1人暮らしの日常にサプライズはない。
小腹が空いたな、何かないかな?と冷凍庫を開けても
あ!プリンあるやん!なんて事はありません。
当然ですが買ってない物は無いのです。
そんなぼっちさんにお勧めしたいのが
「いったん忘れる」という技。
買っておいて買った事をいったん忘れてみる。
すると風呂上がりに冷凍庫を開けて
あ!ガリガリくんあるやん!
という喜びが感じられます。
これを僕はセルフサプライズと名付けています。
さて、今作ですが実にこの技が有効なので是非使って欲しいのです。
2016年/アメリカ
監督:ギャレス・エドワーズ
出演:フェリシティジョーンズ、ディエゴルナ、ドニーイェン、チアンウェン、マッツミケルセン、フォレストウィテカー、ほか
上映時間:133分
80点
ざっくりあらすじ
遠い昔はるか彼方の銀河系で...
時は内乱の嵐が吹き荒れるさなか
凶悪な銀河帝国の支配に対し
反乱軍の宇宙艦隊は秘密の基地から
奇襲攻撃を仕掛け、初めての勝利を手にした。
その戦闘の間に、反乱軍のスパイは
帝国軍の究極兵器に関する秘密の
設計図を盗み出すことに成功した。
以下省略
皆さんご存知スターウォーズ(以下SW)EP4の冒頭説明文です。
今作はこの赤文字部分、たった3行に省略された名もなき兵士達の命を懸けた熱き闘いの物語である。
世界中の誰よりきっと 熱い夢見てたから...
その日を待ちわびていた。
届いたBlu-rayを包むビニールをカッカッと破る手さえおぼつかない程。
しかし鑑賞後、僕は落胆していた。
面白い、それは間違いない...
しかしこれはSWだろうか?
SWシリーズ、どれが好きか優劣はあるものの全作に共通してあった
スターウォーズを観たぞ!
という高揚感、満足感...それが今作にはなかった。
まず登場人物が地味過ぎる。
個人的にドニーさんが好きなので彼演じるチアルート、あとはドロイドのK-2SOは好きだ。
でも、ダースベーダー、ジャバ、ヨーダ、ダースモール、etc...に匹敵する新キャラはいなかった。
シリーズキャラBest10に今作のキャラを入れる人は少ないんじゃないだろうか?
登場人物が地味だからか、物語も地味に感じる。
後半の盛り上がりは凄い。
だが始まりから終わりまで全てがクライマックス
それがSWだ!
なのに前半のあのダルさは何だ?
そしてSWとは非日常、非現実を体感させてくれるエンタメの象徴なのだ。
なのに今作は大国に挑むテロリストを想像させ、フォースには宗教を感じさせる。
なぜ、非現実を求め買ったものに現実を叩きつけられなければならないのだ!
僕は待ちわびた期間、期待の分、フガフガと怒りさえ感じていた。
目覚めてはじめて気づく つのる想いに Oh!
落胆していると僕の中の映画長老が語りかけてきた
ぬしゃあ、何か勘違いしとりゃあせんか?
と...言いますと?
どうもSWに拘り過ぎとるきらいがあるの
曇りなき眼で観てみよ
さすれば気づくこともあろうて...
は!僕は平手とグーを併せ再度鑑賞を始めた。
そう冒頭で語ったセルフサプライズを発動して
いったんSWを忘れてみたのです...すると
なんということでしょう!
※解決ビフォーアフターのBGMを流して下さい
あの地味だと感じていたキャラクター、物語の魅力に感動させられたのです。
そうなんです。
これは名もなき兵士たちの闘いを描いた物語だったのです。
ルークスカイウォーカー、ハンソロといった歴史に名を刻むようなキャラクターがいて派手な活躍をしてはダメなのです。
帝国軍の究極兵器に関する秘密の設計図を盗み出すことに成功した。
この1文に省略された人々の繋がりと希望を感じ取らなければいけなかったんです。
僕はなんと愚かだったんでしょう。
そこに気づくと初見と全く違う映画のように押し寄せる
興奮!高揚!感動!
