アノ映画日和

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「RAW 少女のめざめ」感想 失神者続出!話題のカニバリズム映画、何がヤバイかお教えします

 

この映画を観たと言うと

どんな映画だった?
やっぱグロかった?

などとよく質問される。

カニバリズムという禁忌な題材に嫌悪感を持つ潔癖さん。
失神者続出という触れ込みに躊躇しちゃう怖がりさん。

積極的に観たい訳じゃないけど内容は気になる~
え~私、グロいの苦手~、観たいけど耐えれる自信ない~

そんな方が多いのではないでしょうか?

そこでゲスの極み、グロいのが大好きな僕の出番です。
今作がいかにグロくヤバいかをお教えします。
観るかどうかの参考にして下さい。

2016年/フランス、ベルギー
監督:ジュリア・デュクルノー
出演:ギャランスマリリエ、エラルンプフ、ラバナイトウフェラ、ほか
上映時間:98分

f:id:hagane-mk:20180209161434j:image82点

ざっくりあらすじ

厳格なベジタリアン一家で育った少女ジュスティーヌ(ギャランスマリリエ)
彼女は16歳にして飛び級で大学に進学する神童。
かつて両親が卒業し、現在は姉が在学中の獣医大学に入学するが
そこで待ち受けていたのは、先輩たちによる洗礼だった。
今まで口にした事のない「肉」を食べさせられたジュスティーヌ。
それは彼女も知らなかった

内なる自分を気付かせてしまう...

尚、RAWとは生肉を意味する言葉である。


炎と森のカーニバル ミイラ男も踊ってる

今宵、僕が招かれたカーニバル 

君に最後に送ったメール
君は見たんだろうか
たったひと言のメール
「君の膵臓を食べたい」

あ、ごめ、これ違う映画だったわ
あんな感動的なのじゃなくて、今作はガチで君の膵臓を食べたいカニバリズム映画。

と、ひと言でカニバリズム映画と言っても色々あります。
あなたは今作をどのような映画だと想像してるでしょうか?

グリーンインフェルノみたいな映画?
いやいや、あれは食文化としての食人なのでカニバではありません。

じゃあ、ハンニバルレクターシリーズみたいな?
う~ん、あれほどエンタメカニバでもないですね。

じゃあ、アルバートフィッシュとかチカチーロみたいな連続殺人鬼?
あなたガチですね。
あそこまでガチガチカニバじゃないです。

なんというか官能的で芸術的な かほりのする...ていうとオシャクソ映画だと誤解されそうだけど

ま、これは映像的にグロを追求したような映画ではないんですよ。

「人肉を食べちゃう」+「失神者続出」

この2つのワードでそっち方向に誤解されてる方が多いですが。
映像のグロさで言えば、はらわた裂いてむさぼり喰うゾンビ映画の方がよっぽどグロいです。

今作は"人が人を食べる"という事に精神的(倫理観)な嫌悪感を感じる映画。
まぁ、そのプロセスがね、ちょっとアレなんですけど...

入学早々ジュスティーヌちゃんにちょっと酷な状況が生れます。
全寮制の学園なんですがルームメイトが男性
アドリアっていうちょっとイケメン。
ゲイだから同じだろ?ってことだけど、たぶん全然違う。

で、先輩からの洗礼で
大量の動物の血をぶっ掛けられる
そしてウサギの腎臓を生で食べることを強要される
もちろんジュスティーヌちゃんは

「無理です!うちの家族はベジタリアンなんです!お姉ちゃんに聞いて!」

と拒否りますが、呼ばれて来たアレックスお姉ちゃんに

「オラ、なに言ってんだ!喰え!」

と口に放り込まれます。

ちょっとオエッてなっちゃいました?
でもこれは新入生が行う通過儀礼として理解出来ます。
これから獣医学性として動物と接するのは綺麗ごとだけじゃないよって教えてる訳ですから。

ただ このひと口の生肉がジュスティーヌを劇的に変えちゃいます


新しい何かが俺の中で目覚める世界は続く

君とスパーク 夜はスネーク

その夜、全身の痒みで寝れず灯りをつけてみたら
体中湿疹だらけ
(この時パンツまる出しおっぱいポロリしてますが、それで官能的という訳ではありません)

翌日、医務室で診て貰うと
おそらく一種の食中毒的なアレルギーだけどもう治りかけてるとのこと
ただれてた皮膚もペリペリペリ~と剥がれます。
軟膏でも塗っときなさいと薬を出して貰います。

ま、さなぎが脱皮するという分かり易い成長を表してるのでしょう。

で、皆さんお察しのようにアレが芽生え始めるんです。
お分かりですね?皆さんご一緒に、さんはい!

