たまには季節にあった記事を書こう
あなたがいつこれを読んでいるか分からないが僕の暦では3月の末。
もうすぐエイプリルフールだ。
このエイプリルフール、かなり昔から来日してるわりには特に盛り上がる日になってない。
企業の広告で遊ばれるくらいで
クリスマスはおろか、来日したてのハロウィンにさえ負けている。
優しい僕はせめて映画だけでもエイプリルフールにちなんだ作品を紹介してあげることにしよう。
2015/日本
監督：石川淳一
出演：戸田恵梨香、松坂桃李、里見浩太朗、寺島進、りりィ、ほか
上映時間：118分
65点
ざっくりあらすじ
4月1日エイプリルフール。
1年に1度だけやって来る、嘘が許される日。
この日、とある街では様々な嘘が満ち溢れていた。
そんな嘘たちが交錯するとき、誰かに奇跡が起こる...かもしれない。
You,liar,liar もう信じられないや
なんてスッパイんだ 大人のパラダイス
僕は群像劇が大好きだ。
群像劇とは？ニコニコ大百科によると、
同一の世界観や舞台において、それぞれ別の人物による独立した短編がいくつも同時進行しているストーリー手法のひとつ
それならば、今作はまぎれもなく群像劇だ。
豪華キャストが沢山そろい様々なエピソードが同時に映されています。
でも僕は今作に群像劇？
と？マークがついてしまいます。
僕が好む群像劇とは
①同一の世界観や舞台において、それぞれの人物の魅力的なストーリーが適切な量で同時進行している。
②先の条件を点とするならば、点と点が繋がり、あるいは交錯することで線になる。
③先の条件で出来た線同士が更に繋がりをもち、予想もしない結末を生み出す。
④先の条件を全て満たした先に1枚の絵がくっきり浮かび上がる。
という感じです。
今作は①の条件でいうと適切な量ではありません。
多すぎます！
7つの嘘が同時進行する訳ですが。
メイン軸になっているのは
天才外科医を偽る男に妊娠させられた女性がレストランでピストルを持って客を巻き込み立て籠もり事件を起こす話。
ロイヤル夫妻が休日に市民生活を満喫する話。
ヤクザが少女を誘拐する話。
自分が宇宙人と確信した少年がUFOに交信を取ろうとする話。
この4つです。
あと3つはオマケのような話です。
しかも魅力的なのは上から3つ目まで、宇宙人のやつはつまらないです。
②の条件でいうと点と点を繋ぐ線が
薄っい！
本来繋がることを前提としたエピソードをバラして徐々に繋がりを魅せるべきところ。
今作は最後に帳尻合わせをするかのようにドタバタっと繋げていきます。
独立したエピソードを作って、どうやって繋げようかな？って考えて繋げたようにしか感じれません。
拭えない無理やり感
③④の条件は、まずエイプリルフールという絵が前提で創られているので意外性がありません。
全てのエピソードが嘘か本当かの2択になるので、予測がついてしまうのです。
う～～ん、これは群像劇ではあるかもしれませんが、僕の求める群像劇ではないです。
群像劇になり損ねたオムニバス映画
ぶっちゃけた僕の感想はそうなります。
群像劇を求めて鑑賞すると、悪い意味で騙されます。
邦画で面白い群像劇が観たかったら三谷幸喜か内田けんじの作品を選ぶべきだよな。
今作は残念ながら観る価値なし...かな
ごめん、ごめん。
いや、言ってることは本音なんだけど
観る価値なしってのは嘘！
群像劇としては認められないけど、作品としては結構面白いです。
ダメなところを先に書いたので、次は良いところを書きますね。
真っ赤なウソを重ねながら
純愛・不倫を繰り返す
まずテンポが良くて退屈しません。
それぞれのエピソードを丁度良い尺で次のエピソードに行き、まだ戻りを繰り返すので
お！こっちはどうなった？
と楽しみながら鑑賞出来ます。
しかもこれだけ多くのエピソードを抱えているにも関わらず、ゴチャゴチャにならずちゃんと把握しながら観れる様になっています。
それは、コミカルなパートとシリアスなパートの使い分けが上手いから。
これはエピソードにメリハリがつくと同時に、鑑賞者の感情の揺さぶりもかけてくる面白い見せ方です。
そして古沢良太脚本ならではのキャラ創りの上手さ。
リーガルハイ、デート～恋とはどんなものかしら～の脚本家さんです。
さすがに、古美門先生や谷口巧、薮下依子ほどの強いキャラはいませんが
（いたらもうワンマンショーの映画になっちゃいますからね）
各パート1人か2人はこの人好きだなぁ～というキャラを配置してます。
レストラン立て籠もり妊婦は芋けんぴばかり食べてるコミュ障さん。
ロイヤル夫婦のドライバーを務めるのは過剰反応のタクシー運転手。
誘拐犯のヤクザの子分はいつも殴られ役。
あげればキリがない程、好きなキャラばかり。
というか、嫌いなキャラはいないなぁ...
