アノ映画日和

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「ボヘミアン・ラプソディ」感想 クイーンをロクに知らない男の大いなる不満

 

今 皆さんに読んで頂いている記事は昨年末から書いていた記事です。
何故そんなに時間がかかったのかというと、表題どおり

この映画に対する不満を書きたかったからです

社会現象とも言える程大ヒットしている真っ只中、水を差す様な真似はしたくない。
劇場離れが深刻な問題になっている今の映画業界、これだけ集客力のある映画の足を引っぱってはいけない。
そんな綺麗ごとを言えればいいのですが、単にこれは落ち着いた頃にアップしないと
ボコボコに叩かれてサンドバック状態になるぞとヒヨッたからです。

しかも僕はあまりクイーンの事をよく知りません。
皆さんが読んでへー、ホー、と感心するような情報は持ち合わせていません。
かと言ってググッて付け焼き刃的なクイーン情報を調べるつもりもありません。
クイーンを知らない男が知らぬままに文句を書きます。

さぁ、ちまたで繁殖しているという自称クイーン通の皆さん、
どうぞ上から目線でお読み下さい。

We will we will rock you !


2018/イギリス・アメリカ
監督:ブライアン・シンガー
出演:ラミマレック、ルーシーボインド、グウィリムリー、ベンハーディ、ほか
上映時間:135分

f:id:hagane-mk:20190114181746j:image75点

ざっくりあらすじ

"クイーン"
世界中に愛され続ける伝説のロックバンド。
誰もがその存在を知る。

"フレディ・マーキュリー"
クイーンの中心人物でありボーカリスト。
誰もがその存在を知る。

しかしその存在や曲は知っていても、
クイーンやフレディがどの様に生きてきたか
詳しく語れる人はそう多くはない。

この映画は
フレディの青年時代から晩年まで
クイーン1970年結成から1985年ライヴエイド出演までを描いた

軌跡であり、奇跡である。


ようこそここへ 噂のロックン・ロール
今夜もきめる濡れ手に粟の素敵なお仕事

最初にクイーン及びその関係者、またファンの方々にお詫びしておきます。
僕はクイーンのことをこの映画を観るまで

フレディ・マーキュリー
    と
  愉快な音楽隊 


だと思ってました。

さーせん!本当さーせん!

作詞、作曲、編曲、全部フレディがやってたんでしょ?
THE 俺様バンドでしょ?
そう思ってました。
ところが実はあの曲この曲、クィーンをよく知らない僕でも知ってる代表曲が

お前が創ってたんかい!

だったという事実。
この誤解は本当に申し訳ない。

さーせん!

4人全員が天才だったんですね。
ボンジョビじゃなかったんですね。

でも ま、フレディ・マーキュリーがあれだけ濃いキャラでカリスマなんだから僕が勘違いしても仕方ない。
ていうか、そんな誤解をしていたのは僕だけじゃなく沢山いるはず。

ちなみに僕はそのカリスマさえ

ゲイ、ひげ、胸毛、ポマード、白服、ROCK!

ぐらいのイメージしかありませんでした。
これまた申し訳ない...

さて詫びる所はしっかりお詫びしました。
本題の文句をあらすじに沿って書いていきましょう。

物語はフレディがフレディ・マーキュリーになる前、ただの青年ファルーク・バルサラ君だった頃から。

クイーンの前身スマイル(ブライアン、ロジャー)の元にファルーク青年が訪ね

あんた達いーね
おーありがとう、でもボーカルがさっき辞めちゃったよ
じゃあ僕がボーカルをやろう
その出っ歯でかw?
ラララ~♪
いーね

ていう感じでファルーク参入、ベースのジョンも加入して

クイーン誕生!

ファルーク・バルサラ青年、フレディ・マーキュリーに改名。
バンを売った金でアルバムを作ったらEMIのお偉いさんの目に止まって

クイーンメジャーデビュー!

TV出演、キラークイーン大ヒット、一躍スーパースターの仲間入り...て、

早ッ!!!!!

下積み時代の苦労とか、それが報われた瞬間とか、そういうのは?
僕は漫画BECKのような苦労に苦労の末に掴んだバンドサクセスストーリーを期待してたのにあっという間にスーパースターである。
まぁ、僕が勝手に期待していただけで、事実あっという間にスターになったのであれば文句を言う所ではないのかもしれません。

でも一般人からスーパースターに変わった瞬間、境目は創作でもいいから描くべきじゃないですか?

ラジオで初めて曲が流れ歓喜するメンバー、
まだまだこんなもんじゃないと締めるフレディ、
レコード店に群がる大衆、どこのレコード店もSOLD OUT!
ニヤリとするメンバーとかとかとか
なんか描きようがあったと思うんだけど...