カ~ニ~バ リ~ズ~ム~

今まで全く興味のなかったお肉に惹かれはじめます。

ルームメイトのアドリアと学内のビュッフェ形式の食堂に行くと
ハンバーグをポケットに入れて万引きします。
バレて結局お金を払いハンバーグは即ゴミ箱にポイ
しかしポケットにハンバーグて...

どこが神童やねん!

続いては夜ご飯、またアドリアとおでかけ

ケバブ美味!うまっケバブ!

ジュスティーヌちゃん早くもお肉LOVEになってます。

その深夜、冷蔵庫をガチャ
生の鶏肉を手に取り

ガジガジガジ

焼くとか味付けとかいらんねん!生や!肉は生や!

と言ってはないですが、そんな感じにガジります。

お次は自分の髪の毛を食べます。
で、トイレで吐きます。
やっぱお肉じゃないとダメみたい

肉肉肉肉....肉、あ!

上半身裸でバスケをするアドリアをジト目で凝視するジュスティーヌちゃん。
ジュスティーヌちゃん?ねぇ、神童のジュスティーヌちゃん?
めっちゃ見てるやん、恋?恋...だよね?
鼻血を垂らしながらまだ凝視のジュスティーヌちゃん。

あかん、これ恋ちゃう、アッチや...

さぁ、いよいよ人肉に近づいて来ました。
なるほど、そういう映画か と理解した方はこのへんで。
まだもうちょっと確かめたい という方は先にお進み下さい。

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おじさん 唾をのみこんで
ぼくをうまそうに食べたのさ

今日はジュスティーヌちゃん、アレックスお姉ちゃんの部屋にお泊り。
ワキ毛ボーボーのジュスティーヌちゃんを見てアレックスはムダ毛処理をしてあげます。
なんやかんやで優しいお姉ちゃん。
ビジュアル的にも性格的にも僕は断然お姉ちゃん派!

で、お股のムダ毛処理なんですが、
ブラジリアンワックスって言うの?
塗って乾いたらベリッと剥がして毛をむしり取るやつ。
アレをやります。

ベリッ!

痛ッ!

出川ジュス哲朗ティーヌちゃん、ナイスリアクションです。
容赦なく続けるお姉ちゃん。
ところが、上手く剥がれない。
仕方ない...とハサミを用意します。

何する気?
仕方ないじゃない、剥がれないんだから。
ヤメロ!私のアソコだぞ!

アレックスを蹴り飛ばし抵抗するジュスティーヌ。
何すんのよ...と起き上がったお姉ちゃん。

ゆ、ゆ、指が切り落とされてるぅ!

ふぅ...とお姉ちゃんは気絶。
ジュスティーヌちゃんは慌てて救急病院に連絡

はい、そうなんです!え?指を氷に?分かりました!

指、指、指どこ?

飼い犬がくわえようとしているのを止め、無事発見。

氷、氷、氷...こ..お...り

血が滴る指を凝視するジュスティーヌ

まさか?まさか?まさか?
ちょい、ジュスティーヌちゃん?

血だけ、ちょっと血を舐めるだけ...

血ウマッ!ウマッ血!

ひと口、ひと口だけ...

はむ

バァーーン!!!

稲光が落ちたように覚醒するジュスティーヌちゃん
やべ!美味ぇ!

開けたら最後!You can't stop!
フランス喰種誕生

骨までしゃぶりつくします。
それを気絶から覚めたお姉ちゃんが見て

ひとすじの涙がキラリ☆

 

と、言う感じの少女のめざめ映画ですよ。
だいたいの感じは分かりました?
おそらく失神者が続出というのはこの場面の事かと思われます。

でもね、物語はこれでまだまだ中盤。

ここからジュスティーヌちゃんのカニバリズムはどう進むのか?

