大抵の男性にとってイケメンとは敵とみなすべき存在です。
イケメンというだけで特に経済力があるわけでも優しいわけでもないのにモテたり社会的に何かと恩恵を受けたりします。
もうこれは生まれ持った才能の1種なので、ただただ羨み妬むしかないのですが、
なるべく早く死んでもらえないかな、などと考えたりしてしまいます。
しかし今回のこの映画、死して尚イケメンというとんでもないイケメンの話でして...
2013/アメリカ
監督:ジョナサン・レヴィン
出演:ニコラスホルト、テリーサパーマー、ジョンマルコビッチ
上映時間:97分
62点
ざっくりあらすじ
ウィルスによって人類の大半が死滅し街にゾンビがあふれる近未来。
ゾンビは人間を襲い、人間はゾンビを駆逐していた。
ある日、青年ゾンビ『R』はいつものように人間を襲っていたが、少女ジュリーにひと目惚れしてしまう。
Rは他のゾンビからジュリーを守り続ける。
次第に心を動かせていくジュリー。
しかしゾンビと人間、その対立関係は2人の恋を認めるわけがなかった。
さながらゾンビ版ロミオ&ジュリエット、2人の恋のゆくえは、人類の未来は、そしてゾンビに未来はあるのか...?
ご使用の前にこの取扱説明書をよく読んで
ずっと正しく優しく扱ってね
冒頭ゾンビ青年Rの嘆きから始まります。
なんだか知らないがゾンビになってしまった。
名前は頭文字がRということしか覚えていない。
仕事はなにしてたのか?年齢は幾つなのか?さっぱり覚えていない。
なんだこのノロノロした動きは?
単語程度なら話せるが基本ゔぅゔぅ呻き声しか話せない。
そして今はこの空港を家にしている。
でもまだ思考があるだけましか...
おいそこのゾンビ、キモイから自分の皮膚剥がすのやめろよ。
なるほど、ゾンビってそういう風になってたのね、ゾンビ大変ねと哀愁を感じます。
どうやらゾンビにも進行具合がゾンビそれぞれに違い、R君はまだ軽度のゾンビっぽいです。
ゾンビ化が最終段階までくるとドクロ化し、理性はおろか思考もなくただただ襲うのみとなる様です。
つまりこの世は人間、ゾンビ、ドクロの3種に分かれたみたいです。
R君説明ありがとう。
ゾンビそれぞれ違いはあれど、食の好みは共通してます。
そう人間が大好物です。
今日も人間を食べに街に繰り出します。
ゾンビの食事はいつも集団行動。なぜなら人間が銃で頭を撃ってくるから。
ゾンビがいつも群れてるのはゾンビなりの自己防衛という事みたいですね。
一方ゾンビ化を免れた人間達は自警団を設立しゾンビ退治に勤しみます。
本作のヒロインのジュリーも団員の1人、父は自警団のトップで恋人はエース。
今日も恋人と同じチームでゾンビ退治の準備に大変。
そこにR君たち御一行様到着です。
恋しちゃったんだ たぶん気づいてないでしょう?
襲うゾンビに撃つ人間、もう修羅場です。
今回はどうやらゾンビ優勢で、人間達を食べます。
ジュリーの恋人もR君に食べられちゃいました。
ゾンビに噛まれるとゾンビ化してしまいますが、脳まで食べると完全に死なせてあげれます。そして食べた脳の記憶を吸収出来ます。人間だった頃を感じられます。
その2つの理由でゾンビは人の脳を食すのです。
食すR君の目にジュリーが映ります。
ドッキューーーーーン!!!
R君ひと目惚れです。
恋人食っといてど厚かましい!
ジュリーが他のゾンビに食べられないよう身を挺して守ります。
自身の血をジュリーにつけることで人間臭を消しゾンビに擬態させます。
そして手をとり空港に連れて帰ります。
いやいや連れて帰ったらあかんし、ジュリーも逃げろ!
空港に着いたら自宅の飛行機内にご招待。
恋しちゃってるR君はジュリーにレコードかけたりビールを渡したりと気遣いが大変。
ジュリーに嫌われないように
キモいのはダメ、キモいのはダメ、キモいのはダメと心に言い聞かせます。
たぶん鑑賞する女子はここでR君可愛いとなるのでしょう...Rあざといぞ!
飛行機内の生活を続ける中、ジュリーもRに心を許していきます。
しかしジュリーはやっぱり帰りたいので飛行機から逃げ出します。
逃げきれずゾンビに囲まれるジュリー。そこにRが駆けつけます。
ノロノロとしか動けなかったRが走ります。
そういえば飛行機内でも会話を交わしてました。
ジュリーに対するトキメキがRの体に変化をもたらし始めたようです。
そしてゾンビ達の前に立ちはだかり、ジュリーの手を取るR。
手を繋ぐ2人を見て他のゾンビ達も
ズッキューーーーーン!!!
心にトキメキを感じます。
そのトキメキが他のゾンビ達にも変化をもたらします。
恋の力は偉大です
て、どないやねん!
君を守るため そのために生まれてきたんだ
難を逃れたジュリーですが、やっぱりお家に帰りたい。
車を運転し2人で人間エリアに向かいます。
今度はRが人間からの危険に怯えなければなりません。
て、ジュリー1人で帰れや!
お家にRを匿うジュリー。どうやらジュリーもRに恋心を感じ始めたようです。
しかし忘れてはいけません!Rはジュリーの恋人を食ってるんです!
布団に入り眠りにつくジュリーにRは告白します。
「き、き、君の恋人を食べたのは僕なんだ...」
「そう...なんとなく気づいてた…残念だわ...」
えええええええ!!!!!!
そそそれだけええ!恋人たべたのにぃ~?
もう無理!やってらんない!イケメンだとゾンビでも人喰っても恋人食っても許されるしモテます。
ここから先、おおRあなたはどうしてゾンビなの?おおロミオ的なラブロマンス。
ゾンビの心の変化を許さないドクロたちと人間、その間で人間を守るゾンビたちの攻防戦。
人間達に理解してもらうために奮闘する2人。
人間世界とゾンビ世界の行く末はどうなるのか。
ドクロ・ゾンビ・そして人間、ジュリーを襲う全ての者から身を挺して守るR君のイケメンぷり
と見どころは沢山ありますが、もうそれは各々でご確認下さい。
ホラー主体に恋愛要素を入れてみましたって映画はよくありますが、恋愛を主体にし、それをホラーの世界でやってみましたって映画は意外と珍しいです。
その点を評価するともう少し高い点数をつけてあげたかったですが、僕の中のヒガミ、ネタミ、ソネミがそれぞれマイナス3点を要求してきたので仕方ありません。
でも面白いので、お家でまったり映画鑑賞デートの際、ラブストーリーを観たい彼女とホラー映画を観たい彼氏で意見が分かれたなら折衷案として本作を選んでみてはどうですかね?知らんけど。
最後にこの映画を好きな方にお勧めしたい作品を紹介して終わります。
・ショーンオブザデッド
・ゾンビーノ
・ファイナルガールズ