ちょっとここはハショリ過ぎ感が否めません。
これが不満その1です。

成功を掴んだクイーンに会社はキラークイーンに続くヒット曲ヒットアルバムを求めます。
しかしクイーンはキラークイーンの焼回しみたいな事やってられっか
そんなの時間の無駄だ
俺達は俺たちにしか出来ない全く新しい事をやる

オペラだ

そう名曲「ボヘミアンラプソディ」の誕生秘話がついに明かされるのです。

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このボヘミアンラプソディのくだりは流石タイトルにしてるだけあって最高です。
ロジャーの

ハイトーン  ガリレオ~♪ エンドレスリピートの刑

笑うと同時にフレディのこの曲に対する想いとこだわりが伝わり感動させます。

ガリレオ~⤴

ハイヤー(もっと高く!)

ガリレオ~⤴⤴

ハイヤー(もっと高く!!)

ガリレオ~⤴⤴⤴

ハイヤー(もっともっと!!!)

ガリレオ~⤴⤴⤴⤴

これだ!

ここマジ最高!

そうやってこだわりぬいて完成させた曲に対するクイーン及びフレディの自信と確信がまたカッコイイです。

会社のボスはこんな曲、約束と違う!と憤慨
それに対してフレディは約束以上のものだ

これはMasterpiece(傑作、名作、代表曲)だ!

と跳ね返します。
自信に溢れた顔で

それでもボスはこんな意味の分からない歌詞の曲はダメだ
ラジオの曲サイズは3分、こんな6分超の曲はかけて貰えない当たる訳がない
シングルは別の曲にしろ!
と断固反対

この時にフレディが放つ言葉がマジROCK

いくらアンタが反対でも決めろ
ボヘミアンラプソディ 
(タバコを契約書にギュッと押す)
語られたいか?
"クイーンを逃がした男"と

で、連中は事務所に石を投げつけて出て行きラジオ局でゲリラ放送。
評論家は酷評するが、大衆は歓喜して受け入れた。

いいね~Rockだね〜

この後も「We Will Rock You」「Another One Bites Dust」など名曲誕生秘話が続々
クイーンをロクに知らない僕でも、あの足踏みと手拍子はこんな風に生まれたんだ...とトリハダがぞわぞわ立ちました。

この名曲誕生にまつわる一連のくだりに関しては

一切文句はありません
素晴らしいのひと言に尽きます。

 

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たかが Rock 'n' Roll 
されど Rock 'n' Roll

映画はクイーン、フレディの華やかな面ばかりでなくダークなパーソナリティ部分にも踏み込みます。

フレディの性的趣向について過剰取材するマスコミ
才能の上澄みをかすみ取ろうと群がる連中。
成功で手に入れた物の代償に、望まざるモノも付きまといます。

それらがフレディとクイーンに不協和音をもたらします。

独裁的になったフレディが大金でソロ契約。
これによりクイーンは崩壊寸前。
孤独がフレディを襲う。
同時にエイズ(正しくはHIVだがあえて)が発症。
自信家でありながら人一倍ナイーブなフレディが壊れていきます。

ここが文句その2、その3
安易過ぎ&またもハショリ過ぎ

まず成功の描き方なんですが、大きなお屋敷を建てるとか盛大なパーティーを自宅で開催とか...

それって只の成金の表現やん!

ROCKアーティストの成功ってそうじゃない。
お金も大事だけどそれだけじゃない。
例えばツアーの移動にプライベートジェットを使うようになるとか
街のあちこちに自分達の看板や雑誌を見るとか
偉大なアーティスト達が声を掛けてくるとかとかとか

もっとRockな表現にこだわって欲しかった。

続いて文句その3の、またもハショリ過ぎね
ダークな面、パーソナリティな面が
さっき箇条書きで済ませてしまったくらい淡々と描かれていきます。

ここはもっと丁寧に時間をかけないとダメでしょ!

この映画全般に言えることなんですが、サビだけで構成された曲のように抑揚がない。

まるでクイーンメドレー

分かり易く耳障りが良いのでテンポよく聴け(観れ)ますが、
サビ本来の力(興奮)を発揮しきれていません。

要はタメがないんです!

ソロで活動するフレディの孤独
様々な裏切り
大事な人達との別れ
病気との闘い、恐怖

この4つはもっと時間をかけて丁寧に描かないと
後のサビを盛り上げる為の貯めにしないと

勿体ない!

陰が暗ければ暗い程クライマックスが光輝くのに
ん?そんな事してたら映画が長くなる?
なるでしょうね、3時間とか4時間とか

だから何ですか?

クイーンは3分が当たり前の世界で6分超の曲を創ったんでしょ?
それがボヘミアンラプソディでしょ?
それを映画にするのに

当たり前の尺で撮ってどないすんじゃい!