あ！いたわ、1人だけ。
ま、それはあとで話します。
で、そのキャラを演じるキャスティングも素晴らしい。
主人公の妊婦を演じる戸田恵梨香は、もうコミュ障ぶりがハマりまくってて可愛いのなんの。
ロイヤル夫妻演じる里見浩太朗と富司順子の品のあること。
胡散臭い占い老婆のりりィさん。
りりィさんはいつもちょっとしか出番がなくても強烈なインパクトを残しますよね。
本当惜しい人を亡くしました、しょぼん。
菜々緒、寺島進、戸次重幸、小澤征悦、ユースケサンタマリアも良いです。
あと知名度は低いけど、バーガーショップのバイト役木南晴夏
UFO少年の想い人を演じる小野花梨。
特に小野花梨はブサ可愛で演技も上手く僕がずっと注目してる女優さんです。
え？松坂桃李？
松坂桃李ねぇ...主演ですもんねぇ、書かなきゃねぇ...
Hate tell a lie
Hate tell a lie
やさしくなれた やさしくなれた
ぶっちゃけ松坂桃李、苦手なんですよ。
松坂桃李だけじゃなく福士蒼汰とか山崎賢人とか爽やかなあのあたりのイケメン俳優全般。
なんか一週間くらい風呂入らなくてもミントの香りがしそうな。
こちとら1日入らないだけでカールのチーズ味みたいな臭いがしてきますからね。
で、誠実な役ばっかするじゃないですか？
苦手だわぁ～～
あいつら
「モテるでしょ？」て聞いたら
「いや、そんなことありませんよ」とか言いそうじゃないですか？
苦手だわぁ～～
モテるに決まってるやん！
お前がモテな誰がモテんねん！
はい、ひがみ妬みです。
前もTwitterで同じようなこと呟いたらファンからチビルぐらい怒られたからこの辺にしとこ...
で、その松坂桃李くん、今作では爽やかイケメンどころか顔が良いことを利用する虚言癖でセックス依存症でチャラ男という下衆役をやってるんです。
お！いいやん！
バッチリハマってるやん。
やったら出来る子やん。
もうふっ切れたように下衆役をこなす彼を好きになってきました！
と、思ったら最後の方はやっぱり爽やかなイケメンになります。
な？
な？
やっぱそうやろ？
僕は心の中の僕に言い聞かせましたね。
こいつはそういう奴だと。
僕の唯一今作で嫌いなのは彼の役です。
下衆なのに最後は幸せ掴むとか...
苦手だわぁ～～
と、今作はストーリー、登場人物、俳優と好きと嫌いが入り混じってます。
でもどうのこうので、あちこち笑ったり感動したりしたし
点数でいえば65点ぐらいが妥当じゃないかな。
でもね、こういうメチャクチャ面白くはないけど、まぁまぁ面白い映画って大事ですよ。
世の中、目を離せない面白い映画ばっかりだったらそれはそれで困ります。
仕事から疲れて帰った時に、ぼけ～っとご飯食べながら観てたまにフフって笑えて最後ちょっと感動したなって映画もないと。
疲れきって帰宅してクリントイーストウッドとかラースフォントリアーの映画とか観たら死にますよ！
だからエイプリルフールみたいな大騒ぎするようじゃない日には、こんな映画を観るのも良いんじゃないかなぁ。
追伸、以前Twitterでこの映画の窪田正孝と矢野聖人のBLパートは要らないんじゃないかなぁって呟いたら、BL好き映画垢さんに要るに決まってるじゃないですか！って怒られました。
腐女子を敵にまわすと恐いけど...やっぱ要らないんじゃないかなぁ...（小声）
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2015/10/14
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最後にこの映画が好きな方にお勧めしたい作品を紹介して終わります。
・ジャッジ！
・曲がれ！スプーン
・鍵泥棒のメソッド
