アノ映画日和

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「僕と妻の1778の物語」感想 草彅剛にはやっぱり優しい映画がよく似合う

 

悩んだ。

彼のどの映画を選ぶか。

面白さだけで言えば「黄泉がえり」が良い。
でもあれは草彅君が主役でなくても良い気がする。

演技力の話で言えば「山のあなた~徳市の恋~」が良い。
でも僕が話したいのは演技力の事ではないし、障害者の役は評価されやすい。
そういう話をするのは好きじゃない。

どうしよう?

そもそも草なぎ君の魅力って何だろう?
原点に帰って考えたら、すぐにこの映画の事を書こうとなった。

2011年/日本
監督:星護
出演:草彅剛、竹内結子、谷原章介、吉瀬美智子、大杉漣、ほか
上映時間:139分 

f:id:hagane-mk:20170114204456j:image78点

ざっくりあらすじ

SF小説作家、朔太郎(草彅剛)、その妻の節子は周りも羨む仲むつまじい夫婦。
しかしある日節子は倒れ、診察の結果大腸癌が発覚。
余命は1年程であろうと医師は残酷にも告げた。
何もしてあげられない朔太郎は悩むが、毎日妻だけに捧げる小説を書き続ける事を決意する。

これは実話をもとにした夫婦の愛の物語である。


笑顔抱きしめ 悲しみすべて

街の中から消してしまえ

僕は泣かせにかかってくる映画は嫌いです。

泣け!泣け!泣け!

と監督、脚本家が僕の周りをグルグル回りながら手拍子してくるような映画には

あざといんじゃボケ!

と一括してやります。

本作は妻が発病してから死ぬまでの1778日の闘病記であり悲しい物語です。
まさに泣きを要求している様なテーマの映画です。

実際僕は泣きました。(泣いたんかい!)

でもそれは悲しい涙でもありますが、暖かな涙でもありました。

悲しいシーンはもちろんあります。
しかし鑑賞後印象に残っているのは2人の笑顔とおかしなやり取りばかり。

この映画は愛する者との死別を核としながら、それを何重もの優しさとファンタジーで包んだ映画です。

笑顔のシーンの方が圧倒的に多いんです。

癌を申告した医師が言います
「笑いが体の免疫力を高めるという実例もありますので...」

それを聞いた朔太郎がひとり決意します

「そうだ!せっちゃんの為に小説を書こう!お腹の皮がよじれて癌細胞が笑い死にするような小説を毎日!」

このセリフが出た瞬間に、あ、この映画は素敵だと確信しました。

主役の朔太郎は普段ぼけ~として雲を見てはクラゲが飛ぶ姿を妄想し、建物を見ればロボットの妄想する変わった人間です。
そんな朔太郎が毎日書く小説には夢があります。

その妄想小説を映像化して見せてくれるんですが、これがいい具合にチープでそれがまた良いんですよ。

そしてそれを読む妻のせっちゃんが素晴らしい。
普通、気を使って楽しんでる振りをしたりしますよね。

ところがせっちゃんはいつも厳しい目で小説を読みます。
朔太郎が柄にもなく恋物語を書いた時なんかは

「今までで一番つまらないw」

ハッキリ言います。
対して朔太郎は

「やっぱり!僕もそう思うw」

それで2人は大爆笑するのです。
この2人凄く素敵じゃないですか?

せっちゃんは朔太郎の小説を毎日楽しみにする事で救われていますが、朔太郎もまたせっちゃんの笑顔で救われています。

不謹慎ながら闘病する2人を可哀想と感じる前に憧れを持ってしまいました。

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「さよなら。」消えないように...
すっと色褪せぬように...
「ありがとう。」 

余命1年を言い渡された患者が結果5年も生きた。
これを医師と薬のおかげだと友人は言います。
キリの良いところで小説をやめろとも言います。

違うわい!毎日の小説のおかげじゃい!

一見酷いことを言う友人だと思いがちですが、これもまた友人の優しさです。
このまま書き続けて、それを止める時が何を意味するのか、その時お前は耐えられるのかを気遣っての言葉です。

優しい人の周りには優しい人が集まるんだなぁ...

最終回を迎える前にせっちゃんの病状は安定します。
その時に2人は北海道に旅行に行きます。
そのシーンには悲しみなんて欠片もなく、幸せな映像だけが映ります。

よかったなぁ...朔太郎、せっちゃん、本当2人が出会えて一緒になれて良かったなぁ

涙しながら心から祝福していました。

僕を良く知る人物が聞けば嘘つくな!
お前が人の幸せを喜ぶはずがないだろ!

