恋愛映画のパターンはもう出尽くした。
あとはどうアレンジするかだけ...そう思ってました。
今回取り上げるこの作品、目覚める度に性別、年齢、容姿全てが変わる、いや変わってしまう人の恋愛物語。
そんな映画観たことがあります?
2015/韓国
監督:パク・ジョンヨル
出演:イス役/ハンヒョジュ
ウジン役/キムデミョン、ドジハン、ペソンウ、上野樹里、ほか多数
上映時間:126分
75点
ざっくりあらすじ
家具デザイナーのウジンは18歳の頃から眠って起きると、心(男性)以外、性別、年齢、国籍等、容姿に関わる全てが変わってしまう奇病を発症する。
その病気を理解し接してくれるのは母と親友サンベクのみ。
それゆえ人と接触することをなるべく避け、サンベクと共同で家具を制作、販売して生活をしていた。
しかしある日、アンティーク家具の販売員イスに出会い恋をする。
毎日違う容姿で尋ねるが、どんな容姿のウジンにも彼女は優しく丁寧な接客をしてくれた。
日に日に高まる恋心を抑えることが出来ず、ウジンはイスへの接触を試みる。
ユーモアの弾丸くらって 世界が目を覚ます
いやぁ~、観終わって暫く呆然としましたね。
新しいものを観た。
こんな感覚はいつぶりでしょうか?
恋愛映画に関わらず、今斬新な作品を生み出すのはほぼ不可能に近いです。
もうどれだけ既存のものをアレンジするか、組み合わせるかしか残ってません。
そこにこいつです。
毎日姿が変わる男の話?
そんなの見たことも聞いたこともありません。
1人2役、3役、それ以上、1人が何役もするという映画は沢山あります。
亀梨和也主演の「俺俺」という映画では1人33役というのが話題にもなりました。
しかしこの映画は1役123人!
み、観たい!!
もうこの情報だけで僕はTSUTAYAでパッケージからDVDを抜き取りました。
僕は映画を観るなら非現実的であればある程興味を持ちます。
恋愛なんて誰でも経験するようなもん、わざわざ映画にするな!
リア充反対!リア充反対!
デモ行進したいくらいです。
しかしこの映画は
非現実×現実=非現実の強調=むっさオモロイ
を証明しやがりました。
チッ
では簡単にストーリーを追ってきましょう。
ピロリン♪ピロリン♪
ネタバレ警報です。未見者は速やかに避難して下さい。
君の顔が好きだ 君の髪が好きだ
性格なんてものは僕の頭で 勝手に作りあげりゃいい
ウジンは客ではなく男としてイスに接触を試みます。
どうせ接触するならイケメンの日。
ジッとチャンスを待ちます。
来い、来い、来い、来い…
よっしゃキターー!!!
Kis-My-Ft2の何ちゃら君みたいな超イケメン日の到来です。
このチャンスを逃す訳にはいきません。
超イケメンの強引な誘いにイスも食事くらいなら…とOK
イケメン強し!やはり強し!
え?人は見た目じゃない!心だ!みたいな映画と思ってた?
バカじゃないの?
それは後々の話で人間最初は見た目勝負ですよ。
で、初日のデートは好感触で終了。
問題はここから
寝て起きたら容姿が変わるんだから、寝なきゃ良い…
で、ウジンは不眠イケメン延長作戦でイスとドンドン親しくなっていきます。
普段からイケメンの日にはナンパに繰り出していたウジンにとって、女の扱いは慣れたもんです。
はい、そこのブサメンすねない、すねない。
ついに2人は別れ際にキスを交わし、恋人一歩手前ぐらいまで来ました。
しかし、有頂天のウジンは帰りの電車で寝てしまいます。
目覚めた時のウジンさんの姿がこちら、
いや、落差デカすぎやろ!
