福山雅治が好きだ。
このまま自分として30年生きるより、福山雅治として1ヶ月生きる方が絶対幸せだと思える程憧れる。
今ならもれなく吹石一恵も付いてくる。
迷うことなくその人生にBETするだろう。
そんなあり得ないどうでも良い話はいいとして、今回その福山雅治が中年パパラッチという汚れ役をするという。
福山雅治がいかに汚れるか、それさえ楽しめれば良い。
そんな気持ちで鑑賞した。
そしたら、これが、もう...ねぇ?
2016/日本
監督:大根仁
出演:福山雅治、二階堂ふみ、吉田羊、滝藤賢一、リリーフランキー、ほか
上映時間:120分
79点
ざっくりあらすじ
フリーの中年パパラッチ都城静(福山雅治)
彼の元にかつて所属していた写真週刊誌SCOOP!より新人記者、行川野火(二階堂ふみ)が送られてきた。
彼女に現場を見せて経験を積ませて欲しいという。
かつての相棒、現副編集長の定子(吉田羊)の頼み、しかも高額給与の約束もあり仕方なく静は野火とタッグを組むことを承諾。
野火は現場での静の行動の数々から「この仕事最悪」とこぼす毎日。
しかし次第に仕事にやりがいを見いだしていく。
静は静でかつてもっていた情熱を取り戻していくのだが...
ドブネズミみたいに美しくなりたい
写真には写らない 美しさがあるから
福山雅治とは華だ。
演技の上手い下手は別として、彼が画面にいるだけでどんな作品も光り輝く。
これだけは努力や場数で身につくものではない。
もって生まれた才能というしかありません。
当然、プロデュース側は彼にそれを求める。
今作においてもそう。
そしてそれは見事に果たされています。
2016年は近年稀にみる邦画の当たり年で、多くの傑作、素晴らしい演者たちを観る事が出来ました。
その中でも「華」という一点だけで比べるならば、僕は今作の福山雅治を推します。
それだけ僕は今作の都城静というキャラクターに魅せられたのです。
都城静という男は、ドスケベで金にうるさくデリカシーの欠片もなくセクハラ王です。
しかもスクープ写真を撮る為には卑怯な手も躊躇なく使います。
芸能人のプライベートを金に換えて生きて行く。
劇中本人も言っているように
ドブネズミやゴキブリ以下の存在
しかし、今作の彼を見て嫌悪感を持つ人はおそらく1人もいない。
ファンも幻滅するどころか
ましゃあ~~♡
と、更にファンになったことでしょう。
監督は汚れ役をさせると言って、それに失敗したのでしょうか?
キャスティングミスを犯したのでしょうか?
いえ違います。
本当に汚れたキャラにしたければ、編集部員役をやっていた宇野さんあたりを主役にすれば抜群のドブネズミ感を醸し出したでしょう。
福山雅治とは通販の海外製ワックス加工でもされたかの様な汚れ知らずの俳優です。
今回の様な役柄を演じても、それは味わいとして映り、より魅力を増します。
僕が理想の男像に思い描く
ヤサグレ感!
を身にまといます。
これには僕も
ましゃあ~~♡
となりました。
そう、福山雅治の正しい汚し方とは
ヴィンテージジーンズのような味として映る汚し方なのです。
だって、なにしたって汚れないんだから。
さて、ここからは物語の内容に触れていきます。
ネタバレも含みますのでご注意下さい。

ねぇ もうぜんぶぜんぶあげるから
誰にも見せなかったとっておきのボクを
はだかの くちびる KISSして
物語の中盤までは静と野火のバディムービーとしての面白さで惹きつけます。
芸能人のスクープ写真をありとあらゆる手で撮影。
静のゲスキャラもドンドン炸裂。
桃パイ最高!見てるか!撮れてるか!ヒョー桃パイ!
ヤリ〇ン最高!
お前もたまには先輩に乳首責めとかしろよ!
最初はヒキまくってた野火もだんだんノリノリになっていきます。
それに応じて雑誌「SCOOP!」の売り上げも伸びていきます。
(こんな風にセンテンススプリングは作られてるのか…なんて思います)
情報屋のチャラ(リリーフランキー)も要所要所で活躍。
凸凹コンビが活躍して心の距離を縮めていく。
サブキャラの面白さがスパイスを加える。
純粋にバディムービー、コメディとしての面白さがあります。
ところが物語は中盤から
面舵いっぱーい!
と言わんばかりに芸能雑誌、芸能パパラッチがジャーナリズム精神とやらを語るようにシリアス方向へと進路を変更します。
4人の女性をレイプ殺害した犯人の今の顔をスクープすると...
