輪郭のハッキリした映画が好きです。
はい、ここで笑って
ここで怒って
ここで泣いて
映画が指示を出してくれる通り感情を動かせばいいので楽で良いです。
そんな映画ばかり観ているとそのうち脳が考えるのを止めそうですが
疲れてる時に、疲れる様な映画を観るのは避けたいですよね。
この映画、サルでも笑って泣いて興奮する様なチョーーー分かり易い映画ですよ。
2011/アメリカ
監督:ショーン・レヴィ
出演:ヒュージャックマン、ダコダコヨ、エヴァンジェリンリリ、ほか
上映時間:127分
82点
ざっくりあらすじ
西暦2020年、人はロボットが闘うロボット格闘技に熱狂していた。
ボクサー崩れのチャーリーはロボット格闘技のプロモーターにのめり込み、家族を捨てそれだけに生きていた。
そんなある日、元妻が亡くなったとの連絡を受ける。
残された息子マックスの養育権について妻の姉と話し合いの場が設けられる。
息子に興味のないチャーリーは10万ドルで養育権を譲ると提案。
姉夫婦は旅行に行く3か月の間だけ息子の面倒を見てくれるならという条件付きでその提案を受けた。
息子に興味のない父親と父親に興味のない息子の3か月だけの親子関係がこうして始まった。
どう思う これから2人でやっていけると思う?
んんどうかな でもとりあえずは一緒にいたいと思ってるけど
僕は誠実でマジメな主人公という奴にいまいち魅力を感じません。
優等生を主役にするのであればとことん挫折を味わうストーリーにして欲しい。
そうでないなら主役はどうしようもないクズがいい。
ざっくりあらすじの通りチャーリーは正真正銘クズ親父です。
一方、息子のマックスもクソ生意気なガキです。
ん?なかなか面白い親子の話しじゃないか。
この親子、お互いに全く興味が無いもののやはり親子、2人ともロボット格闘技が大好きです。
この話は2人のどちらかがロボット好きでなければ親が息子を売る人身売買の映画になっていたでしょう。
マックスの養育権10万ドルの前金5万ドルを手にしたチャーリーは、その金で日本製の中古ロボ(ノイジーボーイ)を手に入れます。
しかし、チャーリーはロボット格闘技が好きなだけでプロモート能力は全くノーセンス
優秀なノイジーボーイをたった1試合でスクラップにしてしまいました...完
嘘嘘、本題はここからです。
ですが今回はあらすじを追うので未見者のネタバレ予防は自己管理でお願いします。
ロボットを失った2人は仕方なくスクラップ置き場に忍び込み、お金に替えれそうな部品を探します。
そこでマックスが泥まみれのロボットを見つけます。
名前は「アトム」
ひと昔前の動きを真似るだけのスパーリング用ロボット。
チャーリーはそんな使えないポンコツ置いていけと言いますが、
マックスはそれを持ち帰ります。
マックスはアトムにスクラップにされたノイジーボーイの部品を組み込み試合用ロボに作り替えます。
更に動きを学習する能力も付け足します。
このクソガキ天才かよ!
学習能力をつけてどうするか?
そうです、ようやくクソ親父の出番です。
こんなクソ親父でも元プロボクサー。
アトムにボクシングを身に付けさせます。
この辺、名作ロッキーを思い浮かばせるシーンでなかなか良いです...
て、待てよ...ここだけじゃなく全体的にロッキーだな。
ま、いいでしょう。
アトムを試合に出すためにトラックで街から街へ移動します。
ちょっと待って、
親子が...トラックで移動しながら...試合をして行き...関係を築いていく...
それもうオーバー・ザ・トップやん!!!
ロボットでロッキーさせて、親子にオーバーザトップをさせるって、
監督スタローン大好きかよ!!!