有能であったが為に帝国軍に利用された科学者の孤独な闘い。
帝国軍でありながら、過ちに気づき立ち上がったパイロット。
反乱軍として幼き頃より戦場に身を置いてきた男が見つける闘う意味。
ドロイドでありながら今作1男気を魅せるK。
そして科学者の娘が胸に秘めた復讐とその為だけの闘いではなくなる変化。
どれもこれもが素晴らしい!
今作はEP4を観た人にとっては結果を知った上で見る物語。
ネタバレを最初に噛まされた上で観てる様なものです。
しかしそこに辿り着くまでにこれ程のドラマと犠牲があったなんて想像だにしませんでした。
1人1人では成し得なかった偉業が、自然と己のすべき事を成し繋ぐ。
登場人物みなが "犠の星″ の元に生まれたかのように。
それがEP4に繋がりジェダイが復活する。
今作でフォースを宗教の様に演出したのは、民衆が絶望しきった状態であった事を象徴させる為だったんですね。
絶望しいてるから人はフォース、ジェダイという見たこともない奇跡を信じる。
それがただの虚像、空想ではなく後に復活する事を知る僕達にとっては感涙ポイントになるんですね。
そうなるとチアルートとベイズの友情物語が
熱い!熱い!
チアルートー!!
ベイズー!!
と絶叫せずにはいられません。
いったんSWを忘れて観たことで、逆にこれは間違いなくSWじゃないか!と気づくことが出来ました。
意識して観たから感動出来た人が多数でしょうが、SW愛ゆえにイマイチ乗れなかった人、是非一度お試し下さい。
世界中の誰よりきっと 胸に響く鼓動を
ずっと抱きしめていたい 季節を超えていつでも
今作が凄いのは、有名作のスピンオフ、続編を違う監督が撮るとあちこち矛盾が生じるもんですが(ターミネーターとかエイリアンとかね)、全く矛盾を生じていない事。
きっちりEP4の10分前まで繋がっています。
それどころか、よりEP4の素晴らしさに深みを加えています。
多くの人がそうしたでしょうが、ローグワン後にEP4を観たんです...すると
なんということでしょう!
※再び解決ビフォーアフターのBGMを流して下さい
何度も観たEP4が全く新しい映画を観たかの様に感動出来ました。
もうOPあらすじ、例の
帝国軍の究極兵器に関する秘密の設計図を盗み出すことに成功した。
の1文を読んだだけで、走馬燈のようにローグワンの連中の活躍と犠牲が頭に浮かびます。
ルークの手に渡るデータの重要性も、その後の活躍も200%増しです。
EP3とEP4の間を埋める見事なパテ的役割。
変にEP4先に観ておこうなんてしなくて良かった。
あやうく出来るはずの感動を損なうところでした。
予習として先にEP4を観てからローグワンを観ようと考えてる方がいるかもしれませんが僕はお勧めしません。
うすぼんやりの記憶のままローグワンを観ましょう。
その方がローグワンもEP4もより感動して観れます...たぶん。
あ!ローグワンですれ違った奴がEP4にいるとか細かい感動も含めて。
ここまで書いて僕が思うローグワンを100%楽しむ方法が分って貰えたと思いますが
・過剰にSWを意識しすぎない事。
・一切予習をしない事。(シリーズ未見者も含む)
大事にすべきはこの2つです。
僕はこの方法で思いっきり感動できましたから。
え?その割には80点て微妙な点数じゃない?そうお思いですか?
いや初見時は60点ぐらいかな...て思ってました。
それが2回目で20点増です。
そしてまだ上がるポテンシャルを感じています。
以前にも言いましたが
映画は時価です!
その都度上がったり下がったりします。
スターウォーズシリーズが完結した時、今作の重要性もひと際大事になるかもしれませんし邪魔になるかもしれません。
限りなく満点に近くなる事を期待して今回はこの点数で抑えて終わります。
追伸、また今回もあらすじに全然触れずに終わりやがったなって思ってます?
いやいやいや、
帝国軍の究極兵器に関する秘密の設計図を盗み出すことに成功した。
これがあらすじで、その中身を描いたローグワンですので。
あらすじ紹介する必要ないんじゃないかなと。
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最後に今作を好きな方にお勧めしたい映画を紹介して終わります。
・スターウォーズ4/新たなる希望
・スターウォーズ5/帝国の逆襲
・スターウォーズ...て言うかシリーズ全部だよ。