「IT それが見えたら、終わり」感想 1990 vs 2017 新旧の優劣と違い

27年ぶりにスティーブンキング原作「IT」がリメイクされ大ヒットしました。
DVDも販売、レンタル開始されたので既に鑑賞済みの方も多いでしょう。
そしてその中には、これ旧作も観といた方が良いのかな？
旧作はやっぱり色々違うのかな？
なんてモヤモヤしてる方もいるのでは？
逆に旧作は観たけど新作はまだ、なんて方もいるでしょう。

はい、今回はそんな方々の為に観るべきか否かのご参考に新旧の違いを紹介します。
ついでに優劣までつけちゃいます。

観たけどあんまり気にしてない
どっちも観てない
どっちも観た

そんな方は...ま、暇があれば読んで下さい。

2017年/アメリカ
監督：アンディ・ムスキエティ
出演：ビルスカルスガルド、ジェレミーレイテイラー、ソフィアリリス、ほか
上映時間：135分

78点

ざっくりあらすじ

静かな田舎町デリーで相次ぐ児童失踪事件。
ビルの弟もある大雨の日、その姿を消した。
弟の行方を追い続けるビルの前に"それ"は突然現れた。
恐怖の姿をして。
その姿を見た者はビルだけではなかった。
"それ"はこの町に住む子供たちの前に次々現れる
そして子供たちは消えて行く
ビルは仲間たちと結束し"それ"と闘うことを決意する。

それはそれ これはこれ
悪かないね 妻の肌 

ぺ二－ワイズについて

ITと言えば、まず頭に思い浮かぶのは踊るクラウンことペニーワイズ。

1970オリジナルと2017リメイク版はどう違うか？
その説明はまずこいつからにしましょう。

と、その前に新旧どちらも未見の方の為にペニーワイズとはなんぞや？を説明します。

太古から存在する恐怖の化身「IT」
27年周期（旧作では30年）でデリーの町に姿を現す。
やつは子供が心に抱える恐怖（トラウマ）の姿をして現れます。
そして恐怖した子供を食べるというタチの悪い奴。

その「IT」のベースの姿（お気に入り？）がペニーワイズという踊るクラウンです。

2017年度版ペニーワイズ。
演じるのは若手俳優ビルスカルスガルド。
怖いというか

カッコいい！

ですよね。
白を基調としたコーディネイトでまとまりがあり、茶髪を逆立てて。

一方、90年度版ではティムカリーがその役を演じました。
やることは同じなんですが、その容姿は派手なコスプレのチョケタおっさん。

でもそれが怖い！

生身の人間を感じさせるその姿は、アメリカにかつて実在した連続殺人鬼ジョンゲイシー（道化の姿で33名を殺害した凶悪犯、キラークラウンの異名を持つ）を想像させます。

新旧どちらも「さんをつけろよ！デコ助野郎！」なんですが、NEWペニーワイズはスタイリッシュ。

派手でチョケタおっさん vs クールなお洒落さん

怖さでは旧作、カッコ良さでは新作...
う～ん、この勝負はドローかな

思春期に少年から大人に変わる
道を探していた 汚れもないままに 

ルーザーズクラブについて

「IT」に立ち向かう、少年6人少女1人で形成される「ルーザーズ（負け犬）クラブ」
容姿や家庭環境などそれぞれ問題を抱えたいじめられっ子の集まり。

これは新旧設定に変わりはありません。

もやしっ子、マザコン、おデブ、黒人、メガネ、等々キャラにあまり変わりはありません。（確か旧作にはユダヤ系の子がいたと思いますが、新作にはいなかったです）

ただちょっと違うのは、新作のルーザーズクラブは分かり易い いじめられっ子集団なのに対し旧作はわりと好戦的でした。
特にメガネのリッチーが

いじめっ子集団「バワーズ」に映画館でコーラをぶっかけたり、挑発されても言い返したり。
いじめられっ子としてキャラがぶれるので、その辺はカットで正解。

年齢設定も新作の方が3、4歳上になってる気がします。
これは見た目的になので、たぶんです たぶん。

そんなことより

べバリーちゃんですよ！
ベバリーちゃん！

旧作は三つ編みの芋っ子だったのに、新作どんだけ可愛いねん！
何あれ！可愛い過ぎるやろ！
いや、僕はロリコンじゃないですよ！
ないけど、なんか画面ごしからでも漂う色気とかフェロモンとか甘い香り？

川で遊ぶ時の下着姿とかお風呂のシーンとか、もう...あれだし
父親に性的虐待を受けてるっぽいシーンとか守ってあげたくなるし

レオンのナタリーポートマン、ハリーポッターのエマワトソン、キッックアスのクロエちゃんに通じるものを感じます。

いや、だから僕はロリコンではないですって！

でもこの勝負、圧倒的に新作の勝利です！

注）旧ベバリーちゃんもブスではないです、普通に可愛いです。
新作が可愛い過ぎるだけです。
あとお肉ちゃんも、よりお肉ちゃんになっててよかったね

君と僕とで世界を冒険してきたけど
泣いたり 笑ったりして 

ストーリーについて

知りたいのはこれですよね？
これねぇ...