ちなみに「チャンプ」の要素も入れてますね。
ま、だからと言ってこの映画をパクリ映画とは思いませんよ。
クラッシックムービーの要素をベースにロボット格闘技という新しいアイデアを付け加える。
これはパクリではなくオマージュです。
空をこえて ラララ 星のかなた〜
もともとスパーリング用に作られたアトムはタフ
その上チャーリーの技術も身に付け、天才少年マックスの適切な指示も与えられた。
向かうところ敵なしの連戦連勝を手にします。
そして試合前のロボと少年のダンスパフォーマンスも話題を呼び、ついに
あの!WRB(World Robot Boxing)から試合のオファーがかかります!
あの!て、どのやねん。
しかし敵は「ツインシティーズ」
かなりの強敵です。
(強敵かなんか知らんけど見た目は頭が2つあってクソダサいです)
興行主は負けてスクラップにされる前に現チャンプ「ゼウス」のスパーリング用ロボとして20万ドルで売らないかと提案。
いいか!アトムは絶対売らない!
マックスは強気で言い返します。
いやいやいや売れよ!20万ドルやぞ!
と僕が思うよりいち早くクソ親父が売ろーよーと言ってました...さすがです。
苦戦はしながらもなんとか「ツインシティーズ」を撃破したマックスは
おい!ゼウス!僕たちと勝負しろ!
ラッシャー木村(本名・木村正雄)ばりにマイクパフォーマンスで挑発します。
続けて
この小さなロボとゼウスが闘うとこを観たくないか?
どうですか~お客さぁぁーん!!!
もう完全に猪木ボンバイェです。
そしてゼウスとの対戦が決定しました。
ファイト!闘う君の唄を 闘わない奴等が笑うだろう ファイト!
ゼウスはあの天才プログラマー タク・マシドが設計した神ロボットです。
だからあのって言われても知らんし誰やねん!
どうでもいいけどタクマシドって聞くたびに宅麻伸が頭に浮かぶねん!
ついでに賀来千香子も浮かぶねん!
と、本当にどうでもいい事を考えてる間にアトムがボコボコにされていました。
倒されても倒されても立ち上がる姿は、まさしくイタリアの種馬です。
なんとか最終ラウンドまで持ちこたえましたが、音声指示機能が壊されてしまいました。
アトムはもう動けません。
僕を含め誰もが諦めたその時、マックスだけは諦めていませんでした。
なんと!アトムの模倣機能を作動させます。
マックスはチャーリーに言います。
「チャーリーなら出来る、絶対出来るよ!」
チャーリーがリング脇でアトムを模倣操作する作戦です。
無理だと断るチャーリーですが、マックスの目が完全に父を信用してる目をしてます。
ここで引き下がったら男じゃない、親じゃない!
チャーリーはアトムに俺の目を見ろ!俺を真似ろ!と命じます。
僕の脳内ではロッキーの「Eye of the Tiger」が流れていました。
と、同時にそれってルール的にどうなん?アリなん?とも考えていました。
すると解説者が
「おおっと!リング脇でチャーリーが拳を振っている!これは音声指示ではない!アトムは模倣機能を搭載していたぁー!」
とご丁寧に解説してくれました。
アリです!アリならヤレ!チャーリーーー!!!
飛び回り拳を振るチャーリー!それを忠実に模倣するアトム!
マックスはリングよりも父の闘う姿を応援しています。
勝負はどうなるのか!
もうベッタベタの展開にベッタベタのラストです。
しかしあのお互い無関心だった親子が今...と僕は号泣していました。
だから言ったじゃないですか!
僕はこういう分かり易いのが好きなんですよ。
オチは言わないでおいてあげるから、未見者はすぐに借りに行ってネピアの箱ティッシュを空にする勢いで号泣して下さい。
ダイエットや健康を気遣った様な、低カロリー塩分控えめ映画なんてクソ食らえとあなたも思うはずですよ。
追伸、輪郭のハッキリしない薄味映画にも傑作は沢山あります。
勢いで調子に乗った発言がありましたことを訂正すると共にお詫び申し上げます。
ついつい調子に乗っちゃうタチで、ええ....あ、はい、まぁ、反省してまーーーす。
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最後にこの映画が好きな方にお勧めしたい作品を紹介して終わります。
・パシフィックリム
・ロッキーシリーズ(5以外)
・オーバー・ザ・トップ