アノ映画日和

年間500本以上鑑賞、あらゆるジャンルの映画をイラスト付きで紹介

隠れた傑作 泣ける邦画ランキング

 

(とっくに)あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

さて、今年はじめの記事は記念回恒例のランキングです。

今回の記念は読者様500名記念です。
いやぁ、有難い
武道館ならスカスカですが
近所の市民会館ならいっぱいになる人数です。
そんな沢山の方々に応援して貰ってるのかと思うと涙が出そうです。

ということで今回のランキングは泣ける映画(ちと強引?)
そして新年らしく邦画限定でいきましょう。

と言ってもセカチュー、いま会いにゆきます、余命1ヶ月の花嫁などメジャーな映画は並びません。
当ブログお馴染みの隠れた傑作シリーズでいかせて頂きます。
題して

映画好きさんも見逃しがちな隠れた傑作泣ける邦画ランキングBest10!

どうぞ最後までお付き合い下さい

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では早速ランキングの発表です


第10位

夫婦フーフー日記 

実話から生まれた、笑って泣ける夫婦の愛

死んだはずの妻が目の前に現れた!

「なんだ?俺はおかしくなってしまったのか?」

夢か幻か幽霊か?パニくる夫の前で妻は笑いながら答える

「そうだ、お前はおかしくなってしまったのだw」

永作博美と佐々木蔵之介、2人のおかしく可愛い掛け合いに思わず微笑ましさを感じます。
本来、重くツラくなりがちな妻との死別。
ツラくなり過ぎない様にという監督の配慮?優しさ?

それが自然と温かい涙を流させます。


第9位
ポテチ

僕の涙腺は濱田岳に弱い 

アヒルと鴨のコインロッカーでもゴールデンスランバーでも彼に泣かされた。
世界から猫が消えたならなんて、映画自体は好きじゃないのに濱田岳が親友の為に映画を探すシーンでは号泣してしまった。

プロ野球のスター選手と空き巣
全く接点のない2人に隠されたある秘密とは?

そんな単純なプロットに複雑に絡まる人間模様。

やはり僕は濱田岳に泣かされるのです。
そしてこの「ポテチ」というタイトルに隠された意味にも...


第8位
ケンとカズ
 

どん底から這い上がろうとした男たちがいた

覚醒剤の売買を生業とするケンとカズ
裏社会底辺に生きるこの2人の怒り、哀しみ、そして転落を描く。 

普通に考えれば同情する余地などない男どもです。
クズがクズの世界でもがき苦しみ結局ダメで...

どこで泣くの?

さぁ?僕にもわかりません。
でも今作を観終わった時
ケンがカズを
カズがケンを
思う気持ちを考えたら、

ギューっと絞った最後の1滴みたいな涙がこぼれたんです。

あなたもそんな凝縮された涙を流してみませんか?



第7位
壬生義士伝

まっすぐに泣ける生き方がある

幕末の京都、脱藩した剣士吉村が新選組に入隊してきた
命に固執しすぐに人に頭を下げる。
何かにつけ金を求める守銭奴。
その男、武士と呼ぶにはあまりにみすぼらしかった。

しかし男には周りに何と揶揄されようと捨てられぬものがあった。
それは武士としての"義"と家族に向ける"愛"

もはや死に体である新選組に残り、最前線で命を張る吉村。
誠の羽織を血に染め敵陣に向う

その姿を目の当たりにした斎藤一は言う

奴こそが侍である

瀕死の吉村が語る家族への愛の言葉に
もう涙を止めることは出来ないでしょう。

まっすぐに武士を貫き散った男の生き様に泣いて下さい


第6位
僕と妻の1778の物語 

この映画を観て、僕は少し優しくなれた気がする

僕は泣け泣けとグイグイくるような映画は嫌いです。
余命宣告された妻とその夫の1778日の闘病記。

グイグイのにおいがしますね?

ところが今作は全然グイグイじゃない。

医師が夫 朔太郎に告げます
笑いが免疫力を高めるという実例もあります
するとSF作家である彼は決意します

そうだ!せっちゃんの為に小説を書こう!
お腹の皮がよじれて癌細胞が笑い死にするような小説を毎日!

もうこの言葉が出た瞬間、この映画は素敵だと確信しました。

涙の押し付けなんてとんでもない
今作は優しさに包まれています。

事実、登場人物の表情は笑顔ばかり。

そして最後1778話目、朔太郎はある特別な方法で小説を書き上げます。
ハッキリ言っておきましょう、そのシーン

涙、不可避です 

第5位
箱入り息子の恋 

泣いたんじゃない、泣かされたんだ

というのも僕が星野源が嫌いだからです。

年齢=彼女いない歴、真面目だけが取り柄の35歳

出た!星野源お得意の童貞役

そんな彼が盲目の女性とお見合いをして盲目的な恋に落ちる

よ!星野源の定番

2人の恋路には難関があり...