ウジンはイスに会いに行く事が出来なくなりました。
急に会えなくなったイスはもどかしい気持ちです。
そんなある日、新人女性スタッフがイスに相談があると話しかけてきます。
やさしいイスは二人っきりになれる場所で話を聞きますが、その女性が言います。
「僕、ウジンです!」
はぁ?いきなりなんやねん。
なんでわざわざスタッフになんねん。
必死にウジンは説明しますが、ウジンはバカにしないで!てな感じ。
ま、当然ですよね。
それでも気になるイスはその女性の家を訪ねます。
出て来たのはまた違う女性。
上野樹里です。
あなた...ウジンさん...?
理解はやっ!
2人は夜通し話します。
これまでの苦労やお互いの恋心を...
映画には尺ってものがあるんだから、この辺の展開の速さは見逃してあげて下さい。
同じベッドで寝た2人、先に起きたのはイス。
イスは家中を見まわします。
そこにある、老若男女あらゆる人物用に揃えられた衣服にイスは彼の苦労を知ります。
で、ウジンが起きてきます。
イケメン男性の姿で。
なんかね、ここもそうだけど最後まで
いい場面の時は絶対イケメンか美女
都合がいいというか、ウジンのヒキが強いというか。
結局、監督さんが1番見た目にこだわってるやんという皮肉の1つも言いたくなりますね。
この日を境に2人の交際が始まります。
毎日変わるウジンの姿に戸惑いながら楽しむ微笑ましいシーンが続きます。
僕のお気に入りはシーンは、
これだけは嫌だっていう姿はあるの?と尋ねるイス。
そこでシーンは切れ変わる。
そこに映ったのはお子ちゃまのウジン
ウジン「どうしたんだよイス~」
イス 「ねぇ、タメ口はやめない?」
なんか可愛いくて、リア充嫌いの僕の口角も上がりました。
あと2人には合図が出来ます。
恋人を見つけることが出来なくて悲しむイスにウジンが言います。
「必ず僕が最初に君を見つけるから、その時はそっとこうするよ」
イスの手を握るウジン。
黙って君の手を握る、その人が僕だよ。
普段の僕なら秒で停止ボタンですが、すっかり2人の応援モードに入ってたので、
なんか素敵やん...てなってしまいました。
しかし、そんな幸せの日々ばかりが続く訳がなかったのです。
君といるのが好きで あとはほとんど嫌いで
まわりの色に馴染まない 出来損ないのカメレオン
初めてこんな自分を受け入れ一緒にいてくれる女性をウジンは運命の人だと確信し、結婚を申し込みます。
イスはウジンを愛していながらも、すぐに答えを出すことが出来ません。
結婚するには考えることが多すぎる...家族や周りの人にどう紹介すれば?
普通の夫婦の暮らしは出来ない。
少し考えさせて欲しい...
当然です。
こんな寿命があるのかないのか?分からないような人間のプロポーズを簡単にOKする方がおかしいです。
あらためて自分の異常さを痛感し落胆するウジン。
そこに追い打ちをかけるように新たな事実を知ります。
イスはウジンと付き合う様になってから、不眠で悩み体調を壊していたのです。
自分と一緒にいてもイスは幸せになれない...そう判断したウジンはイスに別れを告げ姿を消します。
そして海外で1人家具デザイナーとして生きて行きます。
(容姿の変わる人間にパスポートが作れるのか?とかそんな疑問には蓋をして下さい)
ウジンを失ったイスは酷く落ち込みます。
彼を想う気持ちはこんなに強いのに、どうしても彼の顔だけが思い出せない。
ツラ...ツラミ...
さて、ここから2人はどうなるのでしょうか。
顔のない男に幸せは掴めるのでしょうか。
顔のない男を愛した女性はこれからどのように生きるのか。
いつものように寸止めで紹介をやめます。
だってまだこの作品は新作ですからね。
ご自身で借りてご確認下さい。
ま、僕が思ったのは人物画(人生)を描くのに背景から描いてはいけないってことですかね。
追伸、このブログでは韓国映画の回とホラー映画の回はいつも人気がないです。
でもこの映画は紹介しないといけない、そんな使命感を勝手に感じて書いてみました。
誰かがこのブログを読んで共感、興味を持ってくれたなら嬉しいなぁ...
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最後にこの映画が好きな方にお勧めしたい作品を紹介して終わります。
・エターナルサンシャイン
・イルマーレ
・猟奇的な彼女