エイリアン、怪獣、悪魔、天使、神まで、映画の中には様々な人ならざるものが登場します。
その中でもひと際僕を惹きつけるのがヴァンパイアです。
ヴァンパイアは人間のひとつの進化系の様な立ち位置にいます。
そして夜を生きる者であったり、血を食事としたりその生体性に闇の美しさを感じます。
そうヴァンパイアは美しいのです。
それが僕を惹きつけるのです。
ところが昨今の映画では同じ人間の延長線上にいるという事で、ゾンビとごちゃごちゃにされ、その境界線があやふやになっています。
いかん!いかん!
ヴァンパイアは美しくなくてはいかんのです!
1994年/アメリカ
監督:ニール・ジョーダン
出演:トムクルーズ、ブラッドピット、キルティンダンスト、クリスチャンスレーター、アントニオバンデラス
上映時間:123分
92点
ざっくりあらすじ
現代サンフランシスコ、記者(クリスチャンスレーター)はある男に興味を持った。
インタビューに応じたその男の名はルイ(ブラッドピット)
職業はヴァンパイアだと言う。
にわかには信じられない話ではあるが、その男が見せた行動、話は疑いの予知をなくした。
この物語はルイがインタビューで語る200年にも及ぶヴァンパイアの壮絶な半生を映像化したものである。
夜よ負けんなよ朝に負けんなよ
何も答えが出てないじゃないか
大きく分類すると映画は2種類に分かれます。
登場人物の一時期の光あるいは闇を切り取って魅せるもの。
もう1つは登場人物を人生単位でじっくり魅せるもの。
ヴァンパイア映画はその強烈な個性、キャラクターから前者で描かれる事の方が圧倒的に多いです。
その強さや怖さを見せたいならその方が手っ取り早く面白い映画が創れるからです。
今作は後者で描かれています。
伝えたいのは、強さや怖さよりヴァンパイア特有のはかなさや哀しさだからです。
この映画は演者、映像だけでなくストーリーも美しい。
徹底的な美へのこだわり!
数多あるヴァンパイア映画の中でも
TOP OF THE VAMPIRE MOVIE
そう支持される方が多いのもそこが理由でしょう。
この壮大な物語を語り出すと何文字のブログになるのか分からないし、未見者はとりあえず観てって感じで鑑賞済みの方には語る必要はない。
だから今回はイラストと登場人物の魅力を伝えることに終始する事にします。
まずはトムクルーズ演じるレスタト様
なんだか不安なんだひどく淋しいんだ
闇は孤独を包む貝殻さ
メインイラストに彼を起用したことでお察し頂けるかと思いますが、僕は強烈なレスタト様信者です。
あのビジュアルの美しさ、カリスマ性、決して捨てないヴァンパイアとしての誇りと美意識。
その魅力はあげるとキリがありません。
彼の力を持ってすれば、ヴァンパイア仲間、しもべを増やしこの世の帝王となる事も可能です。
JOJOのDIO様のように。
彼岸島の雅様のように。
しかしレスタト様はそんな事に興味はありません。
ヴァンパイアになるに足らない者を仲間にするぐらいなら孤独を選びます。
ヴァンパイアとしての誇りと節度があるのですよ。
人間など彼の目からすれば色欲と食欲の対象でしかないのです。
ならなぜルイをヴァンパイアにしたか?
愛ですよ愛、それ以外何がありますか?
クローディア?
それもルイを傍にいさせ続ける為ですよ。
クローディアに父性を感じたのは結果論で全てはルイの為。
利己的な愛
ああ...なんと美しいのでしょう。
そのレスタト様を演じるトムクルーズの美しさったらもう...
原作者(アン・ライス)と原作ファンがレスタト役がトムクルーズ?
絶対反対!背が小さすぎる、声が高すぎる、ナシ!ナシ!とデモまで起こしたのに、映像を見るや否や撤回撤回トム様レスタト萌え~~となったのはあまりに有名な話ですね。
物語中最も切ない永遠の少女クローディア
ヴァンパイアウーマン 純粋な女
罠でも何でもはめておくれ
ヴァンパイアはヴァンパイアになった段階から歳を取りません。
クローディアはあまりに幼い頃にヴァンパイアになったが故に永遠に子供のままです。
精神年齢は大人になっていくのに、見た目は少女のまま。
大人の女性に強く憧れます。
そりゃ悲しいですよね。
女として生まれてきたのに、見た目のせいで誰も女性として見てくれません。
あくまで子供。
これが18~30歳くらいの間にヴァンパイアにされてたなら
レスタト、グッジョブ!サンクス!