は?そんな映画で泣いてたまるか

結果、泣きました
ワンワン泣きました

泣いてしまった僕の言い訳が書いてますので、よければ過去記事を読んで下さい 

 

 

第4位
オーバーフェンス

たとえ壊れたとしても...

オダギリジョー演じる主人公は離婚した元妻を壊したと自虐的に生きています。
彼が通う職業訓練校も壊す側の人間と壊された側の人間に別れています。
蒼井優演じるホステスは個性的な女性で周りからは壊れた女と呼ばれています。
そして壊した男と壊れた女が出会い恋をします。

そう、この映画には壊す人間と壊れた人間しか出て来ないのです。

壊れたおっさんを自負する僕が惹かれるのは当然です。
でも僕が泣いたのは、壊れる壊されるという胸を締め付ける暗い共感部分ではありません。

最後、微かに見えた気がしたひとすじの希望の光

その1点にツーと温かい涙がこぼれました。
誰だってどこかで誰かを壊し、誰かに壊されてるんだ...


いよいよTOP3の発表...その前にいつもの惜しくも圏外となった作品。
メジャーかな?隠れてないなで外した作品をいくつか紹介します。

 

・湯を沸かすほどの熱い愛

昨年、日本中を泣かせたこの作品。
もはや隠れたとは言えません。
とは言え近年僕が1番泣いた映画です。
過去記事だけ置かせて下さい。 

・ぼくは明日、昨日のきみとデートする
 

たった30日恋するために、僕たちは出会った 

そんなキャッチコピーが付くような胸キュン映画です。
福士蒼汰と小松菜奈という美男美女が恋する物語です。
JK専用みたいな映画です。

おっさん泣きました。
ボロボロ泣きました。

こんなんあかんねん、切なすぎるねん。
その辺の胸キュン映画と一緒と考えて敬遠してる方々
これ観ないと損しますよ

SF要素を含んだ運命のラブストーリー、おっさんのハートも撃ち抜きます

・ぐるりのこと 

毒ガス事件、幼女誘拐殺人事件など実際に起きた事件と共に、ある家庭内問題を抱えた夫婦の10年の軌跡を追った映画。

凶悪犯罪者を前にして淡々と描き続ける法廷画家としての姿
心に病を抱える妻を想い寄り添う夫としての姿
その両方の対比が実に面白い。
どんなに世間を騒がすニュースより、ニュースにならない家庭の問題の方が深刻だ。

そしてその問題を和らげるのが映画的な奇跡じゃなく、思いやり、言葉、時間というのが涙を誘います

正直言うと僕はこの映画で泣けませんでした。
でもこんな映画で泣ける男でありたいのです。

 

・今度は愛妻家 

先が読めたから泣けなかった。
今作をそう評する人が多い。
???
何で先が読めると泣けないのでしょう?
僕は好きな映画は何度も観ます。

そして同じ場面で何度も泣きます。 

泣けないのは先が読めるからではなく、演出が下手だからでは?
これなんかアレよ、分かってるからこそ泣けるみたいなとこあるよ。

演出が素敵だから

夫婦で見ると、奥さんにジトっとした目で見られますので旦那さんはご注意下さい。



・夕凪の街 桜の国

僕は戦争映画が苦手です。
どんな描き方をしようとそのツラさ、酷さ、残酷さ、史実が胸をえぐってくるからです。
そして僕には戦争を語れるほど知識も言葉も持ち合わせていません。
だから劇中のセリフをそのままお届けします

ひどいなぁ...てっきり私は死なずにすんだ人かと思うたのに
なぁ、嬉しい?
十三年も経ったけど原爆を落とした人はわたしを見て
『やった!またひとり殺せた』
とちゃんと思うてくれとる?

原爆症を患った女性がまさにこれから幸せになろうとした時こと切れる。
その間際にこぼした言葉です。
僕はその場面で涙が止まりませんでした。
尚、今作は「この世界の片隅に」の 作者、こうの史代の原作を忠実に実写化した映画です。
それだけでも

観る価値アリ

そう思いませんか?


