会社を辞め、
俺の内なるタイラーダーデンよ目覚めよ!
なんて言い出します。
冷静に考えれば世間はそれをニートと呼ぶのに...
これは描写が過激なホラー映画やエロス映画よりよっぽどヤバイです。
PG-12とか甘い規制でいいんすかね?
R-18にすべきじゃないですか?
複雑にこんがらがった社会だ
組織の中で頑張れサラリーマン
このブログをいつも読んでくれてる方ならご存じかと思いますが、僕は重度の厨二病患者ですからね、当然タイラーダーデンに憧れまくりです。
でも喧嘩はムチャクチャ弱いしビビりですから、せめて見た目だけでも近づけないかとちょっとググってみました
まず、赤のレザージャケット
¥32,800
うん、まぁ手頃な値段ですね
次、赤茶色のサングラス
¥19,800
ほぉほぉ、まぁ大丈夫ですね。
次、メイプル柄のシャツ
¥19,800
ちょっと、お高くない...?
でもまぁ次、モトクロス柄のTシャツ
¥21,800
あかん!
Tシャツで5,000円以上はあかん!出せん!
トータル金額
¥94,200
パンツやら靴やらあわせたら余裕の10万越えです。
僕にはタイラーダーデンは無理です。
脳内でスキンヘッドの男たちが僕の事を
彼の名前はロバートポールセン
彼の名前はロバートポールセン
彼の名前は...
と連呼するのでとりあえずデブって巨乳になっときます。
皆さんもくれぐれも変な憧れで会社を辞めたりしないで下さい。
と、こんな感じで主演のジャックのことを差し置いてタイラーダーデンの事ばかり書いてしまいました。
しかしくれぐれも言っときますが、僕はエドワードノートンが大好きですからね。
ハリウッド俳優の中でも5本の指には入るくらい好きだし。
でも今作だけは仕方ないでしょ。
ちょっと役柄的にどうしても部が悪いです。
ブラピがカッコ良すぎってことでノートンさんにはご了承頂いときましょう。
ノートンさん演じるジャックの良さは、自身がタイラーと同一人物であることを認識しだしてから出てきますね。
(個人的にはその少し前タイラーの影響で凶暴化していくジャックも好きですが)
クラブを暴徒化させた後、突然姿を消したタイラーを探し聴いてまわるジャック。
これは何かのテストですか?タイラーさん?
皆が皆、ジャックをタイラーと呼ぶ。
そこで困惑しだすジャック。
暴徒化を止めたいジャックとさらに暴徒化させようとするタイラー。
良心のジャックと悪心のタイラー。
どちらが本心なのか?
あの困惑と気づきの演技はさすが演技派俳優です。
そこから幻覚と分かりながら再び現れたタイラーと対話するジャック。
2人で始めた(実際は1人)ファイトクラブの行先を2人が対峙して決着をつけようとします。
画面的にはタイラーは映ったり映らなかったり。
通常の映像と監視カメラの映像を使い幻覚と現実を交互に見せる描写は秀逸です。
この映画以降、あちこちの映画でこの描写が模倣されています。
そして辿り着いた終末。
ジャックはタイラーを消すことは出来たが、結末は変えることは出来なかった。
ジャックがマーラと手を繋いでビルの倒壊を眺めるシーン。
あれほど破壊のカタルシスと空虚を同時に表現したエンディングはないのではないでしょうか。
そして流れるピクシーズのWhere is My Mind
最高すぎるでしょ!!!
ああ、また観たくなってきた。
ほんとこの映画には中毒性がありますので、皆さんも用法用量には十分ご注意下さい。
追伸、ちなみにタイラーダーデンが着ていたバスローブもググってみましたが
¥21,800でした...
僕はジャックの疲れた財布です。
最後にこの映画を好きな方にお勧めしたい作品を紹介して終わります
・セブン
・真実の行方
・ユージュアルサスペクツ