アノ映画日和

年間500本以上鑑賞、あらゆるジャンルの映画をイラスト付きで紹介

「ゲットアウト」感想 テイクアウト系ホラー、恐怖は遅れてやってくる

 

刺激が後から来るってあるじゃないですか?

辛さとか

食べた瞬間はそうでもないのに後から

辛い辛い辛いって。

それは映画でもあって観賞中はそうでもなかったのに、後から思い出して笑ったり泣いたりってのはしょっちゅうです。

でも怖いという感情、すなわちホラー映画ではなかなかありません。

怖さのピークは観賞中で、それを後から越える事はまず無いです。

でも稀にあるんですよ、後から怖さがどんどん湧いて膨らむ作品が。

今回はそんな映画の紹介です。

2017年/アメリカ
監督:ジョーダン・ピール
出演:ダニエルカルーヤ、アリソンウィリアムズ
上映時間:103分

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80点

ざっくりあらすじ

アフリカ系アメリカ人で写真家のクリスは、彼女の実家に招かれる
黒人である自分が白人の彼女の実家に行って大丈夫だろうか?
そんな不安を抱えながらの訪問であったが彼女の家族は必要以上に自分を歓迎してくれた。
しかしその過剰な歓迎はクリスに不安を与え、やがてその不安は確信へと変わる。

この家族、どこかおかしい


生まれた所や皮膚や目の色で

いったいこの僕の何がわかるというのだろう

最初に言っておきますが、今回ネタバレ全開で書きます。
そしてこの映画は内容を知らずに観た方が絶対面白い映画です。
どこまで読むかはお任せしますので、程良いところでゲットアウトして下さい。


黒人男性が通りを歩いている。
そこに不審な車が止まる。
男性を襲い連れ去る。

これがこの映画の始まりです。
妙に明るいポップソングが流れ、急にサスペンス調の音に変わる。
黒人男性が何者かにより酷い目にあわされる映画である事を予見させる、なかなかなツカミです。

場面は変わってクリスの部屋

クリスと彼女(ローズ)

両親に言った?彼氏は黒人だって

言ってないわよ、言った方が良かった?

そりゃ…まぁ…

大丈夫、うちのパパは。
ツマラない偏見があるようなら貴方を連れてかないわ

ジャケ写真や前情報、そしてこの映画がホラー映画と知ってる身としては

嘘つけ!クリスど偉い目に遭うやろ!

と思わざるを得ません

彼女の運転で実家に向いますが

ドンッ

突然飛び出して来た鹿に衝突、警察を呼ぶことに

やって来た白人警察は執拗にクリスにIDを見せろと要求

これにローズはカッチーン

運転してたのは私、彼は関係ない!IDを見せる必要がどこにあるの!

クリスは「別にいいよ」的に対応するが、ローズは一歩も退かないので警察は渋々退却

差別絶対許さない!

ローズ…美人なだけじゃなく性格も男前。

クリスも惚れ直した感じ

改めて実家へGOです。

実家に着くなり両親は

Welcome!

握手にハグ、初対面から一気にフレンドリー
敷地内を案内してくれます。

かなりの豪邸にメイドのジョジーナと庭師のウォルター
2人とも黒人です

金持ちの豪邸に2人の黒人の使用人
なんとも複雑な心境のクリス

その後両親とクリス、ローザで談話しますがクリスは落ち着かず指を

カタカタカタカタ

何だ?タバコか?

え?あ、いや、まぁ...でももう止めます

なら家内の催眠術治療を受けなさい、1発で禁煙できるぞ

いや、まぁ遠慮しときます

そこにローズの弟ジェレミーも帰宅
これで一家勢ぞろいです。
クリスと家族の夕食会で質問攻めとやたらグイグイの弟にちょっと居心地の悪さを感じるものの、まぁ特別おかしいというものを感じる程ではありません。

ホラー映画前提で見ているこちらとしては、その特別おかしい訳ではなく妙にフレンドリーな家族に

嵐の前の静寂

ざわ...ざわ...ざわ...

的な不気味さは感じます...