他にも紹介したい作品がまだまだありますが、そろそろランキングに戻りましょう。

 

 

ではTOP3の発表です


第3位

おにいちゃんのハナビ

僕はダメダメ君が頑張るって話に弱いんです

今作のお兄ちゃんは正にダメダメ君です。
いい年して引きこもり
そのお兄ちゃんを助けたのは退院したばかりの病弱な妹

強引に部屋から出し、バイトを見つけ、成人会に入れます。
1人では行動出来ない兄にいつも妹は隣に寄り添う。

しかしその妹は再び倒れる

見舞いに来た兄に妹は言う

「おにいちゃんの花火がみたいな...」

2人が住む新潟のこの町では花火は400年の歴史があり特別な意味を持ちます

ここから...あのダメな…グス..おにいちゃんが頑張るんです…涙
妹のため、妹のためって
ひとりで毎日新聞配達して...人付き合い苦手なくせに、花火修行して...
その花火がさく頃には...妹は..妹は..
で、おどうざんがおにいぢゃんをだぎじめで...
う˝わぁ~

あど…ごうりぎあやめがチョイやぐで出でまず~



第2位
忘れないと誓った僕がいた

「ありがとう」そして「さようなら」

泣ける邦画って死別をテーマにしたものが多いです。

分かりやすく悲しいから。
でも今作では誰も死にません。
忘れられるだけで...

誰の記憶にもとどまれない不思議な少女と
その彼女に恋をした青年の物語

友人はおろか、家族でさえ彼女を覚えていることが出来ません。
それでも愛を頼りに青年は彼女を忘れない。
しかしそんな彼の記憶からも徐々に彼女の記憶は消え始める
忘れまいと必死になる青年
そんな彼を見て彼女が決断した事とは...

こんなに笑顔が悲しい映画は観たことがありません。

今作こそが「君の名は。」だったりするとかしないとか

 

 

 

 

そして栄光の第1位は

 

 

 

 

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第1位
砂の器 

うう˝ぉい!

何を最後の最後に昭和の名作を挙げてくれとんねん!
どこが隠れとんねん!

ま、待って下さい 聞いて下さい 石を投げないで下さい
違うんです、訳があるんです。

最近目にしたメジャー誌の泣ける映画特集、ネットで見かける泣ける映画の紹介
一切この映画が挙げられてないんです

中居くんのドラマで観たから
古い映画だから

もしかして若い人達にとって今作はそういう理由で敬遠されているのでは?
もはや隠れた存在になりつつあるのでは?
そう思ったからなんです。

映画好きによくある昔びいきはしたくありませんが
この傑作は繋いでいかないといけない、その使命感からです

顔を潰された身元不明の他殺体があがる。
手掛かりは「カメダ」という人名か地名かもわからない言葉だけ。
2人の刑事は執念でその真相にせまる
そこに浮かび上がった容疑者は世界的に有名な音楽家

和賀 英良だった

なんだ、よくある刑事ものか
そうお思いの方もいるかもしれませんね。
確かに事件的にはよくあるタイプ
開始から1時間半近くは冗長でなぜこれが名作扱いされてんの?
なんて思うかもしれません。

しかしこの映画の核は集結される怒涛のラストにあります。
和賀英良が殺害に至った

『動機』

その1点にあります。
ラスト50分で描かれる、和賀の悲しすぎる過去、その想いで創られ演奏されるピアノ協奏曲

『宿命』

そこで目にする真実には涙、いや涙なんて言葉ではヌルイな

『血涙』

が溢れ出ます。

何度もリメイクされるこの物語。
申し訳ありませんが、1974年オリジナル版を観ずして観たとは言えません。
物語の本質はオリジナルでしか描かれていないのだから。

僕にはこの映画お勧めですよと軽く背中を押すぐらいしか出来ませんが
今回ばかりは

『観ろ』

と少し強めに背中を叩かせて頂きます。

 

ということで、

映画好きさんも見逃しがちな隠れた傑作泣ける邦画ランキングBest10!

いかがでしたでしょうか?
人の泣くツボというものは老若男女でそれぞれ異なります。
だからなるべく色んな種類の泣き映画を並べてみたつもりです。
どれか1点でも、これはと思えるものがあれば嬉しいのですが。

そう言えば今年に入ってまだ泣いてないなというそこのアナタ
今年の初泣きは映画でしてみてはどうでしょう
その助けに当記事がなれば幸いです。

参考になったよなんてお言葉を頂ければ、気をよくして今度は洋画、韓国映画、映画全般から泣ける映画を紹介するかもしれません。
いつまで経っても紹介されなかったら
あ、評判悪かったんだな...と察してください。

ではでは、本年も皆さまにとって良き映画ライフが送れますよう、そしてそのお手伝いができる事を祈り終わります。
長文お付き合い頂きまして有難うございました。