と言われるに違いありませんのでブログだけに書いておきます。

しかし幸せには定められた期日があり、とうとうその日がやって来ます。
それまでの数日間は悲しすぎるので割愛させて下さい。

あわただしくお葬式の準備をする仲間たちをよそに朔太郎は部屋に閉じこもります。
棺の横に置かれた小説の山が2人の日々の重さと幸せを象徴します。

そんな時に朔太郎は何をしていたか?
そう、小説の最終回を書いていたのです。
いつも最初の読者でいてくれたせっちゃんに届くように、いつもと違う書き方をするのですが...

これはあかん!
卑怯!
こんなん絶対泣いてしまいます!

最後にどうでしたか?届きましたか?また一緒に暮らしましょうね...とペンを置く朔太郎

これは届く、絶対届くよ朔太郎!と僕は心の中で叫びました。

なんとなく、草彅君の映画紹介でこの映画を選んだ理由が分って貰えた気がしますが

どうでしたでしょうか?
伝われ!この想い!

 


ハングル語No.1 デニムの貴公子
Are you ready?Crazy2!

 

ここからは僕の剛君への思いを書いたものなので映画以外興味のない方は読み飛ばして下さい。

ファンに激怒される覚悟で言いますが、最初に剛君を見た時の僕の感想
(あれは確か僕も彼もガキの頃ヘアカタログで見たのかな)

なんでこんな五角形のホームベースみたいな輪郭の奴がジャニーズなの?
人数合わせ?

でした。わーわーごめんなさい、ごめんなさい。

僕はよく心の中で神さまと賭けをします。
このティッシュを投げて一発でゴミ箱に入ったら宝くじが当たる!とか
この道を曲がるまで誰ともすれ違わなかったら長澤まさみと結婚できる!とか

あまりに都合の良い賭けに配当は支払われたことはありません。

で、ヘアカタを見た時も賭けました。
こいつに人気が出るなら一生モテなくて良いから、出なかったらモテモテ人生にしてくれ!

誰にも人生にモテキが3回くると言われてますが、いまだに僕にモテキが訪れないのはあの時の賭けの代償を払わせられてるのかもしれません。

それ程までに彼は国民的スターとなり、多くのファンに愛されています。

そんな彼の魅力とは何でしょう?

滲み出る優しさ

ではないでしょうか?

演技において悪役とはインパクトが残しやすく簡単とは言いませんが演じやすい役です。
一方優しい人物というのは難しい。
人の性格はどうしても顔に出ます。
イケズな人はイケズな顔、粗暴な人は粗暴な顔をしています。
当然優しさも顔に表れます。

狂気とは壊す作業ですから後から身に付けれますが、優しさとは積み上げていく作業です。
一朝一夕で身に付けれるものではありません。

例えば加藤紗〇や例のゲスの極みの方が今作の夫婦を演じたなら、これ程優しさを感じる映画になったでしょうか?
ギャップから感じる一瞬の優しさは感じさせれても全編を通じて優しい人間を演じるのは無理です。
ま、それはそれで観たい気もしますがね。

草なぎ君には無邪気な優しさを感じます。
え?じゃあ素の自分を演じてるだけ?

いいえ違います!

優しいからこそ、その人物の優しさの本質を捉え最大限の優しさを演じれるのです。
そんな優しい男が決意した時のキリッとした時の顔...悔しいけどイケメンです。
泣き崩れた時のその顔...悔しいけど愛おしいです。
僕にモテキは一生訪れないでしょう...

異論を恐れず断言しますが

今作は草彅剛なしでは成立しなかった映画です!
表情や動きそして声、総合的に観て彼しかいない。
そう思えたので今作を選びました。

そんな演技を超えた優しさを伝えられる役者が日本に何人いるでしょう?
主演映画ばかりではなくなるかもしれない。
でも役者草彅剛のニーズはなくならない。

それだけはハッキリと言っておきます。

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追伸、僕は睡眠障害で悩む人間なんですがそんな人は多いですよね。
で、彼の癒しボイスで絵本を朗読したCDを販売してくれませんかね?
むか~しむかし、ある...z z z z z
てなる気がするんだけど。
「週刊アロマアイドル草なぎが読む絵本」
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デア〇スティーニ ♪
とかどうですか?

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最後にこの映画が好きな方にお勧めしたい作品を紹介して終わります。
・黄泉がえり
・山のあなた~徳市の恋~
・夫婦フーフー日記