この地味に違和感を感じさせるホラー嫌いじゃないです。

夜の闇に落ちてゆけば忘れてしまう事なのかも
揺れる思い つかのまの夢 小さな悲劇

眠る前、ローズはクリスに
何かうちの家族グイグイでごめんねと気遣います
しかも明日はパーティーだなんて...

大丈夫だよハニー

でもなかなか寝付けないクリスは外に一服しに行く事に。
ふと見上げた窓に

ジョジーナが一転凝視

何してんねん?あいつ...そこに

タッタッタッタッタッタッ

使用人のウォルターが全力疾走でこちらに向って来ます

何?何?何?

カックーン

クリスの直前で曲がりそのまま走り去りました

こわこわこわ

何やったん?今の?

もう嫌や家戻る

するとまだ起きていたローズの母が

一緒にお茶でもいかが?

と誘ってくる。無下に断ることも出来ずソファに腰掛けるクリス。

TinTinTin

紅茶をかき混ぜるスプーンの音がやけに気になります

話は自然とクリスの過去の事へ
クリスの抱える母を亡くした時の嫌な思い出を引き出されます。

TinTinTin
涙が溢れ出します

TinTinTin

あれ?なんだか体が動か..な…い

TinTinTin

これ、催眠術始まってるって!やばいってクリス

TinTinTin

体が暗闇の中に沈む幻覚

目が覚めると寝室に戻っていて
すっかりタバコは吸いたく無くなっていました。

あれ?ただの禁煙セラピー?
友人ロッドに電話すると

お前、その催眠術ヤバイって!
白人たちの性奴隷にされる!きっとそうだ!

そんな大げさな、さぁパーティーパーティー

ローズ家に続々集まる客は当然白人ばかり。
しかも妙にクリスに興味津々に近づいて来ては「黒人はイケてるよね」と話し
そして体をベタベタ触って来たり
居心地の悪さが半端ないです。

なんかこのパーティー嫌
部屋に戻ると携帯の充電ケーブルが抜かれている
部屋清掃していたジョジーナが…何故?
そこにジョジーナが登場
コードを抜いた言い訳をタラタラ

いいんだ、いいんだ、ちょっと白人ばかりでイライラしてたんだ

するとジョジーナ

NO NO NO NO NO…(笑)

この家の人はいい人ばかりよ

NO NO NO NO NO…(笑)
笑いながらもその目からは涙が

そしてジョジーナは去ります
何だあいつ、狂ってやがる...

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getout getout getout バーニンラ~

パーティーに戻ると、白人ばかりの客の中に同世代の黒人を発見

Hey!ブラザー!

黒人のノリで近寄るも、対応はそっけない

???

でも妙にこいつ気になる
携帯カメラで

カシャッ

するとその黒人さんは急に鼻血を出して激ギレし

ゲットアウト!(出ていけ)

なんやねんこの映画、人種差別系ホラーじゃないの?

白人じゃなくて怖いの黒人か?
そもそもゲットアウトってお前の家ちゃうやん

どうもさっきの黒人気になる…クリスは撮った写真を友人ロッドに送ります
すると

これアンドレやん!なんでアンドレがそこにいるんだ?

そうだアンドレだ!白人みたいな恰好してるから分からなかった

性奴隷だ!絶対性奴隷にされたんだ、お前早く帰れ

どうやら先程の黒人さんはクリス達の昔の知人だったようです。
しかも友人ロッドがネットで検索した結果、アンドレは失踪中との事。

ヤバイ ヤバイ ヤバイ

 一方クリスのいないパーティー会場では何やらオークションの様なものが開催されています
そこにはクリスの写真が
商品はクリス!

ヤバイ ヤバイ ヤバイ

未見で読み進めてる方々、そろそろゲットアウトしないとネタバレヤバイっすよ

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どんなことも超えてゆける

家族になろうよ 

もう限界、この家いや!
ローズに告げます
クリスの気持ちが分かるローズはOKと2人で帰り支度を始めます。

帰り支度をしている中、クリスはある箱を見つける。
その箱を開けると沢山の写真が

ローズと黒人
ローズと黒人
ローズと黒人
次々とローズと共に映る黒人男性、そして
ローズとジョジーナの写真

ローズも怪しい?

ローズ、車の鍵は?

いま探してる

よし、歩きながら探してくれ

そこにローズ家の皆さま

どうしたの?