ジュスティーヌちゃんの覚醒を知ったお姉ちゃんはどう対応するのか?

そして誰がどのように犠牲になるのか?

ただいま絶賛公開中の為、あらすじを追うのはここまでとします。
これなら大丈夫そうだ、面白そうだと思った方は是非ご鑑賞下さい!

尚、ここから先の文章は鑑賞者の方に向けたものなのでネタバレがあります。
未見者は絶対読んだらダメ!
良ければ鑑賞後、また読みに来て下さい。

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カルマの雲裂き 走る銀のしぶき
流れるアクエリアス 抱いて夜の果てへ

鑑賞済みの皆さま、あらためまして こんにちはorこんばんは

いやぁ、いかがでした?この映画?
失神者続出なんて言うもんだから、てっきり目ん玉くり抜いてペロリとか、腸を餅吸いみたいにすするのかと思ったら違いましたね。

でも僕は好みの映像、音楽、展開に大満足。

単純にグロいものを見せようって映画も好きだけど、こういうのもアリですね。

あのアドリアの死体とか、変に内臓さらけ出したりせず太もも裏あたりをガッツリてのがヤルなぁ、監督センスあるなぁって感じでした。

で、ストーリーね。

ぶっちゃけ、監督が伝えようとしてる少女の成長?

んなのどうでもいい!

分かり易すぎて考える気にもならない。

それより愛ですよ、愛。

特にアレックスお姉ちゃんの愛。

僕はオチまで観た後、逆算で映画を考えるのが大好きなんですが
今作はオチあと振り返ると深いですよね、愛が。

お姉ちゃんの行動は全て妹への深い愛情。
自身はカニバリズムを受け入れたが、妹はまだ
このままでは、変な方向に進んでしまう。

だから、

自分の残酷で身勝手な捕食方法を妹に見せ
学校にいずらくさせる様な痴態をさらさせ
妹が食べてしまうであろう、アドリアを先に食べる。

そうすれば、頭の良い妹ならきっと上手く生きて行く方法を見つけられる。

あの涙を流した時全てを決めたんだろうなぁ...泣ける。

留置所で互いが食べた傷を見せあって微笑み合うとこなんてマジ泣けました。
2回目の鑑賞はお姉ちゃん目線で観ました。

わかんないのが親父とオカン。
あれオカンが始まりという訳でもなく代々の遺伝でしょ?
DNAに背負わされたカルマでしょ?

16歳までベジタリアンとして育てて、なぜあの大学に入れる?(お姉ちゃんも)
両親ともあの大学であの通過儀礼を受けたんだから、娘たちがあれで覚醒する可能性が高い事も分かってただろうに。

いずれ覚醒してしまうなら
せめて自分の目の届くところで

そう考えるのが普通でしょ?

で、お姉ちゃんの指を食べたのは妹って分かってましたよね。
犬は殺処分などせずラストシーンにいたし。

なぜ放置?

親父は自分の身を食べさせることで妻を護るなら、娘にも与えろよ。

人食べなくても生きてはいける訳だから、要は欲でしょ?
最も近いのは性欲?
なら、娘に食べさせるのは禁忌?
そうだとしても自分で処理することも解決法のひとつだし。

逃げずに一緒に考えろよ!
て、ちょっと親父にはイラッときました。

でも家族内の問題、特にこんな大きな問題はその家族にしか分からないんだろうな

「明日から寝るなと言われても俺は眠くなる 食うなと言われても腹は減る 言えることなど何もないのだ」

ふと、傑作漫画レベルEの名言を思い出しました...

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追伸、ジュスティーヌちゃん、お姉ちゃんの指食べたんだから
とりあえずひと言謝ろ。
人喰いだろうがなかろうが、感謝と謝罪の気持ちを無くしたら人間じゃないぞ!
やっぱ僕はお姉ちゃん派だ。  

最後にこの映画が好きな方にお勧めしたい映画を紹介して終わります。

・ネオンデーモン
・ファウンド
・アイムノットシリアルキラー