変わってると言えば思いっきり変わってる
変わってないと言えば全然変わってない

どう言う事かというと

新作はビルの弟が攫われるところからはじまり、ルーザーズクラブメンバー達と出会い、いじめっ子達と対立し、ペニーワイズに襲われと時系列どおり進みますよね。

これが旧作では大人になった彼らからはじまり、彼等の回想として少年時代が語られる前編と大人になった彼らが再び「IT」と対峙する後編という2部構成になってます。

つまり旧作の前編だけを切り取って映画にしたのが、2017年版「IT」という事です。

3時間超の旧作を2時間に縮小したのではなくて、90分の前編を2時間に膨らませたんですね。

英断！

ぶっちゃけ旧作の面白いところは、この少年時代の回想（前編）です。
もともとホラー的な要素は弱く、「IT」という恐怖対象の存在で少年少女が結束していく青春物語として面白いのです。

スタンドバイミーやグーニーズなどと並べられて語られる事が多いのはそういう理由です。

アラフォーの僕はそのキラキラした青春に懐かしさを感じ涙がこぼれます。
眩しすぎて眼球がくぼみます。

また旧作は回想なので、各エピソードをぶつ切りで重ねる構成。
これを違和感なく1つの物語として繋げた点は称賛に価するでしょう。

で、旧作の良いエピソードは膨らませて、要らない所はばっさりカット。
足りなかった所は新たに加える。
その塩梅が丁度良い。

よりジュブナイル感が増し増しで、おっさんはキュンキュンしました。

うん、ストーリーも新作の圧勝です。

負けない事、投げ出さない事、逃げ出さない事、信じぬく事、駄目になりそうな時 それが1番大事

描写について

青春映画として素晴らしいと言っても、ホラー映画の冠を付けてるのですからやはりその描写にはこだわりが必要です。

正直、旧作のダメなところはその描写がぬるぬるなところです。
あくまでテレビシリーズ用に創ったものだったので、過激な描写が無理なのは仕方ないですが、新作は完全映画なのでここで逃げたら、それこそ終わりです。

はい、逃げてませんでした。

1番分かり易いのが、この映画の象徴的シーンであるジョージーとペニーワイズの排水溝でのやり取りです。

会話のやり取りはほぼ同じですが、旧作はこれから襲うというところで寸止めでした。
一方新作はここを描ききりました。
ジョージーの腕は食いちぎられ、路面は血だまりでぬれ、排水溝の中に引きずり込むところまで。

偉い！

これがオープニングなので掴みとしては100点です

また「IT」が子供たちの前に現れる姿も
旧作は、チープというか安易というか...え？何でそれなん？てのが多かった気がします。
新作では「IT」の姿とドラマがリンクされていたので非常に分かり易かったです。

あとは「IT」との対戦ですね。

旧作は...え？それで終わり？「IT」弱え～って感じ
新作は、これはこれで問題ありで
それYouTubeで動画あげたら
「荒れる現代の若者たち」
と炎上するくらい子供たちが「IT」をボコります。

でも闘いとしては盛り上がったのでアリです

ということで、描写面もこれまた新作の圧勝

それが答えだ！そーです そーなんです
それが答えだ！エブリバディ、強引でも不安じゃねぇ 

結論

1990 vs 2017は
あらゆる面で

2017の圧勝とします

もともと昔のテレビ用ドラマを現代の映画の土俵にあげて比べるのも予算的な問題や規制の問題からして可哀想なんですが、純粋に比べるとどう判定しても新作の勝ちです。

映像、ストーリー、音楽、キャスト、あらゆる面でアップデートされていました。

これは僕がそもそも「IT」に大した思い入れがなかったから冷静に判断出来ただけで、もしBTTF（バックトゥザフューチャー）のリメイクだったとしたら いかに優れていようとオリジナルの勝ち！としたでしょう。疑惑の判定と言われようと。

だからオリジナル「IT」に思い入れがある方が読んでたら鼻フガものだと思うけどごめんね。

でも、PS（プレステ）で育った世代の人たちが、いまさらFC（ファミコン）のバンゲリングベイで盛り上がるとも思えない。
それぐらい新旧に差を感じました。

それでも78点といまいち高い点数をあげれないのは、ホラーとしてやはり怖くなかったからです。
でも怖さには人それぞれ耐性があり、怖かったり怖くなかったりします。
だからこの「IT それが見えたら、終わり」は

「IT これが観れたらホラー映画好きのはじまり」

的作品の誕生と言わせて頂きます。

ということで、新作を観た方は旧作をチェックする必要はありませんし、
旧作しか見てない方には面白いので是非見て下さい
と絶賛お勧めします！
長文お付き合い頂き有難うございました

と、締めくくれれば良かったのですが...エンドロールで

「IT Chapter 1」

て、出て来たやん！

1てどういうこと？2もやるの？
後編も映画化するの？
いやいやいや、もう面白いとこ全部だしたやん！
あれで終わりでいいやん！
残りは出がらしよ？
JJIとBBAの同窓会としょぼい再戦があるだけなのに...

いかに後編がしょぼいか気になる方は是非、旧作も御覧下さい。
僕はChapter 2がオリジナルと全く異なる作品になる事を祈ります。

追伸、このクオリティでリメイクされるならば、スティーブンキング原作ホラーで僕が1番好きな「ランゴリアーズ」も是非リメイクして欲しいです。
チャプター2はまた27年後でいいので...

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最後にこの映画が好きな方にお勧めしたい作品を紹介して終わります。
・スタンドバイミー
・グーニーズ
・ロストボーイ