ていう不満。

そして映画はラスト伝説の野外フェス "ライブエイド"出演に向います。

乗ってくれ Ha~Ha
Rock'n Roll Night Ha~Ha 

病気と孤独に潰されかけた時にライブエイドの情報を耳にするエディ
ここで自分にとって本当に大切なものは何か気づきます。
そして

クイーン(家族)の元に帰ることを決意する。

う~ん、ここね
先ほども言ったように淡々と描かれていたので
フレディがどれくらいの期間クイーンの元を離れてたのかよく分かんなかったです。
ちょっと離れて、帰って来て、ただいまぐらいの時間間隔(感覚)
よく知らないんですけど本当は実質解散ぐらいの状況だったんでしょ?

推しのバンドが休止するってとんでもなく凹む出来事なのに
それが復活するってとんでもなく興奮する出来事なのに
僕イエローモンキーとハイスタが復活した時泣きましたもん。
オアシスが復活したら号泣しますもん。
残念ながら

それに値する描かれ方がされてたとは思えません

そしてラスト、伝説の21分が幕を開けます。
ここでも僕の不満はあるのですが、その前にプチ不満を1つ
この映画、

ヒゲ率高くね?

僕はもともと人の顔を覚えるのが苦手なのに

フレディもヒゲ
仕事パートナーもヒゲ
裏切り者のクズ野郎もヒゲ
運命の恋人もヒゲ
HIGEHIGEHIGE

ヒゲ多いって!

見分けつかん、最初裏切り者のヒゲと恋人のヒゲが同じ人かと思って
ん?ん?ん?
てなったわ。
そこは本人に忠実にせんでもいいやん

ま、それはどうでも良いとして不満その4です。
ラスト21分ライブエイド伝説のパフォーマンス。

圧巻でしたね!

鑑賞後ライブエイドの映像を観たら驚くほど忠実に描けていました。
いや、悪くはないんですけど...

忠実すぎる!

音源はもともとフレディの声を使い、当時の会場、客を再現。
凄いことだと思うけど
繰り返し観るなら僕は

当時のライブエイドの映像を観ます

どれだけ凄くとも当然オリジナルは超えれないんだから。
だったら全く別の演出を放り込む必要があったんじゃないでしょうか?

ライブエイドはトップミュージシャンが揃った伝説のライブです。
コステロ、スティング、U2、ザ・フー、デヴィッドボウイ、エルトンジョン、ワム、ポールマッカートニー、マドンナ、ツェッペリン、ミックジャガー、ディラン、and more

まさにレジェンド達の集まり。
その中でクイーンはベストパフォーマンスと表される。

これをなぜ演出として使わない?

例えばクイーンのライブを見てマドンナが
「帰る、次は彼等以上のパフォーマンスを見せてみせるわ」

例えばミックジャガーが
「ちくしょうROCKってやつを思い出させやがって」

例えばマイケルジャクソンが
「フレディ...君がナンバーワンだ」

とかとかとか
他のアーティストの感想の演出が挟み込まれたら僕は震えて泣いたに違いない。
そんな事実があろうとなかろうと構わない

盛れ!盛れ!盛れ!

もっと漫画的にもっとROCKに演出して欲しかった
この映画はクイーンとクイーンの周りを描く事にこだわり過ぎて

他のアーティストとの交わりが全く描かれていない
ROCK界でクイーンがどういう存在だったかが描かれていない
それが僕の最大の不満です。

という感じで散々文句を書いてきましたが
この映画を観てお前は興奮しなかったのか?感動しなかったのか?
と聞かれたなら

めちゃめちゃした!

3回観て3回とも興奮したし感動しました。
でも言い訳させて貰えるならば

爆音でクイーン聴いたら誰でも興奮するし感動するわい!

僕が感動したのは全部クイーンの曲が流れてるところ
映画のストーリーや演出は
至極王道で、捻りもなく、クソマジメ。
オマケにアーティストの汚い所は控えめで綺麗な演出は過剰

全然ROCKじゃない!

自称クイーン通の方々、
この映画大好き人間の方々に叩かれるの覚悟で言いますけど

総括、

この映画が凄えんじゃねぇ!
Queenが凄えだけじゃ!

ははは、このたった2行で終わる事を言いたいが為に長々と書き、更新を引き延ばしてやりました。
言いたい事が言えたので僕は去ります
ではでは

Good everybody I've got go~♪

※ボヘミアンラプソディ歌詞より

f:id:hagane-mk:20190202205122j:image追伸、
僕が1番好きな「I was born to love you」がなんで流れないの?
なんでサントラにも入ってないの?
て不満もあったんだけど
あれクイーンじゃなくて、フレディのソロ時代の曲らしいです。
やっぱニワカが語るもんじゃないっすね。