もう帰ります、なぁローズ

そうクリスの飼ってる犬預けてるんだけど急病みたいで

あら、そう、残念

ローズ、鍵

にじり寄るローズ家

ローズ、鍵

今、探してる

ローズ、鍵

ジャラ、鍵を片手にローズ

帰す訳にはいかないの

 

...........。

 

うわぁー!!!

脱出しようとするクリス、制止しようと止める弟ジェレミー
取っ組み合いになりますが、そこに

TinTinTin

バタッ

クリスは例の催眠術で気絶

気付くとクリスはイスに縛られ座らされていました。
目の前にはテレビが

テレビモニターに若かりしローズ家とその祖父母が映ります。
ここで何が行われてたかの歴史を説明

君も私たち家族の一員になるんだ

改めてローズ家のヤバさを知ったクリスはもがきます。
するとモニターにティーカップが映り

やめろ、やめろ、やめろ

TinTinTin

グ~~

寝たー

もうこの天丼と間の良さに怖さというより笑いが

次にモニターに映るのは競売でクリスを落とした白人男性

これからすることには3つのフェーズが必要だ
フェーズ1 催眠術
フェーズ2 今している説明
フェーズ3 移植だ

移植⁉

え?え?え?

困惑するクリスと僕に男は説明を続けます

実際には一部だ、神経系を繋ぐ、脳の一部はそのまま
君自身もどこかに残る
見聞きは出来る、体は動かせない...つまり

クリスも僕も悟りました

あんたが俺になる

かなり思っていた映画と違いました。
黒人が酷い目に遭う映画なのは知っていましたが、白人に乗っ取られる人体改造系映画とは...

そして一通り説明が終わると

TinTinTin

クリス危うし一体どうなるのか?乗っ取られてしまうのか

 

正直ここまではかなり変わったホラーですが、ここから先は割と王道なラストです。
と言っても使用人2人の正体が分かったり、面白い演出は盛り沢山なのですが

米映画レヴュー99%大絶賛

という割には怖くなかったな...
結局クリスは助かるし、ハッピーエンドやもんな...
出来たらバッドエンドの怖さで震え上がりたかったな...

それが鑑賞後すぐの僕の感想でした。

ところが、時間が経って引っ掛かりを思い出して来たのです。

冒頭にさらわれた黒人…あれは何だったのか?

......あ!

あれ、アンドレや!

そうやそうや間違いない、さらわれるまでの電話してた声と会話内容

あ!

じゃあ、あのゲットアウト!は"出ていけ"じゃなくて"逃げろ"

そうかそうか、だから頭の手術痕を隠す為に帽子...

あ!

使用人のウォルターも常に帽子を...ジョジーナの不自然に盛られた髪型もあれカツラ...

ん?アンドレを襲ったのは男だったぞ、ローズじゃない

あ!あれ弟のジェレミーや

クリスを襲った時と同じチョークスリーパーやったし間違いない
黒人調達係はローズだけじゃなかったのか...家族全員で...

しかし、ローズはクリスの味方と思ってたのに残念やな
警察の時も必死でかばって...

違う
あれは後々足が付かない為か
警察に一緒にいた事を知られる訳にいかなかったから。

ぞ〜〜

バカな僕は時間が経ってから、ひとつひとつ思い出しては恐怖に震えるのです。
そしてきっとまだ理解していない恐怖があるはずです。

頭の良い皆さまは、ほぼ消化して帰ったのかもしれません
でも僕は大量に持ち帰ってしまいました。

ああ、遅れて来た恐怖が僕を沈める...

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追伸、そもそもこの映画は本当にハッピーエンドなのでしょうか?
ローズ家に残された幾つもの死体
警察はどう捜査するでしょう。
証言者はローズ家ゆかりの者達ばかり
黒人クリスが白人の恋人に招かれ、殺人事件が起こり生き残ったのはクリス。

どう考えてもクリスに容疑がいきそうです
そして不利な証言をされクリスは...

描かれてもいない恐怖にまで、僕は震える...


最後にこの映画が好きな方にお勧めしたい作品を紹介して終わります
・ドント・ブリーズ
・インベーション
・Mr.タスク