今年は例年にも増して漫画の実写映画化が多い
でもピンポンを超えることはないだろう。
今ミックスという卓球映画が好調らしい
でもピンポンを超えることはないだろう。
ピンポンは漫画原作実写映画、卓球映画、両方で
最強なのだから。
色んな異論がありそうですね
だからいかにピンポンが最強かを語ります。
2002年/日本
監督:曽利文彦
脚本:宮藤官九郎
出演:窪塚洋介、ARATA(現、井浦新)、中村獅童、大倉孝二、竹中直人、夏木マリ、ほか
上映時間:114分
89点
ざっくりあらすじ
卓球を愛し卓球から愛される青年ペコ(窪塚洋介)
卓球はただの暇つぶしと常にクールな青年スマイル(ARATA)
幼馴染の彼らは片瀬高校卓球部に所属している。
共に抜きんでた実力の持ち主だったがスマイルは決してペコには勝て(勝た)なかった。
しかしペコが歯が立たない相手を打ち負かすスマイル、そしてスマイルの本当の実力に気付き出す周囲。
ペコは卓球を捨て、スマイルは本当の実力を開花させていく
今日から一番カッコイイのだ
バリバリ最強No.1
キャスティングが最強
人気漫画を実写映画化する際、どうしても注目されるのが
どれだけ原作のキャラのビジュアルに忠実な俳優が起用されているか
僕はそれについてはかなり甘い方で、逆に忠実じゃなくても良いのでは?派です
例えば「脳内ポイズンベリー」などは、主役の真木よう子なんて原作のイメージと全く異なりますが、全然アリです。
でも、今作のペコとスマイル
当時23歳の窪塚洋介が高校生のペコ
当時29歳のARATAが高校生のスマイル
ちょ、ちょ、それ無理があり過ぎじゃね?
なんですが、もう目に映るのはまさしくペコとスマイルでした
アラサーのARATAが見事高校生を演じていたのは驚きです。
今作から以降僕はARATAファンになってしまいました。
そ、し、て、
窪塚洋介ペコ
ハッキリ言って鑑賞前は窪塚洋介がペコなんて全然違う!と否定派でした
ところがビジュアルは違うんですが正真正銘ペコなんです
話し方や雰囲気、もうペコ以外何者でもない。
ペコが憑依してます
窪塚洋介は元から好きでしたが、更に好きになりました。
でも最も素晴らしかったのは
大倉孝二さん演じるアクマでしょう
初見時、大爆笑してしまいました
世の中にこんなアクマに似た人がいたのか、漫画から飛び出して来たんじゃねえか?と
今作以降、テレビドラマで大倉さんを見る機会が増えましたが、いまだに
あ、アクマだ
と思ってしまうのは僕だけじゃないはずです。
飛び方を忘れた鳥たちの歌声を
聞いておくれ
物語が最強
何が素晴らしいってまず原作が素晴らしい。
ハッキリ言って僕は松本大洋信者です。
その中でもピンポンは特別な漫画です。
映画と同じくらい漫画もこよなく愛する僕の
「人生のベスト10作」に入る漫画です。
ピンポンをムチャクチャしやがったら許さねえぞ
その不安は杞憂でした
思えばコミック4巻で完結って2時間の映画にするのに丁度良いサイズなんですよね
最近の漫画原作映画はやたら長編漫画を実写化して失敗してます
いやいやいや20巻以上ある漫画どうやったら2時間に収まんのよ
前後編にしても無理無理無理
しかし4巻とはいえやはり削るとこは削らなければいけません。
普通に考えると主役ではないアクマの物語を削りそうなものです
しかしこの監督さんは良く分かっています
アクマの物語こそが重要なのだと。
ペコとスマイルは天才です
自分を重ねる事は出来ません
外側から見ての好きです
一方アクマは凡人、僕たちが唯一自分と重ねられる人物
終盤の風見先輩との会話後の
「少し泣く」
は漫画史上に残る名セリフで名シーン
しかしそこを描くには、不良たちと街角で喧嘩をし
「何処見て歩きゃ褒めてくれんだよ」
のシーンを描かなければなりません。
そしてそこを描くにはスマイルとの勝負、風見先輩との会話、幼少期のアクマ、等々
一切を省かずアクマの全てを描く必要があります
この監督はアクマから逃げませんでした
偉い!