おりょりょ?と正直なりましたが、編集長の
「グラビアもやる、事件も追う、結果雑誌が売れる!それでいいじゃないか!」
のひと言に力技ではありますが、そうね、そうだよねと納得。
野火の
「この事件、私やりたいです!」
の言葉にも、ただの付き人からいちジャーナリストとしての精神に目覚め始めたか、ならば見届けようという気持ちにさせられます。
ここの殺人犯撮影作戦はこの映画において最大の見どころのひとつで、特に滝藤賢一さんのムチャしよんなぁの作戦が堪らなく良いです。
滝藤賢一さんの演技は今作の全編において素晴らしく、日本アカデミーはリリーフランキーをノミネートさせましたが、個人的には滝藤賢一さんもノミネートに値するだろ!とちょっと怒ってます。
この作戦の成功で雑誌「SCOOP!」はバカ売れ!
芸能雑誌がジャーナリズム精神を取り戻します。
そして静と野火は師弟から男女の関係へ。
そこにとんでもない事件が発生!
終盤30分怒涛のシリアス展開です。
これには、あまりに唐突じゃね?
とってつけた様なラストだなとの意見もちらほら。
僕はそう思いません。
ラストのチャラと静そして野火の緊迫した展開には、ちゃんと予兆と警告が劇中何度もありましたし、壮絶な事件とはいつも突発的に起こる物です。
僕はこのラスト30分だけでも今作観る価値アリと推します。
実際僕はその30分だけを3回リピートして観てるぐらい好きです。
と、終始楽しみ超興奮した僕は今作は85点以上は付けなければとなっていたのですが、どこか拭えない違和感があちこちにあるのを感じていました。
で、それは何だろう?と再鑑賞してみたのです。
あのね うんとね うまくは言えないけど
あのね うんとね なんとなくわかるだろう
言葉に出来ない僕の I Love You
まず最初の違和感はバディムービーお約束の第一印象最悪からの好きへの変化。
野火が最初静に抱く感情はこの人最悪!なんですが
いやいやいや、福山雅治のビジュアルよ?
後に性格最悪なら分かるけど、絶対第一印象は
うっひょーイケメン師匠登場!ラッキー!
やん!
次、本人も言ってたけど
静がカメラマンを目指した理由が
ベタ過ぎる!
口説く前なら常套手段でアリだけど
口説いた後に言ったらガチやん
寒い寒い寒い!
あそこはゲスな理由を言って後で実は...てのが粋なのに。
次、チャラの凶行に対する警察の行動が不自然すぎる!
犠牲者だしてから
確保!
ないないない!
日本の警察はもっと優秀です。
チャンスあらば即確保だし、チャンス山程ありましたし。
確保の時も警察の誰一人として犠牲者のもとに行かないとか不自然すぎ。
で、最も大きな違和感なんですが、
野火は記者ですよね?カメラマンじゃないですよね?
カメラマンとしての描き方の比率過多じゃね?
記者としての記事の書き方スキルの向上がちっとも描かれてないし、それで静と揉める事がないのって不自然くない?
「このキャッチはもっと桃パイ推しでいけよ!桃パイ!」
「これは政治家のスキャンダルがメインなんです!」
とか揉めるでしょ普通。
写した写真に見合う記事が書ける様になったかどうかを描かなきゃ、
スキャンダル情報の掴み方とか、情報屋とのコネクションの取り方とか...
これじゃカメラマン物語だよ。
と観れば観るほど点数は減点されていきました。
で、結果79点に...これ以上観てはもっとアラを見つけてしまうと。
でもこの映画大好きなんです!
福山雅治が大好きなんです!
これ以上は下げる訳にはいかぬ!ですよ。
でも、あと1点だけ...
ラストの終わり方はあれじゃないでしょ?
エンドロール前の福山ファンに媚びたようなイメージショット連発あれ何?
PVじゃないのよ?映画よ?
で、ラスト、エンドロール後でも良いよ。
絶対、過去の静とチャラのハワイでバカやるシーンで終幕でしょ!
それで鳥肌じゃないですか!
え?それじゃ韓国映画の傑作「新しき世界」のパクリ?
何言ってんですか、大根仁監督は「モテキ」で堂々と(500)日のサマーをパク...いやオマージュしてたじゃないですか?
それがあれば減点帳消しどころか+5点は付けれたのになぁ。
と、若干?問題点もありますし、点数もイマイチ高得点付けてないですが
今作は僕激推しの1作です。
説得力ない?だよね~~
でもね、たまにいるんですよ
赤点だらけでも満点をとれる力を魅せるやつが
僕にとってこいつはそんな作品です。
追伸、福山雅治って前世の行いがよっぽど良かったんでしょうね?
じゃなきゃ、あんなイケメンでマルチな才能持って生まれないでしょう。
で、今多くのファンたちに曲や演技で幸せを与えてるでしょ?
絶対来世も福山雅治じゃん。
福山無限ループ人生じゃん。
ああ...1ヶ月だけでも福山雅治になりたい。

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最後にこの映画を好きな方にお勧めしたい作品を紹介して終わります。
・ナイトクローラー
・コミック雑誌なんかいらない!
・そして父になる