となったでしょうに...
愛するルイもクローディアを異性としては見てくれないのですからね、
クローディアがレスタトを殺害したのは成長を止めた恨みもありますが、きっと女性特有の愛する人を独占したいという欲の方が強かったんでしょうね。
ルイ...なんと罪深き男、いやヴァンパイアよ。
ヴァンパイアたらしのルイ
あいつもこいつもあの席を
ただ一つ狙っているんだよ
このクラスで1番の美人の隣を
レスタト、クローディア、そしてアントニオバンデラス演じるアーマンド
みんなルイルイルイルイ、ルイを欲します。
こいつのせいで一体何人のヴァンパイアが命を落としたか。
その癖に、ああ...何故...といつも嘆き苦しんでいます。
お前のせいやろがい!
でもなぜルイは男からも女からも愛されるのでしょう?
ブラピが演じるあの美しさのせい?
ま、当然それは強い要素ですね。
でももっと強い愛され要素を彼は持っています。
それは10年経とうが100年経とうが200年経とうがルイが人間としての心を失くさぬヴァンパイアということ。
ヴァンパイアは人間を超越したことから、人を見下す様になります。
しかし見下しながらも太陽の元で生きる事、終わりがあるゆえに持つ命への心、等々、人に対する憧れもどこかに持っていたのでしょう。
その心を持ったまま、ヴァンパイアであり続けるルイ。
自分が失くした心を持ち続けるルイが愛しいとともに、純粋なその心を自分好みのヴァンパイア色に染めたいその欲求がルイを求めるのです。
たぶん、知らんけど。
インタビュアーダニエル
あ~ま~い~匂い~に~
誘われたあたしはか〜ぶとむし〜
皆さんご存知のように本来ならばクリスチャンスレーターではなくリバーフェニックスが演じてたはずの役。
リバーフェニックスが演じてたなら、更に今作は美しくなったでしょうね。
亡くなった彼が無理なのは分かってますけど、せめて「マイプライベートアイダホ」で共演しヒケをとらぬ美しさを見せたキアヌリーブスをキャスティング出来なかったかなぁ...
いや、クリスチャンスレーターは嫌いじゃないのよ。
でも美しいというよりワイルドって感じだからなぁ...彼は。
しかし自らヴァンパイア化を望む彼、本来レスタトがヴァンパイア仲間にするのはおかしいですよね。
でも、これもルイへの愛でしょうね。
素直にまた一緒に生きようよとは、プライドの高いレスタト様は言えないですからね。
ダニエルはルイの為の餌でしょうね。
殺されようが、200年経とうが変わらぬ愛ってどうよ!
純愛通り越して狂愛でしょ!
肉体的な表現は一切されてないけど、こういう目には見えない精神的な繋がりを感じる映画にこそBL映画の美が詰まっている気がするのです。
この映画を観るたびに、
も、もしかして僕は...なんか新しい扉を開けたような錯覚に陥ります。
いやいやいや、
こんなの男も女もゲイもノンケも関係なしで
萌え~~でしょ?
という感じで「インタヴュー・ウィズ・ヴァンパイア」を紹介してみましたが、僕個人の想いを書いただけで、これブログとして成立してんのかなぁ?
ま、いっかいつもこんな感じだし。
分かんないですけど、この映画に対する愛情だけでもくみ取って貰えれば幸いです。
そして、僕は今作で120%満足してるので原作を読んでいません。
原作ファンの方、これは原作ではこう書かれてるのでこの解釈はおかしい!正しくはこう!とか責めるのやめてね。
僕はルイにもヒケをとらないほど繊細な心の持ち主なので。
追伸、今作の続編も映画として存在しているらしいです。
せっかく教えて貰ったのにタイトル忘れちゃいました。
ご存知の方、教えて下さい。
世界観壊されるの嫌だからスルーするかもですけど。
最後に今作を好きな方にお勧めしたい作品を紹介して終わります。
・ビザンチウム
・モールス
・デイブレイカー