その代わりどこを削ったかというと
ペコとスマイルの特訓
スマイルの成長と人間性
ペコの復活を描くのにとても重要なシーンです
それを最低限のシーンを描き大幅にカットしました
仕方ないです
そこ以外削れるとこないもの
長尺にしてダレるよりはよっぽど良い
英断です
二人セゾン 二人セゾン
忠実さが最強
上記に繋がるとこですが、多少の省略、膨らましはあるものの、原作の良さを余す事なく再現しています
ピンポンとは凡人と天才の孤独、苦悩、挫折、羽化、解放を描いたぶっちぎりの青春物語です
凡人とは先のアクマと風見(ドラゴン)
天才とはペコ、スマイルです。
この2人の天才の関係性こそがこの作品の面白さ
幼少より卓球の神童として周りの注目を浴び、自身もそれを自覚し溺れていたペコ
そんなペコに卓球を教わったスマイルにとって、ペコは親友であり、師匠であり、ヒーローでした。
ところがいつしか自分はペコを追い抜いていた
ペコを負かした相手をスマイルは倒します
それを見てペコは卓球を捨てヤサグレます
そしてスマイルは才能を開花させていきますが、孤独と虚しさを抱えます
彼は卓球のサイボーグと呼ばれるように
この2人を救うのが凡人のアクマです
怠慢と妥協にまみれた卓球を続けてきたペコに
死ぬほど努力すりゃ、ちったぁ楽になんよ...ヒーロー
この言葉を機にペコは猛特訓し、復活。
この間スマイルはずっと心で念じていました
ヒーロー見参
ヒーロー見参
ヒーロー見参
インターハイ決勝で待つスマイルの元にペコは全力で駆け上がります
お帰りヒーロー...
そして決勝
て、ほんとカッチブーだな
ここを忠実に描いてくれてんだから、原作ファンとして文句なしですよ
名言の数々もこぼさず拾ってくれてるしね
この監督、最強のカットマンじゃね?
スピードをあげて 摩天楼ダイブするのさ
ボリュームをあげて 今宵の共犯者たちへ
映像と音楽が最強
原作に忠実であることは原作ファンにとって嬉しいことですが、それだけならただ原作をトレースしただけのファンに媚びた作品
最近の漫画原作映画はこの風潮が目立つ。
そんな作品たちと今作が一線を画すのが
音楽と映像
二次元を三次元にする意味を持たせています。
まず音楽
全編に渡りテクノサウンドが流れます
これがハマった
特に主題歌と挿入歌どちらも担当したスーパーカーの曲たちが、この映画を盛り上げます。
音のない漫画にメロディとリズムを与えた、まさに音楽の勝利です
そして映像
ヘタすると地味になりそうな卓球という競技にCGを駆使し躍動感と疾走感を与えています。
もちろん演者の窪塚、ARATA、中村獅童たちに卓球の技術はありません
それでも超絶技術を魅せなければいけません
そこで演者には素振りをさせ、球はCGで後付けという演出
ピカピカ見えるッ!
ピンピン動くッ!
インパルス走るッ!
反応 反射 音速 高速
反応 反射 音速 高速
もっと、もっと速くッ速くッ
原作のあの熱量を持ったシーンが動きとなって見えます
人があんなに早く動ける訳ない
人があんなに高く飛べる訳ない
そう思いながらも熱くならざるを得ない、見事な演出でした
初見で見る人は熱さまシート貼って鑑賞した方がいいよ
て感じで、どないでっか?
ピンポンがいかに最強か少しは伝わりましたでしょうか?
え?これ以上の漫画原作実写映画を知ってる?
別にいいですよ...
紹介することで何かを犠牲にしたり、勝つために誰かを引きずりおろしたくないんだ。
何も責めちゃいないさ、いいんでないのォ
エンジョイピンポン
でも困った時は心で3回唱えな
ヒーロー見参
ヒーロー見参
ヒーロー見参
そうすりゃオイラがやってくる
ピンポン星からやってくる
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追伸、知ってました?
最後大人になったスマイルが卓球を教えているちびっこは幼き頃の染谷翔太くんです。
再鑑賞する機会があればチェックしてみて下さい
面影あり過ぎて笑えますよ
最後にこの映画を好きな方にお勧めしたい作品を紹介して終わります
・鉄コン筋クリート
・キッズリターン
・ロッキー3